今週のピックアップ銘柄:NY原油先物

精製業者の強い需要などを受け、米原油在庫の減少幅が予想されていました。米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が8月22日発表した先週の週間統計によると、米原油在庫は約583万バレル減少となり、予想を大幅に上回りました。その結果、昨日、原油先物価格は2%の上昇となりました。
しかし、これまでの下降スイングが上昇に転換していません。

原油先物価格

多くのCFDトレーダーはベンチマークの限月のCFDで売買しています。しかし、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場している先物商品であれば、期近から期先までの先物価格が公開されています。

 

現在、ベンチマークは10月限になっていますが、9月限から先の限月の決済価格に注目してください。期先へ行くほど価格が低くなっています。つまり、バックワーデイションの逆ザヤ状態になっています。

一般的に、需給の逼迫などにより、現物を保有していることのメリットが、金利コストや保管コストなどの現物の保管に必要なコストを上回るとこのような逆ザヤ状態になります。

データ:EIA & ジェネシス社

2017年の3月をピークに原油の在庫量が減少してきています。NY原油先物(WTI)価格は同時期から徐々に上昇して、今年に入って中期的な上昇トレンドを形成しています。今は中期的な上昇トレンドのなかにおける調整期間と捉えるべきでしょう。仮に、7月からの下げが中期的な下降トレンドであれば、逆ザヤから順ザヤに変化していくはずです。

COTインデックス

すでに実需筋のコマーシャルズの買いヘッジ率は過去6ヶ月間で最大になっています。同時に、投機筋のファンド筋はショートポジションをかなり積み上げてきています。取組高は減少していますので、これまでの中期的な上昇トレンドで積み上げられたロングが整理されているようです。

季節性周期(シーズナル)

気になる今後の原油相場を占ううえでシーズナルを確認しておくべきでしょう。ここまでシーズナル通りの展開が続いていますので、WTIは9月以降、大きく値を崩す確率が高まっています。

バリュエーションモデル

米国債、米ドル、そして金と比較してみると、NY原油先物市場はニュートラルになっています。まだ割安になっていないため、昨日の2%近い上昇は一時的と予測できます。

テクニカル分析

短期RSIはすでに買われ過ぎになっていますので、ここから押されていくでしょう。そして、64ドルと言うサポートを割らないようであれば、徐々に値を切り上げてくると思います。シーズナルでは、今後、WTIは軟調に推移すると予測されますが、それは在庫量次第だと思います。ここまで在庫量は徐々に減ってきているので、64ドルと言うサポートを割るのは難しいでしょう。一方で、74ドルを超えるためには極端な在庫の減少か、もしくは、アメリカ以外の産出国で大きなトラブルが起きないと難しいでしょう。