10連休はいかがお過ごしでしたでしょうか。私は後半は断続的に仕事もあって前半4連休以外は普段とあまり変わらないゴールデンウィークとなりました。

■トランプ大統領の爆弾発言

東京では10連休も残すところ2日となった先週末に、トランプ大統領がtwitterで爆弾発言を行い、それをきっかけに今週は週明けからリスクオフ相場となっています。これは当然のことで先週末までは米中通商協議進展を期待したリスクオンがベースとなっていたため、リスクオンの巻き返しによる株安、円高となるわけです。

本日は中国副首相が米国入りし、一縷の望みはあるものの米国は明日から関税引き上げ、中国も1分後に報復関税を実施と、先週までの表向きの進展は何だったのかという状況となっています。ただ、今回の発言に関係なく、テクニカルにはリスクオフに動くかもしれないという予兆はありましたので、今週はその辺りから見ていくこととしましょう。

■リスクオフの予兆

まず、以下のNYダウとS&P500の株価比較チャートをご覧ください。

米国主要株価指数のうち、S&P500とNASDAQは4月に史上最高値を更新していましたが、NYダウは昨年の高値を超えられずにいました。青のラインがNYダウ、オレンジのラインがS&P500ですが、赤いラインで示したように、市場間ダイバージェンス(一方は高値更新、もう一方は更新せずの状態)が起きていました。

こうした時にはどちらかに寄せられるものですが、米中協議合意前に合意を前提としたリスクオンが、ほとんどの市場参加者を楽観的にさせていたと考えられます。つまり噂で買って、という状況だけが先行していたということになります。

次に、ドル円の月足チャートをご覧ください。

このチャートには2015年高値からのレジスタンスラインが引いてありますが、赤丸で囲ったところを見ていただくとわかるように、4月時点で112.80レベル、5月時点で112.50レベルの水準を緩やかに下降しています。

そして、S&P500が高値更新をする中で、ドル円も112.40と年初来高値を更新しましたが、やはりこの長期レジスタンスラインを皆意識していて、一段の上値トライには消極的になっていたことがわかります。米中通商協議に並行して日米通商協議が始まったことも積極的な円安を見込みにくくしていたと言えます。

このように株式市場とドル円市場には、すでに4月末時点で注意すべき予兆が見えていたところに、今回のトランプ大統領発言が出たということになるわけです。

また一部で警戒されていたことに毎年4月末と10月末に米国財務省が議会に提出する為替報告書があります。今年は提出が遅れていて、監視リスト上位2か国である中国と日本が、まさに米中、日米の通商協議を行っていることと何か関係があるのでは無いかといった思惑も重なったと言えるでしょう。

■ここからのドル円

ここからのドル円ですが、次の日足チャートをご覧ください。

年初のフラッシュクラッシュ翌日からの平行上昇チャンネル(黄色)の中で推移していたドル円は、トランプ大統領発言でギャップダウンしての下抜け週明けとなっています。

そうなると、今年の年初来安値と年初来高値のフィボナッチ・リトレースメント(紫色)でここからのターゲットを求めることとなりますが、38.2%押しが109円台半ば、半値押しが108円台半ばに位置していることがわかります。

昨日は110円の大台を下抜けしたこともあり、目先の達成感はあるものの短期的なターゲットは、上記の109円台半ばと108円台半ばにあり、今日明日の中国副首相米国入りが結局物別れで終わるとなると、一気に後者の108円台半ばをつける可能性が出てきます。そして、中期的には61.8%押しとなる107円台半ばも意識しておく必要がありそうです。