イベント前のオプション市場について

今週のイベントは、なんといっても米国中間選挙です。一般的な分析では、上院は共和党、下院は民主党が過半数の議席をとり、いわゆるねじれ状態になるという予想が多数派ですが、選挙後の市場の反応は予測できません。

このようにイベント前で、今後の市場の動きについて極めて不透明な状況の場合、インターバンクのトレーダーはリスクを最小限に抑えます。もちろん、強い見通しがあってポジションをとる場合は別です。

当然ながら、オプショントレーダーもポジションを軽くします。そのため、一般的に市場の需給関係が素直に価格に反映されることになります。

前回にもお話しましたが、オプション価格をダイレクトに反映するのはボラティリティです。今回はイベント前のボラティリティの状態を少し解説したいと思います。

 

超短期のオプションではボラティリティが上昇

以下の図は、11/6夜のオプション取引画面です。

ユーロドルのスポットが1.1413の時のユーロのコールオプションの価格を表していますが、上の欄がオプション満期の期日です。

一番短いオプション満期は、11月7日で、まさに中間選挙の結果が判明した直後の日本時間23時になっています。

この時点のユーロコール行使価格1.1400を見てみると、0.00342‐0.00431という価格が出ています。

ATM(At the Money)とはいえ、満期まで1日のオプションでこの価格はかなり高いといえます。

この価格の計算根拠になっているボラティリティ(仲値0.003865で計算)は、13.26%と出ています。これはかなり高い状態なのです。

例えば、イベントがあまりないような場合、ユーロの最近のボラティリティは7.5%ぐらいですので、このレベルのボラティリティを使って同じようにコールオプションを計算すると、私の試算では仲値が0.00259程度になりますから、イベントがない状態から比べて約50%も高くなっています。

このように、不確定なイベントがある場合、イベント後に満期が来るオプションは、価格が上昇することが多いです

 

このように、オプションのボラティリティは、オプション満期までの期間とボラティリティの関係を一緒にみることで、市場のイベント評価がどういったものかをある程度把握することもできます。

例えば、今回の中間選挙が終わった後、ある程度為替市場の変動が大きくなると見込んでいる場合には、1日のオプションではなく1カ月や3か月程度など長めの期間のオプションをデルタヘッジ付きで購入しておいて、選挙結果が出た後に予想通り為替の変動が激しくなった場合、ボラティリティが上がってオプション価格も上がりますから売れば利益を得ることができます。

非常に簡単な説明ですが、こういったトレーディングスタイルはボラティリティトレーディングと言います。

 

ボラティリティの期間構造

最後に、ボラティリティの期間構造について、簡単に説明しておきます。

以下の図は、11月6日 12:30(GMT)時点の行使価格がATMの主要通貨ペアのオプションについて、満期とボラティリティを表すsaxobankのページからとったものです。

満期1週間から1年までのオプションについて、ボラティリティが表示されていますが、EURUSDやUSDJPYのオプションでは、1週間のボラティリティが最大で、1か月が最低値、その後2か月目から徐々にボラティリティが高くなっています。

1週間のオプションは、もちろん中間選挙の影響で高くなっているわけですが、1か月のオプションではボラティリティがかなり低くなり、そのあと徐々に高くなっているという構造になっています。

他の通貨ペアでは、微妙に違って見えたりします。例えば、GBPUSDは、3ヶ月が1週間のオプションと同じぐらい高くなっています。こちらはブレグジットの影響が心配されているわけです。

このように、オプション取引は、満期までの期間によって通貨別に特徴が出たりします。

こういったことも気にしながら市場を見ることも重要なので、参考にしてみて下さい。