今週はドル円とユーロドルの見通しを解説します。チャートはテクニカル分析専門ツールであるFibonacci Traderによる作図です。

■ドル円

現時点でも材料的にはリスクオフの動きから円高に動く可能性が高いと考えていますが、短期的には1月4日以降のサポートラインと1月18日からのラインとで構成される緩やかな上昇ウェッジの中での値動きを継続しています。

以下のドル円日足チャートをご覧ください。

通常の一目均衡表と異なる点は遅行スパンを先行させた先行遅行スパン(グレー)を使っていること、またローソク足の陰陽を平均足の陰陽の色に変えている点です。

均衡表を見ている限りにおいては、転換線(青)>基準線(赤)、ローソク足終値>先行遅行スパン(グレー)とすでに2つの関係が好転(=ゴールデンクロス)し、本日の段階で、ローソク足終値>先行スパン(黄緑・緑)と三役好転状態になろうとしています。おそらく、ここまでの値動きや均衡表を見る限りにおいて、現状のドル高トレンドを否定する理由は見当たりません。

それでも円高の見方を変えていない点として、今月末に米中間の通商協議がまとまらないと3月から制裁関税がスタートするリスクが消えないこと、またブレグジット問題もあまりに不透明なまま3月29日まで、残すところ7週間です。避難資産の代表格として、いつ円買いに動いてもおかしくありません。

そして、3月末といえば日本では期末で、おそらく実需筋としては期末の段階で110円の為替予約を行いたいと考えるのではないでしょうか。現在取引されているスポット(2営業日後)から期末まで45日で、約40銭程度のディスカウント(スポットと先渡しレートとの差)となります。つまり、ざっくりと110.40よりも円安でスポットレートでドル売りをすれば、期末段階で110円の仕上がりとなります。このディスカウントは、期末スポット段階ではゼロになりますのでチャートに水色太い点線で示したような水準は実需売りが出やすいわけです。

市場を取り囲む環境と実需筋のフローを考えると、最近の上値の重たさも理解できるような気がします。仮に、年初来安値から今週既に戻り高値を見たと想定すると、その38.2%押しは108.15(青のターゲット)となります。個人的には、このあたりまで押す動きが出てくるのではないか、皆が円安に傾いているだけにそろそろ注意したいと考えています。

■ユーロドル

こちらもドル円と同じ手法での日足チャートとなっていますので、まずチャートをご覧ください。

11月上旬までの下降トレンドから11月中旬以降は緩やかな上昇トレンドへと転じ、現在は幅は広いものの赤いラインで示した上昇平行チャンネルの中での値動きとなっています。

しかし、直近ではブレグジットの不透明感からポンドが売られ、その動きに引っ張られる動きと、また欧州内で出てくる弱い経済指標がきっかけとなってユーロはじり安の動きを見せています。さらに本日からメイ首相とEUとのスコットランドとのバックストップ見直しの協議が行われる予定ですが、EU側は譲歩する姿勢は見せておらず、メイ首相は手土産なしで英国に戻る可能性が高い状況です。

また先日発表されて欧州GDPの内訳を見ると、イタリアはリセッション(2期連続マイナス成長)となっていますし、欧州にも明るい材料が見当たりません。そろそろ上昇チャンネルを下抜けるリスクがあるのではないか、と考えてチャートを見てみます。

ユーロドルでは均衡表は各線が同じような水準に位置していて、それだけ方向感がはっきりしない状態が長らく続いているということになります。しかし、長い目で見ると長期下降トレンドの後の上昇チャンネル下抜けが起きると、典型的なコンティニュエイション(継続)パターンとなって、それまでのトレンド(長期下降トレンド)の継続が発生しやすくなります。

1月高値を起点に1月安値までの下げ、その後の1月末までの戻しを3点と考えてフィボナッチ・エクスパンションを考えると100%エクスパンション(=均衡表のN観測値)は1.1235(ピンクのターゲット)となり、再び11月安値をトライしやすい流れになるのではないか、そのよううな見通しを立てています。

ドル円もユーロドルも下、となると戦略的にはユーロ円の売りが最も良さそうなイメージです。