昨日発表されたオーストラリアの1〜3月期CPIの結果を受けて豪ドルが対ドル、対円で水準を下げています。予想は前期比+0.2%でしたが結果は0%、前年比でも+1.5%の予想に対して+1.3%と弱い数字となりました。

■ファンダメンタル

豪ドルが下落した最大の要因としては、年後半に予想されていた豪中銀の金融緩和が前倒しで実施されるのではないかという思惑です。発表前には誰も5月7日の利下げまでは考えていませんでしたが、結果を受けて5月利下げの思惑もかなり高まっていることが先物取引の状況からも判断できます。これは今回のCPIが現在の政策金利である1.5%よりも低いということを材料にしている参加者が増えたことによるものと判断できます。

オーストラリアは資源国という点で中国の景気に左右される面も大きいのですが、直近に至るまで米国と中国との貿易摩擦が中国の景気減速を招き、さらにそれが米国や他の国へも波及しているため、オーストラリアの景気自体も減速懸念は強かったのですが、4月以降は米中間の通商協議が最終ラウンドに近いとの見方が米国側からも出ていることを考えると、5月に利下げという動きは個人的には無いと思います。

今回のCPIは弱かったものの、経済指標全体で見ると強弱ミックスしていますし、5月10日には豪中銀の四半期金融政策報告が公表されます。また、だいぶ先ではあるものの第1四半期GDPの発表もありますので、その辺りを見てからの判断となる可能性が高いと考えられるためです。しかし、世界的に年後半は緩和思惑が強く、オーストラリアも次に動きがあるとすれば、依然として緩和方向という見方には変化はなさそうです。

■テクニカル

ここでは日足チャートを見てみましょう。

まずAUDUSDです。

チャートを見るとわかりますが、年初のフラッシュクラッシュ時の安値以外は赤の水平線で示した水準が、おおよそ0.70の大台とも重なり強いサポートとなっていることがわかります。昨日の下げでもこのサポートを試してはいません。いっぽうレジスタンスは昨年6月高値からのレジスタンスが上値を抑えやすい水準です。

対ドルで見た場合には、サポートを明確に下抜くような動きが出てきた場合にのみ、一段の豪ドル安を考えればよく、現段階ではそこまでの下げを考えるほどの警戒感までは無いように思えます。

次にAUDJPYもご覧ください。こちらは少し拡大しましょう。

ドル円がじり高傾向を辿っていることもあって、年初から緩やかな上昇トレンドを今でも継続しています。目安となる上昇チャンネルを表示してありますが、このチャンネルを下抜ける動きがなければ対円でも一段安を考えるほどでは無いと言えそうです。

ただ、対円の場合は、日米通商協議の進展中に円高に動くリスクもありますので、その点にだけは注意したいところです。

*来週の木曜レポートはお休みをいただき、次回の更新は10連休明けとなります。皆様も良い休日をお過ごしください。