■オートチャーティストとは

オートチャーティストとはSaxoTraderGOで取引できる商品のチャート分析を自動で行い、確率が高いと考えられる売買戦略を表示する取引支援ツールです。チャート分析はテクニカル分析でも最も基本かつ重要なチャートパターン(各種の反転、継続パターン)、キーレベルパターン(トレンドライン)、フィボナッチパターン(リトレースメント等)が完成した場合、あるいは形成中に一覧表示されます。一覧表示では、各種パターンの詳細、取引を行う場合のターゲット等の情報が表示され、表示する情報をフィルターで絞り込むことが可能です。この売買戦略レポートでは、この一覧表示の中から翌週にも有効と考えられる通貨ペアを毎週3通貨ペア、ピックアップしていくこととします。

10分でできるオートチャーティスト・クイックマニュアル
オートチャーティスト・完全ガイド
オートチャーティスト・チャートパターン分析入門

■先週のレビュー

先週のストラテジはチャートパターンが崩れていたものが多く、本来的な選択肢が2つしかありませんでした。もうひとつは比較的可能性が残されているとの判断で選びましたが、どうなったか結果を見ていきましょう。

(1)ZARJPYの買い(シグナル点灯11月21日)TP=8.19、SL=7.93

ZAR買いJPY売りと最近は落ち着きを取り戻した高金利通貨の買いです。執筆時点のレートが8.109、その後のレンジは8.022~8.262と執筆直後からじり高となり、翌22日のNY市場でTPに到達しました。結果として8.1銭の利益、pips的には大台が小さく通常の取引量を10倍換算として+81pipsの利益のイメージです。

(2)EURSEKの売り(シグナル点灯11月21日)TP=10.2638、SL=10.3458

EUR売りSEK買いです。執筆時点のレートが10.2957、その後のレンジは10.24625~10.34270と執筆直後こそ底堅かったものの欧州内の悪材料、特にイタリア予算案に対する懸念も根強くEUR売りが続きました。昨日28日欧州市場でTPに到達、結果として319ポイント、大台が大きいのでpips換算では10分の1で31.9pipsの利益です。

(3)AUDHKGの売り(シグナル点灯11月20日)TP=5.5562、SL=5.7454

こちらはAUD売りHKG買いですが、チャートパターン的には崩れたため、可能性がありそうだというピックアップとなりました。先週執筆時点のレートが5.6781、その後のレンジは5.6385~5.7334とどちらのポイントにも到達していません。これまで同様に執筆時点のレート5.70951で成行決済します。314.1ポイントの損失ですが、イメージ的にはその5分の1程度、ー63pips程度です。HKドルが米ドルにペッグしていることから、パウエルFRB議長の発言でドル売りとなった影響でHKドルも下げ、結果として安値圏からAUDHKGも大きく上げる動きとなっています。

今週は2勝1敗、若干のプラスが残る程度となりました。パウエル議長の発言が大きかったとはいえ、無理に選んだ最後の一つだけが損失につながったという点では、ピックアップの方針自体は間違っていなかったと思います。

■パウエルFRB議長講演

昨夜のパウエルFRB議長の講演で米金利上昇の打ち止め思惑が広がり、NYダウは大幅高、為替はドル安の動きとなりました。なぜそうなったのかを今回は初心者向けに簡単に解説を加えておきたいと思います。

FRBは現在まで25bp(ベーシスポイント、1bp=0.01%、つまり0.25%)ずつ着実に利上げを行ってきました。これは米国の景気が良いことを反映した引き締め政策ですが、前回9月のFOMCでは12月の利上げが既定路線、2019年も3回の利上げが行われるという見方がFOMCメンバーの中心値となり、来年に向けて緩やかな利上げが継続されるという見方がされてきました。言い方を変えれば12月以降来年末までに合計で1%の利上げが行われるというスタンスであり、市場参加者はこれをFRBの規定路線的なものとして捉えてきたと言えます。

しかし、昨夜のパウエルFRB議長の講演では「政策に既定路線はない」、「金利は中立レンジを若干下回る」と発言しました。これは、ひょっとしたら12月の1回り上げを行なった水準が限りなく中立レンジに近く、2019年は状況次第では利上げがないかもしれない、既定路線はないというソフトな表現がそれを示しているのではないか、そうした思惑が市場参加者に急速に広がりました。

結果として米金利との金利差拡大が終わるかもしれないということで為替市場ではドル売りに動く一方で、投資先として株式市場と金利市場を比較した場合、金利先高観が薄れること、イコール株式投資の旨味が増すという、米国ポートフォリオ内での資金移動が株式相場を持ち上げたということになります。なんとなく、トランプ大統領への忖度が感じられなくもないのですが、パウエルFRB議長はもともとハト派スタンスですし、結果は12月FOMCを見るまではわからないということだけは押さえておきたいところです。

■今週の特徴

今週は先週とは打って変わって選択肢の多い週となりました。確率も65%以上のフィルターをかけても十分な選択肢が残る大漁ぶりです。パターン的には上述の通り、昨夜のパウエルFRB議長の発言で一気にドル売りシグナルが点灯したものが多かったので「ここから?」と思われる方も多いかもしれませんが、先週前半からドル高相場が続いていたことを考えると、調整はしばらく続きやすいのではないかと考えることができます。そこで今回はすでに動き始めてはいるものの3つともドル売りのストラテジをピックアップしました。週末にはG20もありますので、積極的には動きにくいのですが順に見ていきましょう。

■今週のピックアップ

(1)USDDKKの売り

USD売りDKK買いです。サクソバンク証券といえば、DKKがあったら選ぶしかないという忖度も働いています(笑)。チャートパターンとしては「上昇チャネル」の下抜けによる売りです。シグナル点灯後13時間以内にグレーのゾーン上端にあたる6.5366まで下落する可能性が指摘されています。

戦略:USDDKKの売り(シグナル点灯11月28日)執筆時点6.56122
TP=6.5366、SL=6.6220

(2)USDMXNの売り

USD売りMXN買いです。ひとつめが欧州通貨でしたから、分散させる意図もあり2つめは北米通貨から選びました。チャートパターンとしては同様に「上昇チャネル」の下抜けによる売りです。シグナル点灯後15時間以内にグレーのゾーン上端にあたる20.0924まで下落する可能性が指摘されています。

戦略:USDMXNの売り(シグナル点灯11月28日)執筆時点20.26608
TP=20.0924、SL=20.6330

(1)USDSGDの売り

最後はUSD売りSGD買い、とアジア通貨からのピックアップです。チャートパターンとしてはこれも「上昇チャネル」の下抜けによる売りです。シグナル点灯後14時間以内にグレーのゾーン上端にあたる1.3707まで下落する可能性が指摘されています。

戦略:USDDKKの売り(シグナル点灯11月28日)執筆時点1.37246
TP=1.3707、SL=1.3797