経済協力開発機構(OECD)が3月公表した世界経済中間評価では、19年の主要国の成長見通しは軒並み下方修正された。ユーロ圏は18年11月公表分から0.8ポイントも引き下げられた一方で、インドネシアは5.2%増に据え置かれ、中国は小幅な下方修正にとどまる内容だった。

 18日の外国為替市場で、インドネシアルピアは1ドル=1万4230ルピア付近で推移した。年初に比べると1%高い水準だ。

 インドネシアの 2 月の貿易統計によれば、貿易収支は+3.30 億ドルと、昨年9月以来の黒字に転換した。国際収支を改善すべく政府・中央銀行が実施してきた緊縮策がようやく奏功し始めた可能性があり、今後も継続すれば、インドネシアの経済ファンダメンタルズはより盤石なものとなると期待される。

 中国政府の景気刺激策の効果や中国株の持ち直しを踏まえ、「中国の景気回復が他の新興国経済などにも波及する」とみる。中国経済への先行き不透明感が新興国経済懸念につながった昨年とは異なる様相になるとの見立てだ。米中貿易協議が進展するとの期待も新興国通貨買いを後押しする一因だ。週末に「米中首脳会談は6月までずれ込む可能性がある」と伝わったが、「市場が注目する要素まで話し合いが大詰めを迎えているため」と前向きに受け止められた。中国の全人代では 15 日、中国外商投資法が成立した。同法は外資企業にとって中国における事業環境が飛躍的に改善するきっかけとなる可能性がある。米国が中国による外資保 護の取り組みを評価し、来るべき米中首脳会談での通商交渉の妥結を展望する上で、重要なメルクマールともなろう。

 インドの 2 月の貿易統計によれば、貿易収支は-95.9 億ドルと、市場予想を上回る結果となった。原油価格の下落が輸入額の抑制に寄与した模様だ。他方、国内景気の増勢鈍化が影響した可能性もある。景気減速は、総選挙を間近に控えるモディ政権にとっては頭の痛い問題であるが、マクロ経済の観点では需給バランスが改善していることを意味するとも思われる。

 一方、インドルピーは対米ドルで3月に入って3%ほど上昇するなど一部の新興国通貨は「上昇余地に限りがある」との冷静な見方も出つつある。

 利上げ期待で米国に集まっていた資金が新興国に向かい、新興国経済の拡大を後押しすることに注目が集まる。