■オートチャーティストとは

オートチャーティストとはSaxoTraderGOで取引できる商品のチャート分析を自動で行い、確率が高いと考えられる売買戦略を表示する取引支援ツールです。チャート分析はテクニカル分析でも最も基本かつ重要なチャートパターン(各種の反転、継続パターン)、キーレベルパターン(トレンドライン)、フィボナッチパターン(リトレースメント等)が完成した場合、あるいは形成中に一覧表示されます。一覧表示では、各種パターンの詳細、取引を行う場合のターゲット等の情報が表示され、表示する情報をフィルターで絞り込むことが可能です。この売買戦略レポートでは、この一覧表示の中から翌週にも有効と考えられる通貨ペアを毎週3通貨ペア、ピックアップしていくこととします。

10分でできるオートチャーティスト・クイックマニュアル
オートチャーティスト・完全ガイド
オートチャーティスト・チャートパターン分析入門

■先週のレビュー

前回はドル円年初の乱高下の影響もあって、チャートパターンが美しくないものばかりだったため、ラインを引き直してのピックアップが中心となりました。果たして結果はどうだったでしょうか。

(1)GBPNZDの売り(シグナル点灯1月9日)TP=1.8447、SL=1.8982

ブレグジット案採決に向けてポンド売りが強まる可能性を考えてのピックアップでした。執筆時点のレートが1.88702、その後のレンジは1.86011~1.90681と執筆直後こそ売りが先行したものの、採決直後の下げでも11日安値を抜けず、逆に他のポンドクロス同様に採決後はポンド買いが強まるという妙な値動きとなりました。それだけポンド売りが膨らんでいてイベント経過で利食いの買い戻しが強烈に入ったと言えますが、この反転上昇の動きの中でSLがついてしまいました。ー111.9pipsの損失となりましたが、ここ2日のポンドの強さは不透明さが強まる中で、ポジション調整というだけでは不自然な気がしています。

(2)USDJPYの売り(シグナル点灯1月8日)TP=107.24、SL=109.09

こちらはラインを引き直してドル円の売りをピックアップしましたが、本流はいまだリスクオフと円高であるという見方をしているためです。執筆時点のレートが107.937、その後のレンジは107.765~109.195とこちらも執筆直後は良かったものの、その後は年初からの買い戻しが継続し、株高の動きも手伝って本日未明にSLがついてしまいました。ー69.7pipsの損失です。

(3)EURSEKの売り(シグナル点灯1月1日)TP=10.0332、SL=10.3698

最後は日足からの選択で、しかもラインも引き直しています。執筆時点のレートが10.2451、その後のレンジは10.2040~10.26981と、ほとんど動きのない一週間となり、TPにもSLにも到達していません。いつも通りに執筆時の成行決済としますので、10.24639で買い戻し、ー12.9ポイントですからpips換算では10分の1でー1.3pipsの損失とほぼゼロです。

今週は2敗1分けといった感じですが、本来リスクオフの動きが懸念される中でポンドの想定以上の反騰と、株価とともに上昇したドル円と、個人的にはしっくり来ない結果となりました。特にポンドはブレグジットがどうなるのかわからない中での買いの強さには驚きとしか言えません。

ということで、今週はいつもの週とは趣を変えて、ブレグジット特集のレポートとなります。これまでを簡単にまとめて、今後考えられるシナリオ、またそれに伴うポンドの動きについて考えたいと思います。

■ブレグジット案採決と今後の見通し

16日未明に12月から先延ばしとなっていたブレグジット案の採決が行われました。12月時点で反対票のほうが多いという読みからメイ首相を中心になんとか切り崩して賛成票を増やそうという腹積もりが見事に失敗。大差での否決となり現行のブレグジット案は廃案となりました。

ここに至るまでを簡単に振り返ると、英国がEUからの離脱にあたって問題点をひとつずつ解決してきましたが、解決できなかった問題がアイルランドと英国の北アイルランドの間の国境問題です。今回のブレグジット案では、解決策が見つかるまでは英国としてEUの関税同盟に残るという項目が含まれていましたが、この項目に対して与党からも大量の造反者が出ての否決となりました。

直後にメイ首相の不信任案が出されましたが、さすがに今朝未明の採決では否決と、ここでは与党は一枚岩となって21日にメイ首相が改めて出す代替案待ちというのが今朝の状況です。ここで与党から造反者が出て不信任ということになっていたら、総選挙を経て再国民投票という可能性(その場合、離脱しないという流れになったと考えられる)もありましたが、どうも与党議員も総選挙では負ける可能性が高く、自身の議員ステータスを守る方向に動いたとしか思えません。本当はここに最大の問題があるような気がしますが、それは置いておいて次のポイントは、21日の代替案です。

21日までわずか5日、その間にメイ首相はさらなる譲歩をEU側から引き出せるのかどうか、EU側の発言を見ている限り、それも難しそうです。そうであるとすれば、ハードブレグジット (合意なき離脱)を避けるために、離脱期限の3月29日を延期する方向で協議する可能性が高いと思いますが、それだけでは単に何も決まらない状態が先延ばしされるに過ぎません。与党内でさえ、ハードブレグジットも辞さないとする強硬派から、EU残留を望む向きまで同じ反対派でも全くことなる意見に対して有効な代替案が出てくるとも思えません。

今のままで進めば代替案も否決され、しかも期限が延長されなければハードブレグジット となってしまう可能性がかなり上がってしまったと見るべきかと思います。メイ首相もハードブレグジットも想定に入れているという発言を繰り返していますし、その場合の英国経済に与えるダメージは英中銀をはじめ各所から出されている通りです。そして、そのダメージは英国内に留まらずEUに対しても甚大な悪影響、さらには世界経済へと景気減速懸念によるリスクオフの動きが米中間の貿易摩擦からブレグジットの不透明感へと移行していくのではないか、という見方をしていたほうが良いでしょう。

ここでテクニカルな観点からチャートも見てみます。

ポンドの日足チャートですが、今回は私がテクニカル分析に利用しているチャート分析専用のツールであるFibonacci Traderを使って説明します。

昨年4月以降ポンドドルは着実に高値を切り下げる動きとなっていましたが、これはブレグジットに向けての懸念が大きかったと言えます。チャートに示されている3カ月程度を見ても下降トレンドは継続し、高値・安値ともに切り下げる展開を続けていることがわかります。

直近の安値は1月3日のクロス円全面安の際につけた安値、その後の戻り高値は14日です。この戻り高値が長期下降トレンドの中での直近高値となった可能性が高く、既に半値押し(1.2684)は到達していますので、次は61.8%押しとなる1.2629、そして78.6%(61.8%の平方根)押しとなる1.2551がターゲット(それぞれ、青のターゲット)を目指すと見ています。

更に、1月安値を抜ける動きとなった場合には、11月高値を起点に12月安値までの下げ、その後の1月高値への戻しを3点とする逆N波動(ピンク)が想定でき、この逆N波動から求められるフィボナッチエクスパンションのターゲットとしては、1.2382(78.6%エクスパンション)、1.2233(100%エクスパンション)といった水準(それぞれ、ピンクのターゲット)があります。

ブレグジットの懸念は今後も続く可能性が高いわけですから、下降トレンドの延長として1.24という水準は視野に入れておくべき水準であるというのが現状の見解です。