今週のピックアップ銘柄:大豆

大豆は我々日本人にとって豆腐、納豆、味噌、醤油の原料としての食料品のイメージが強いと思いますが、世界的にはバイオディーゼル燃料、家畜のエサと言った別の用途に使われることが多いように感じています。

相場の世界では、商品は天候の影響が強いと言われています。しかし、そうとも言えないはずです。大豆生産者は作付け前に需要予測をもとに融資を得るなど金融機関と接点を持っています。そのため、利息に影響を与える金利政策には敏感です。

11月20日付、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のチーフエコノミスト、エリック・ノーランド氏(Erik Norland)が非常に興味深いレポートを発表しました。「Ag Options: Caught in the Fed’s Monetary Policy Vortex」(訳:農産物先物オプション:連邦準備銀行の金融政策の渦に巻き込まれる)このレポートによると最近の大豆オプションのボラティリティーは低下基調であり、それは金融政策と米金利のスプレッドのフラット化と深く関わっていると記述されています。

S&P500とシカゴ大豆のボラティリティー推移

過去10年間、S&P500のボラティリティーは低下してきています。CMEのレポートでは2年移動平均(2Y Moving Average)を用いて、その傾向を示しています。同時のシカゴ大豆先物のボラティリティーも同じく低下して、30%台から17%近くまで落ちてきています。この10年間でボラティリティーは半減したことになります。

金融政策のサイクルと市場動向

2008年以降のS&P500のボラティリティーと3ヵ月対30年の米国債金利差との関係図です。S&P500のボラティリティーは2008年から2011年まで上昇基調でしたが、その後、低下しています。その様子が輪を作っているように図から見て取ることができます。

同じ期間の大豆のボラティリティーの変化を図で示しています。S&P500ほど綺麗な輪になっていませんが同じ傾向であることに違いはありません。

大豆先物価格と米国債Tbond先物価格の比較

ラリー・ウィリアムズ氏が開発したバリュエーションモデルを使って大豆先物と金(黄色)、原油(茶色)、そして、米国債Tbond先物(青色)と比較してみました。その結果、Tbond先物との関係が最も重要であることがわかります。Tbond先物と比べて大豆先物が割高になると大豆先物価格は下降してきています。また、割安になると大豆先物価格は上昇してきています。今のところ、大豆先物はTbond先物と比較してニュートラルにあるため、今後、暫くの間、方向感のない横ばい相場が続きそうです。

テクニカル分析とトレーディング戦略

もちろん、日々の大豆先物価格は天候予測の影響を強く受けます。しかし、12月はFRBの政策金利の変更が予定されているため、ここは債券市場に注目するべきでしょう。フェドウォッチャーによると80%近くが金利の引き上げを想定していますので、市場はすでに織り込み済みと言えるでしょう。前月の高値、安値、終値をもとに今月のレジスタンスとサポートを算出するピボットですが、横ばい相場では売りと買いのポイントを明確に示しています。このレジスタンスとサポートで売買するのが賢明のようです。