■サクソバンク証券ブースでのミニセミナー

3月9日に投資家向けのイベントEXPO2019が東京ドームシティーで開催されました。同イベントではサクソバンク証券もブースを出し、私も3回ほどブース内でTrading Viewに関するミニセミナーをさせていただきました。

チャートツールであるTrading Viewに対する興味も高かった様子で、ミニセミナーでありながら通路を塞ぐほどの方に来ていただき感謝しております。なお、リクエストがありましたので、当日の資料は<こちら>にアップロードしてあります。

それでは、本日は現在進行形の英国議会におけるブレグジット関連の採決とポンドについて見ていきましょう。

■ブレグジットに関する一連の採決

ポンドが大幅高となっていて、ポンドドルは昨年6月以来の高値と、不自然なまでのポンド高相場となっています。今週は、英国議会でブレグジットに関する一連の採決が行われている最中で、12日にはメイ首相の修正離脱案を否決、13日には合意なき離脱を回避、とここまではほぼ想定通りのシナリオで来ているように思えます。

そして、本日一連の採決の最後となる離脱延期の採決が行われますが、メイ首相とユンケルEU委員長との会談で、EU議会選挙が行われる5月23日を最長期限とする話し合いが既にもたれています。本日はそれに沿って短期延期を可決予定、そしてそれに関するEU側の承認は来週21日のEUサミットで行われることとなりそうです。

ここに至るまで英国内の対応は遅れに遅れ、結局は3月29日の期限には間に合わず、短期延長を経て英国・EU間で継続協議となりますが、EU側は現状からの譲歩を否定するいっぽうで、英国議会は現状では合意できずと溝は埋まらないままの可能性が残っています。つまり、期限を延期しても合意なしとなる可能性もあり、未だ不透明な状況には何ら変化は無いと言わざるを得ません。

そうした懸念を緩和するため、昨日英国政府は合意なき離脱となった場合の関税を最長1年間ゼロとすることを発表しました。これにより金額ベースでは現在よりも関税ゼロの製品が増えることとなるようですが、経済の混乱を回避するために緊急措置を決定することとなったようです。

昨日はこの関税ゼロの施策が歓迎されてのポンド高となったわけですが、逆に英国政府がこうした緊急措置をとるということは、最悪の合意なしの離脱もありうるという状況になってきていることを表すものと言えます。そして、あくまでも時限措置であることを考えると、ブレグジット後の英国が現状よりも良くなるわけではありませんし、既に本店機能を英国外に移転、もしくはその予定としている企業も相当数に上ります。

英国の景気も欧州同様に2019年は減速する見通しですが、実際に離脱後にどうなるのかはあまりに不透明で、目先の材料だけでポンドを買い続けられるかとなると、個人的にはそろそろ戻しの限界点に近づきつつあるのではないかと考えています。この点について、テクニカルな観点から見てみます。本日のチャートもTrading Viewを使用しています。

■ポンドチャート by Trading View

ポンドドルの日足チャートをご覧ください。

チャートを見るとわかりますが、ポンドドルは1月3日の安値から引いたサポートラインとそれに平行に引いたラインとで構成される上昇チャンネル(クリーム色)の中での推移を続けています。そして、昨日には昨年6月以来の高値にまで来たわけですが、昨年高値と年初安値のフィボナッチ・リトレースメント(レインボーカラー)を見ると、ちょうど半値戻し(緑の水平線)が1.33749となっていて、ほぼ昨日の高値に重なります。

また上昇チャンネルの現時点の上限と61.8%戻しの1.36113も重なっていることから、上記1.33台後半と1.36台前半はテクニカルに戻しのターゲット兼レジスタンスとなりやすい水準であると考えられます。年初からの上げ幅も大きくなってきていることを考えると、いったん半値戻しの1.33台後半で踊り場を形成する展開を見ています。

次にポンド円の日足です。

こちらは昨年初めから表示してあります。フィボナッチリトレースメントでは既に61.8%を達成し、年始からの上昇チャンネルは安値翌日の4日からのチャンネルとなっている点が異なりますが、イメージ的にはポンドルと似ていまると言えます。

ドル円での円安トレンドも重なってポンドドル以上の上昇を見せているのですが、ドル円に関しては4月から日米通商協議も始まりますし、トランプ大統領も強すぎるドルは望まないと発言していることを考えると、ポンド円もまたそろそろ戻し高値の水準に来ているのではないか、150円の大台はこれまで同様に超えられず反落する可能性が高いのではないか、というのが現状の見方です。

英国を取り囲む諸材料から考えても、テクニカルに見ても、最近のポンド高には違和感を感じざるを得ません。