今週のピックアップ銘柄:木材

シカゴ・マーカタイル取引所(CME)には多数の商品が上場しています。今では、S&P500を代表とする株価指数先物など金融商品の取引所として知られています。しかし、100年を超える歴史のなかで、金融商品はこの30年ほど前からスタートした新しい取引です。以前から商品を中心とした取引所で、今も農産物商品先物は活発に取引されています。今回はあまり注目を集めない木材先物を取り上げたいと思います。

日本と関わりの深い海外の木材市場

1964年、木材輸入は全面自由化され、日本は安い外国産の木材の輸入を開始しています。1970年後半から変動相場制になり、その後、円高が進み、海外の製品が入手しやすくなりました。原油だけではなく、日本は木材の多くを輸入に頼っています。日本は国土面積の約70%近くを森林が占める世界有数の森林大国です。しかし、供給されている木材の8割は海外からの輸入に頼っていると言う歪な現状になっています。長い円高が日本にとって大きなメリットでした。

木材先物価格の変動要因

平均的なアメリカの家には約15,000ボードの針葉樹が使われていると言われています。 このように、木材投資家は米国商務省が発表する住宅着工レポートを注意深く監視しています。世界のトップ木材製品輸出国は、カナダ、米国、スウェーデン、フィンランド、ドイツ、ロシア、ブラジルです。同じ北米とは言え通貨が違うアメリカとカナダ。ここでは為替がおきています。

  • 住宅着工
  • ドルカナダ
  • 金利
  • 製紙などの需要
  • 自然災害および昆虫の侵入(例えば、マツ甲虫)

COTレポートにみる木材先物市場

青線の大口投資家であるファンド筋が出来高の少ない木材先物市場を先導しているようです。しかし一方で、赤線の実需筋のコマーシャルズはヘッジオペレーションを行っています。両者のポジションの乖離が極端に広くなるとマーケットが転換しています。今は両者がポジション整理を終了して横ばい状態になっているようです。チャート上に矢印で印した2018年3月に先物価格帯に変化が出てきていました。

木材先物価格のスプレッド

期近の先物価格が期先価格よりも高くなり、バックワーデーションの状態になっていました。需給がタイトになったことで上昇モメンタムが一層、強まった時期です。そして、2018年8月以降、先物価格は順ザヤになり、期近より期先の先物価格が高いコンタンゴになりました。そこから、下降スイングが強まり、これまでのロングポジションが解消しました。

木材先物市場と日経225指数の関係!?

不動産業界の状況を住宅着工が先行して示しています。また、多くの木材を輸入に頼っている限り、為替変動をヘッジするのは当然でしょう。思っているよりも木材が日本の株式市場に関係しているようです。木材先物市場は日経225指数を約70日、先行しているようです。もちろん、完璧に転換日、方向を先行していませんが、日経225指数の先行指標として木材先物市場は無視できないようです。また、木材先物市場は金融商品と比べて、流動性が乏しいのは事実。しかし、価格差のスプレッド(サヤ)によるトレンドの方向性と強さを示しているため、木材先物市場をトレードするチャンスは個人投資家にもあると思います。