昨今、上海株式相場が上昇すれば日本株にも買い安心感が漂い、海外ヘッジファンドなど短期筋が日経平均先物に買いを入れ、日経平均を押し上げる要因の一つになっている。米中貿易摩擦への懸念は株式市場のみならず為替相場や債券市場などグローバルの金融市場を揺るがしている。

しかし何故トランプ米政権は中国に貿易面で圧力をかけ続けるのか。

アメリカは長い間貿易赤字に苦しんでいる。要するに輸出によって得る収入よりも輸入によって出る支出の方が多く、ビジネスと考えた場合に赤字となる訳だ。その㈱アメリカの貿易赤字内の約47%を占めるのが、中国との貿易。トランプ米大統領が唱えるアメリカファーストとしては、就任当初からこの中国との貿易赤字をどう解消していくかが懸案となっていた。

トランプ米政権は、赤字回復のために去る3月22日に500億ドル(約5.3兆円)相当の中国製品に関税を課すことを決定した。さらに翌23日には鉄鋼、アルミ製品の関税を引き上げた。しかしながら、関税引き上げは、アメリカ国内での輸入品の値段の上昇を誘発させる訳で、その商品が販売しづらくなり、結果として輸入量が減ることになる。中国としてはアメリカに商品を輸出しにくくなる訳ということだ。アメリカ側の措置に当然中国は反発して、報復措置として、中国は米国産品30億ドル(約3,100億円)分の輸入に追加関税をかけることを発表。

これが米中貿易戦争の発端だ。実は貿易関係のみならず、北朝鮮問題や対ロシアの外交政策などがトランプ米政権の腹の内なのかもしれない。

中国政府は8月3日、米国に対する新たな追加関税措置を発表、米中貿易摩擦がエスカレート傾向にある。しかしながら、今回の報復措置は米国の規模より小さく、輸入総額で米側に大きく劣る中国がとれる方策には限界が見え始めているのも現状だ。中国では、米国製品の不買運動や米国債売却など関税以外の報復措置が取り沙汰されているものの、中国側の手詰まり感は日増しに色濃くなってきていると市場では受け止められているようだ。

また、中国の対米輸入額は年1500億ドル規模で米国の対中輸入額(5050億ドル規模)と開きがある。これまでに中国が表明した報復関税の総額は、発動済みの分も含めて既に1100億ドル相当に達しており、米国のように制裁対象を広げるのは難しくなってきている。

そのため関税以外の措置の可能性も市場では囁かれ始めている。
最もあり得るのは米製品の不買運動。中国官製メディアでは7月下旬ごろから米アップルに関する批判が相次ぎ、アップルが標的になる可能性も否めないと市場の一部ではそんな見方も出ている。

中国での米企業の投資規制や、認可先延ばしも想定される。

米国側も警戒するのは米国債の大量売却や購入規模の大幅減額だ。中国の米国債保有額は5月末現在で約1兆1800億ドルと最大。

米通商代表部(USTR)は7日、中国からの輸入品160億ドル、279品目に25%の追加関税を課すと発表した。23日に発動する。中国の知的財産権侵害に対する制裁関税の第2弾となる。6月15日に公表した品目リストから削除されたのは5品目のみ。半導体は品目リストに残った。中国は同規模の米国製品への関税で報復すると表明している。

中国側がこれ以上の過激な策に出れば、トランプ米政権がより激烈な報復に出るのは間違いない。この綱引きが米中間選挙まで続くのか。それとも既に水面下では裏交渉が進んでいるのか、市場の最大級の注目が集まっている。