トランプ米政権は日本時間の18日早朝、24日付で中国製品2,000億ドル分に対して税率 10%(来年以降25%へ引き上げ)の追加関税を発動すると発表した。

トランプ大統領の声明文後に USTR は対中輸入 2000 億ドルに対する関税賦課の詳細を公表。関税対象品目は素案段階の6,031品目から最終的には5,745品目へ減少。286品目がリストから 完全に削除された他、11 品目は HS コード 10 桁基準に基づき部分的に適用除外品が指定された。 2000 億ドルの対象品目は多岐に亘る。リストは修正を経てもなお消費財関連に大きく踏み込んだと言える。今回のリストでは消費財関連が対象に含まれており、家計に対しても大きな影響が及ぶ可能性が懸念される。
さらにトランプ大統領 は、同措置に対して報復をした場合、即座に中国製品2,670億ドル分に対しても追加関税を検討すると述べた。

中国は18日に報復措置として対米輸入600億ドルに対する追加関税を公表した。中国による報復措置が、トランプ大統領による対中輸入 2670 億ドルに対する追加関税を招く可能性は高い。米中貿易戦争は9 月24 日の相互の関税適用に続き、米国による 2019 年1月の税率引き上げと米国による対中輸入2670億ドルに対する関税適用という段階へ 戦線が拡大する可能性が大きく高まったと言わざるを得ない。また、中国による投資の制限、さらには学生ビザや商用ビザに波及する可能性もあるだけに今後の展開には要注意だ。報復合戦による貿易戦争の懸念は高まる。

米中貿易協議再開への期待感が高まっていたが、中国側は米国による追加関税が発動されれば米国との貿易交渉を拒否する姿勢を示しており、中国による対抗措置が実施されれば、米中貿易摩擦が一層激化するとの懸念が、ドル円相場の重しとなるはずだった。

しかしながら、税率が年内10%(市場予想:25%・来年以降25%へ引き上げ)であったことから、目先悪材料出尽くし感から上昇する結果となった。株式市場では金融市場への一定の配慮がなされたとも受け止められた。米中貿易摩擦のはざまで、米国や中国と比べた日本株の相対的な優位性が評価され、アジアや新興国からの資金流入も背景に上昇に弾みがついた。8月23日の関税発動後でみても、日本株の上昇率は5.6%と日米中のなかで最も高い結果となった。米国による対中関税の引き上げは米国内でのインフレ圧力を誘発させる可能性が高く、米連邦準備理事会(FRB)による利上げペースを速める要因となり得る。結果、ドル高・円安が進む可能性が高くなり、日本の輸出関連企業の業績に大きくプラスに寄与する。

米国株式市場では、関税が段階的に発動されるため、米中には交渉時間がありそうだとの慎重ながらも楽観的な見方が出ており、米国株も下落基調の兆しもない状況だ。20日の米株式市場でNYダウは前日比251ドル高の2万6656ドルで終え、S&P500種株価指数も過去最高値を更新した。建機のキャタピラーや航空機のボーイングなど資本財関連株に買いが入ったほか、米長期金利の上昇を受けて金融株も高かった。

米中貿易摩擦について、市場は国内企業の業績への影響を計りかねている状況でもある。10月後半からの4~9月期決算発表で通期業績見通しの上方修正が相次げば過度な警戒感が後退し、相場が更に強含むことは十分にあり得る。しかしながら、FFRを受け、自動車や電子部品に打撃が及ぶことととなれば日経平均は再び2万3000円をレジスタンス化とする相場に逆戻りする可能性もある。