1. 先週のポジションについて

先週ご紹介したEUR-USDのポジションは、雇用統計前に上昇したところで、行使価格の1.1650と同じスポット価格1.1650でEUR14,000売り、EURコールEUR100,000に対し、デルタヘッジを50%のEUR 50,000として雇用統計を超えました。

その後月曜日にEUR30,000、1.1550で買い、月曜日に1.15前半での推移のあとは戻し始めたので結局1.1550でスポットポジションは閉じました。この時点でオプションコスト300ドルのうち238ドルを回収しており、ここまでは、そこそこうまく立ち回ったのですが、満期まで時間があったのでEURコールをそのままにして、1.1650で再度EUR 50,000の売りをリーブオーダーで置きっぱなしにしました。

これが、結局あと一歩でつかずに戻ってしまい、12日の満期をむかえてしまい、結局62ドルの損失のまま終わりました。

オプション満期の時は、結局権利行使ができなかったのですが、設定をしておけば以下のように画面表示が出て伝えてくれます。

言い訳になってしまいますが、もうすこし細かくデルタヘッジをする(例えば1.16を超えていたところで、1.1650をつけずに戻し始めるところでデルタ40%程度分のEUR売りをするなど)ことを行っていれば、200ドルぐらいは十分とれましたし、9/10以降に何度かEUR 1.1600を上回っていた時点では、EURコールの価格も0.0015超でしたから、この時点で手持ちのEUR コールを売っていても損益はプラスにできました。(反省しています)

チャートと合わせて整理すると

➀の際にEURUSD 行使価格 1.1650 のコールオプションを100,000通貨、0.0030pips (300ドル)で購入し、デルタヘッジとして EURUSDをFXスポットで36,000通貨、1.15907で売建てました。

EURが上昇するに連れてEURUSDのコールオプションのデルタ値も50%まで上昇したため14%上昇したデルタ分をヘッジするために②のところでEURUSDをFXスポットで14,000通貨、1.1650で売り増ししました。

その後月曜日にEURが下落する局面がありましたので③のところでEURUSDの売建玉、計50,000通貨を決済しFXスポット取引では約238ドルの利益を得ました。

満期の際にはEURUSDは1.1650に届かなかったためコールオプションは権利行使されずに破棄されてしまいました。
そのため合計では62ドル程の損失となりました。

月曜日までで順調に利益を出していたので、その後の管理がなおざりになってしまったのが悔やまれますが、例えば④のゾーンでもデルタをヘッジしておけば、最終的にプラスに出来た可能性は十分にありました。

2.デルタヘッジについて

今回は、オプション購入後すぐにある程度相場が動いたので、デルタヘッジを行って相場の上下動で利益を上げることができたのですが、その後のマネジメントが少し怠慢でうまくいかず、利益を上げられませんでした。ただ、オプションのデルタヘッジのオペレーションは、細かくやりすぎてもコストパフォーマンスばかりが掛かってしまうので、ある程度相場の勢いをつかんで大雑把に行うことも重要になります。

オプション取引は、購入する場合にしても売却する場合にしてもデルタヘッジが、基本かつ重要なリスク管理戦略といえます。今回のレポートでは、デルタについてもう少し補足します。

下の図は、今回行ったデルタヘッジ部分をクローズしてEURコールオプションの買い持ちとなっている状態(9/10時点)について、横軸にEUR/USDのスポット価格、縦軸に損益(USD建て)を示したものです。

 

コールオプションの行使価格は1.1650で、満期は2日後の9/12ですから、EURが高くなり1.1650を超えた場合、放っておけば1.1650でEUR100,000の買いが発生し、かなり利益が出ます。しかし、1.1650を超えていなければ、今回のように権利行使ができず何もできないので(62ドルではありますが)損失となります。相場を寝ずにみているわけではないので、今回は行使価格に合わせて1.1650でEUR50,000の売りを置いたのですが、例えば1.1600の時点でも満期まで2日間ある1.1650のオプション価格は0.0010程度はあります。

コールオプションは、EURが下落すると安くなり、EURが高くなると高くなりますから、上図のように行使価格に届かないOTM(Out of the Money)の状態1.1600近辺でも、買い持ちと同じような効果を持っています。デルタとは、このようにスポット価格に対するオプション価格の変化の度合いを測る感応度であり、ビジュアル的にはオプションの損益曲線に対する1.1600時点での接線が1.1600のデルタです。計算すると22%となります。

この接線の傾きが、「EURスポット価格に対するEURコールのプレミアムの変化率」を表すので、この直線を相殺する形でEUR100,000×0.23=EUR23,000をスポット取引で売れば、デルタヘッジになります。

EUR23,000売り@1.1600として、デルタヘッジを行った図が以下の通りです。

 

 

この図は、時間とボラティリティを変化させていないので、まるで負けないように見えますが、満期までに全く相場が動かなければ、オプションの時間価値が減っていくのでマイナス62ドルの損失には変わりありません。

ただ、このように細かくヘッジをしておけば、この後1.15台に下がった場合に、ほんの少しですが利益をとれたりするわけです。私の場合、上に行きそうな相場感もあって、とりあえず1.1650まで売るつもりがなかったので、こういったヘッジを行わなかったというわけです。

デルタヘッジ比率は、前回のレポートでもいいましたが、saxobankの取引管理画面でいつでも見ることができますし、その数値でヘッジ取引を行いたい場合には、その場で取引を行うこともできます。