先週のポジションについて

さて、先週ご紹介したオプション取引とスポット取引の状況を簡単に説明します。

USD-JPYのポジションは、上値が重く8/24では111.50が抜けず、Jackson Hole後の8/27でもドルが弱いイメージがあったため、111.40前で下落してきた局面で111.187でスポットポジションをクローズして、オプションのみ(こちらは109.50プットなので評価は0)となっています。結局収支は+スポット+52650円」(スワップ分50円)、オプション分-46600円、ネットでは+6,050円でクローズしました。

GBP Callは、もともとGBP shortのヘッジという意味合いから行っているという面もあり、今のところGBPが上下に動いて、ほとんど変化がない状態(8/29 22時01分時点でGBP 1.2872)で100USDの評価損です。このポジションは、そもそもポンドショートのヘッジとして購入という前提なので、基本そのままにしています。

今週の通貨オプションの戦略について

今週は、オプションの入門的な話題として、デルタヘッジを組み合わせたオプション戦略をご紹介します。

USD-JPYのポジションをいったん閉じましたが、もしかしたら今後少し上下に振れやすい場所にいるというイメージを持つようなときに行う入門的な戦略です。

下の図は、8/29、22時14分ぐらいの実際のオプション取引画面でUSD-JPYのUSDプットの取引画面です。

USD-JPYスポットは111.37近辺で取引されています。上下ある程度動くと考えているようなとき、ATM近辺でコールやプットを購入してデルタヘッジと言ってスポット取引をデルタという数値(%表示になっています)に相当する額だけ保有するオプションの反対方向に行うと、上下両にらみのポジションが取れます。

前回取引したオプションは、ドル上昇というビューでUSD 50,000を110.135円で買って、少し下の109.50を行使価格にしたプットオプションをUSD 100,000購入しました。この取引は、あくまで相場上昇を念頭に、109.50を切れた場合はど転ショートにする戦略で、単純にストップのレベルとした109.50でスポットの2倍のドル売りが出るオプションを購入したわけです。

今回戦略は、まず赤線で囲まれた、満期9/19、行使価格111.00のUSDプットをUSD100,000購入します(実際の購入額は¥0.615/USD)。USDプットですから、方向はドル下落で利益が出るポジションです。このボードを見ると、デルタ:40%と書いてありますので、USD100,000の40%であるUSD40,000をスポットで購入します(実際の購入額は¥111.184/USDです)。

上図は、青い線がUSD PUTの買いによる損益、赤い線がヘッジ取引の損益、そして黄緑色の線が二つを合わせたネットの損益です。(注意:ボラティリティが変化したり日付が進めば収益曲線は変わります)

青色のPUTの損益曲線は曲線になっています。教科書だとこの損益図は直線になりますが、それは満期日での損益曲線です。このように満期日前だと曲線になっていて、満期日に向けて直線の損益曲線に近づいていきます。

デルタというのは、この行使価格111円のプットのプレミアムが、USD-JPYのスポット価格が10銭や20銭程度という小幅に動いた時にオプションプレミアムがどのぐらい変化するかという変化率を示しています。(感応度もしくはグリークスと言います)

具体的に言えば、プットオプションでデルタ40%というのは、スポット価格が0.10上昇した場合、スポットの値動きの約40%、つまりプットオプション価格は0.04円下落することを示しています。

よって、10万ドルこのプットオプションを購入したときに、ヘッジとして4万ドルスポットでUSDを購入すると、スポットが0.10上昇したときはオプションが-0.04で4,000円損しますが、スポットで+0.10×40,000(USD)=4,000円利益が出るので相殺されることになります。

「それでは、勝も負けもなくて、儲からないじゃないか?」と疑問に持つかもしれません、しかし、損益図の形状を見てください。

プットオプションは下にたわんだ形をしていますが、ヘッジ取引は直線です(当然です)。そのため、相場が大きく動くと、オプションを購入している人は、デルタという比率が変化するので、オプションの損益変化はスポットの損益変化より有利に変化します(下にたわんでいるのでドル上昇でも下落でも有利です、この形状をポジティブガンマなどとも言います)。

そのため、両サイドに大きく動けば、デルタヘッジ付きのオプション戦略は利益が出ます。例えば上の損益図では、112.20あたりから損益がプラス転、下落の場合110.60あたりからプラス転します。

これから、このようなオプションの特徴を交えて話していこうと思います。デルタやガンマ、ボラティリティの感応度であるベガ、時間に対する感応度のセータなど、今後少しずつ説明していくことにします。