今週はトルコリラをファンダメンタル、テクニカルの両面から見ていくこととしましょう。

■トルコの現状

トルコリラは先週金曜に急落し、今週水曜までに全ての値幅を戻すといった激しい展開になっています。先週金曜の急落までもトルコリラは緩やかな下降傾向を見せていましたが、トルコを取り囲む現状から見ていくこととします。

経済面では、トルコのGDPが11日に発表されましたが、-3.0%と2期連続でマイナスとなったためリセッション入りとなりました。その時の市場の反応はほとんど見られませんでしたが、トルコ国内ではマイナス成長化け高インフレと、国民の不満はかなり高まっている状態です。

また外交面でも、トルコがロシア製のミサイル購入を決めたことで、米国との関係悪化が広がり、これもトルコリラにとっては悪材料となっています。米国人牧師の一件以来、トルコと米国は常に関係悪化と緩和を繰り返していますが、エルドアン大統領の強権政治に対して、米国は不満を示すことが多いと言えます。

そうした中で今週末にはトルコの地方選挙が行われますが、当然のように与党AKPは苦戦を強いられています。そうした動きを見越して、トルコリラ売りを仕掛けようと考えていた投機筋は多かったのですが、先週金曜のユーロ圏PMIと米国PMIがダブルで予想よりも弱かったことからトルコリラは急落の状態となりました。

■テクニカルと今後

ここでは対円での動きを示しますが、トルコリラ円の4時間足チャートをご覧ください。

2月以降、トルコリラ円も緩やかな下降トレンドを辿り、先週急落前には20.25レベルだったところ、一気に20円の大台を割り込み一時18.774の安値をつけていることがわかります。

週明け以降は急速に値を戻していますが、これは、またトルコ中銀が政策金利24%から以前の後期流動性貸出金利27%に切り替えたことと、週末にエルドアン大統領がトルコリラ売りに回った投機筋に対して警告を発したことがきっかけとなりました。

その後、トルコ政府のリラ安防止策として国内金融機関が海外と取引を行うことに制限(実質的な取引禁止)を加え、翌日物金利は1200%にも上昇、投機筋がトルコリラ買い戻しに動いたことで、一気に週末前の水準へと戻すこととなりました。

しかし、この高金利は株式市場には悪材料となり、トルコの株式市場は急落、トルコリラも高値圏から大きく水準を下げてきています。先ほどのチャートを良く見ると、今回の戻し高値は2月高値を結んだレジスタンスラインを延ばした水準で抑えられています。

また、今のところは安値から戻し高値の61.8%押しとなる19.514で下げ止まっていますが、株式市場における急落から海外投資家の資金流出を招く状況となってきましたし、週末の地方選の結果次第では改めてトルコリラ売りが入り、先週末の安値を下抜けるリスクは高いと考えざるを得ません。

月末とも重なりますので、地方選前後の流動性低下と急変動には、日頃以上の警戒が必要と言えるでしょう。