1. ドル円FXの買いとOTM(アウト・オブ・ザ・マネー)のプットオプションの買いを組み合わせたヘッジ+ど転戦略

6月以降はおおむね109円から113円のレンジで取引されています。

米国人宣教師の軟禁問題などから生じたUSD-TRYの下落、米中貿易摩擦からのUSD-CHNの下落、さらには米国金利の方向性も相まっての新興国市場の動揺、欧州ではトルコの問題にイタリアのポピュリスト政権による財政悪化懸念などもあるため、それなりに市場には問題が山積です。

そのような中、USD-JPYの動きの安定感は抜群ともいえます。そして、米国との金利差もあって、基本ドルのポジションは買いからのほうが入りやすいという心理的な安心感もあり、上記のようなチャートを意識した場合、110円近辺はある程度中期的に買い玉を持つことは悪くない戦略かもしれません。

では、ストップはどこに置くかというと、109.50円あたりが節目になっているので、そのような戦略でオプション取引の利用を考えます。

8/21に行ったデモトレードでは、110.135円でUSD50,000買い、ヘッジとして、9/5満期、行使価格109.50円のドルプットオプションを0.466円でUSD 100,000購入しました。9/5満期、行使価格109.50円のドルプットとは、9/5の米東部時間10AM (NY time 10AM)でドル円が109.50円未満の場合、109.50円でUSD 100,000売ることができるオプションです。

この戦略は、FX取引のUSD long USD50,000 @110.135というポジションをメインに置きつつ、ドルが109.50円を割れてきた場合に、反転してドル売りとなるような戦略といえます。109.50円を切ってきた場合には、ちょっと下落するという仮定の下、メインはレンジ相場と考えています。自動的なロスカットに相場の転換点でのど転ショートを、オプションを使って行うと考えてください。

8/24 13:10時点の損益ですが、SPOT 111.455、109.50 Putは0.040(ともにクローズする場合のBid priceです)ですので、PLはSPOT +66,000円、Putで-42,600となり、ネットで+23,400円です。

今のところ、ドル上昇のビューが奏功してドル買いで利益を得て、ヘッジとして購入した109.50PUTの価格はほとんど0になっています。この取引の良い点は、ロスカットをはじめにオプションの行使価格により設定しており、かつその時点を下回ればショートに転じることも可能なところです。

もちろん、オプションプレミアムを払っているので、単純なドルロングよりも収益的には低くなりますが、びくびくしないでポジションをとれるところや、オプション購入という保険の安心感から、相場が上下どちらに触れても、その時点であまり自分のポジションに惑わされずに冷静に相場を見てポジションを広げることができるところです。

例えば、この時点で収益を確定してもいいですし、新しい110円行使価格のUSD PUTを0.204で買い、109.50を売ってストップを切り上げることもできます。オプションを購入する場合、このように戦略に広がりと余裕が生まれることが優位なポイントといえます。

この戦略の満期時点の損益表は以下のとおりです

 

2. GBP-USD OTM Callの買い 

GBPはやはりショートで攻めたいと考えている方が多いと思いますし、実際にかなりショートで利益を上げている方も多いと思います。ただ、さすがにここにきて、ちょっと反転の雰囲気を出しています。

1.375割れあたりからGBP shortを持っている方は、かなり利益も出ていますし、Carryもプラスですし、基本そのまま続けて持ちたい方も多いと思います。ただ、最近の状況から少し気迷いの方も多いでしょう。

こういう場合、ヘッジとしてのOTMのGBP Call買いという戦略はいかがでしょうか?

例えば、8/21の時点で、9/26満期、行使価格1.3000のGBP Callは0.00625でした。十分利益が出ている方であれば、このぐらいの保険を払って、GBP shortを持っているという考えもありかと思います。これから1か月程度の間にGBPが反転するような場合、ヘッジになりますし、大きなトレンドが変化しないというビューであれば、SpotのGBP shortをさらに増やすなど、戦略の選択肢も広がります。

8/24 13:10時点の損益は、GBPが下落していますので、GBP Callの価格が0.00481(これも売るためのbid priceです)に下落している為、PLはドル換算で-144ドル、円換算では15,906円(1ドル110.455円)の損失となっています。

さて、この取引は損失となっていますが、このポジションの仮定として、GBPショートを持っているとしています。その意味では、GBPショートのヘッジが有効に働いていて、ポジションについて余裕を持ってキャリー出来ていると思われます。

GBPのチャートを見ると、相変わらず1.2800は割れていませんし、まだ反転の可能性もあることから、1か月ほど満期まであるこのポジションは様子を見るレベルと思います。

 

今回は、ごく簡単な相場に合わせたヘッジを基本としたオプションの利用で、単純なオプションの買いを提案させていただきました。

オプション買いの魅力は、プレミアムを支払えば、証拠金が必要ないので、自分の戦略に余裕を持てるところです。

スポット取引を行う方は、オプションプレミアムを支払う行為に抵抗感を持つ方も多いのですが、トレードは自分の持っているポジションに惑わされず市場を常にニュートラルに見ることが非常に重要です。その意味では、保険としてプレミアムを払って、余裕をもって市場を見るという安心感を手に入れることもかなり有効だと思います。