FOMCは19日、今年4回目の利上げを決めた。2019年の利上げ見通しは前回の3回から2回に減少したが、20年にはなお1回の利上げを見込む内容だった。19日の米国株式市場は、S&P500は前日比1.53%安の2506.96、NYダウ平均は351.98ドル(1.48%)安の23323.66ドル。ナスダック総合指数は2.16%の低下となった。米FRBが来年の利上げ回数の見通しを3回から2回に引き下げたものの、市場が期待したほどハト派的ではないと受け止められ、市場は失望した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4.2%安の大幅下落となった。米連邦準備理事会(FRB)としては「ハト派」のメッセージを発したつもりだったかもしれない。しかし日米の株式市場には届かなかったようだ。

米国株式市場は、パウエル議長の記者会見の質疑応答に失望した。FRBのバランスシートに関する質問に対し、パウエル議長は「バランスシートの縮小はうまくいっており、目的にも寄与している。政策を変えることはない」と述べた。パウエル発言で「金利ではハト派寄りだったものの、バランスシート政策ではタカ派のままだった」と株式市場では受け止めた。

相場上昇のきっかけになるとも注目されたFOMCは終わった。しかしながら、投資家の慎重姿勢はむしろ強まったように感じられる。米国株は12月に入って下げが加速し、相場の変動率は再び高まっている。追加利上げ観測が後退したものの、米中貿易摩擦や世界景気の先行き不透明感が市場心理を冷やす構図は何一つ変わっていない。

米中首脳会談では貿易戦争の一時停戦が合意された格好となってはいるものの、ハイテク分野(知的財産権の侵害・中国製造2025)に関する両国の溝は深く、米中協議の最終合意の道のりは平坦ではない。米中貿易摩擦は、先端技術を巡る米中の覇権争いの側面があるため、長期化する恐れがあるのも現実だ。

調整局面に傾いている日米株式市場は、FRBの政策に敏感に反応しがちとなっている。米経済のソフトランディングに向けて、世界の経済指標やイベントリスクを背景に来年は更なる慎重なかじ取りが求められる局面が増えと想定される。