先週に続いてブレグジットをファンダメンタルのテーマに、ポンドドルとユーロポンドの動きをテクニカルな面から見ていきたいと思います。

■ファンダメンタル

ブレグジット協議は英国議会内、英国EU間ともに何も決まらないまま、ブレグジットの期限である3月29日まで1か月を切りました。期限通りに離脱する場合、3月中旬までに英国とEUとで最終合意が整っている必要がありますが、現状進展が無いまま時間ばかりが過ぎています。

まとまらない障害はアイルランドと北アイルランド間の関税に関するバックストップ条項ですが、EU側は国境管理問題が確定できるまで英国全体がEUの関税同盟に留まることことを想定しているのに対して、英国側はその留まる期間を限定することをEU側に要求しています。このバックストップ条項だけで二転三転しているところに、更なる修正を英国が望んだことから協議が進展していません。

これは英国議会内でのブレグジット協議進展のため、メイ首相が与党内強硬派をまとめることで過半数を取ったことが原因ですが、これまでのメイ首相とEU側の交渉は何の進展も無い状況です。一時、落とし所を見つけ合意が近いといった記事も出ていましたが、その後は改めてEU側は現在のブレグジット案を修正するつもりはないという発言が目立っています。

このままでは、合意なき離脱か期限延長かのどちらかとなりますが、今週に入りメイ首相は期限延長を提案し、昨日の英国議会で3月12日までに合意とならなかった場合には離脱期限延長の採決を行うことが決まりました。

おそらく英国EU間の協議はそれまでにまとまらないでしょうし、EU側は離脱期限の延期については合理的な理由がある場合には認めるとしていますので、どの程度の期間かはわかりませんが、期限が延長されることがほぼ確実な情勢です。

しかし、期限延長は単なる問題の先送りであること、そして新たな期限までに合意に至る確証がないことを考えると、少なくともブレグジット関連のニュースでポンドを買いで攻めることはファンダメンタルに反しています。そこに英中銀のカーニー総裁が現在の経済状況が続けば利上げとタカ派発言をしたことをきっかけにポンドは一段高の状況となっています。

このカーニー総裁の発言も「現在の経済状況が続けば」という前提条件つきであり、英中銀は合意の無いまま離脱した場合のリスクにも言及していますので、市場参加者は悪材料には全て目をつぶってポンドを買っているという状況にあると考えられます。なぜ、そこまで強気になれるのか、これはテクニカルな面で大口の買いが出ていることしか考えられません。

そこで次にポンドのチャートを見ていきましょう。

■テクニカル

以下はポンドドルの日足チャートです。

今週に入り年初来高値を更新すると同時に昨年7月からのレジスタンスライン(青)を上回ってきていることがわかります。さらに、年初来安値からの上昇N波動(ピンク)を考えると、フィボナッチエクスパンションと均衡表値幅観測が重なるターゲットが1.3539(青字のターゲット)と1.35台前半に位置していることもわかります。

テクニカルを理由にした買い手が勢いを弱めない理由がわかる気がしますが、もうひとつチャートをご覧ください。こちらはユーロポンドの週足です。

こちらのチャートでは、昨年安値を下回り現在の水準は2017年5月中旬の水準にまで下げてきています。長期の高値圏からの反転パターンを形成したようにも見えます。こちらも英中銀総裁発言で英国と欧州との景気対比ということも大きいのですが、個人的には最大のファンダメンタルであるブレグジットリスクを無視したポンド買いにしか思えません。

どこまで、このポンド買いが続くのか、上記のポンドルのターゲットは可能性としてはあるのですが、3月に入ったら大きめの調整が入る可能性にも十分な注意が必要であることは認識しておきたいところです。

*チャートは全てテクニカル分析専用ツールである”Fibonacci Trader”を使用しています。