22日から再開された通商協議で米中貿易摩擦の悪化回避を目指す中、23日日本時間13時01 分、米国が160 億ドル(約1.8兆円)の対中輸入に対する追加関税を発動させました。発動決定は8月7日に公表済であり、市場の反応は限定的でした。また、中国も報復措置として対米輸入160 億ドルに対する追加関税の適用を開始しました。こちらも8月8日に決定済の内容で市場からの大きな反応はみられませんでした。7月6日に「第1弾」となる340億ドル分を発動し米中貿易対立は激しさを増しており、予定通り「第2弾」の実施に踏み切る結果となったわけです。
25%の関税率を上乗せする輸入品は279項目。中国の先端技術育成策「中国製造2025」など、米政権が危険視する産業政策に関わる電子部品や化学素材などの輸入品が中心です。電子部品などのサプライチェーン(供給網)などは米中にとどまらず各国へと入り組んでおり、今後の世界経済への悪影響が懸念されます。

米中貿易摩擦懸念が台頭する中、日本株の動向も左右させる米国株式市場はいったいどうなるのでしょうか。まずは、トランプ大統領が宣言している、トランプ新経済政策の遂行に注目が集まります。トランプ大統領の「ドルが強すぎるのは好ましくない」の発言もあり、ドル安傾向になりやすい地合いですが、トランプは5兆ドルの減税、1兆ドルの公共投資、さらには規制緩和をすると発言しています。

また、金融とエネルギーに関する規制緩和が実行されれば、米株高の誘発と同時に日本株高になる可能性が高くなるかと思われます。また、為替はドル高円安になる可能性が高くなります。トランプ大統領のインフレ政策にも注目が集まります。いまは「ロシアゲート」問題などの根回しで、経済政策実行が空回りしている印象も拭えません。
5兆ドルの減税を実施し、法人税の35%を15%に下げたら、米経済は良くなる可能性は高くなります。15%まで下げなくとも、他の減税を遂行させることも考えられます。

ナスダック総合指数は史上最高値圏で推移しています。AIなど中心にアメリカのテクノロジーの進展が背景にあります。アップル、アルファベット(グーグル)、アマゾンなど新しい巨大テクノロジー国家が生まれつつあるといっても過言ではないかと思われます。

米国株式市場は金融株などが相場を引っ張るというより、ハイテク株中心にナスダック総合指数が相場の牽引役になるかと考えています。米中間選挙までNYダウの上昇は継続されるかと思われますが、ナスダックは更にNYダウの上昇率を上回る可能性があると考えます。

アップルやアルファベットなどが上昇基調継続であれば、堅調な米国株の地合いは保たれると思われます。テクニカル面では高値警戒感もありますがアメリカは第四次産業革命相場の真っただ中です。

トランプ米大統領が税制改革を遂行し、米国企業が海外に持つ金融資産を米国内に戻す場合には税率を下げると表明しており、アップルが海外に持つ約22兆円の資金全てが、米国に還流してくるとなれば自社株買いを行う可能性も出てくるはずです。

一方でトランプ米政権下のある意味バブル相場は、破裂の可能性を秘めています。長期の波動でみるとリーマンショックの翌年に記録した7000ドル割れの最安値で、2009年3月9日が出発点です。リーマンショックを織り込んだ安値です。約7年の波動で2015年には、18000ドルを付けました。その後調整を入れながら、いまやNYダウは25000ドルを超えて、最高値を更新し続けています。2016年11月からのトランプ相場は、2019年〜2020年が米国株のピークになるのではないでしょうか。