今週、米中貿易交渉を巡る報道を受けた短期筋の動きに振り回される色合いの地合いが強まる展開となった。令和の第一歩を踏み出した株式市場には祝賀ムードは一切なく、不穏な幕開けとなった。

6日の中国・上海総合指数の午前の相場は3000の節目を下回り、前営業日(4月30日)比5.2%の下落となった。トランプ米大統領が5日に中国製品への制裁関税引き上げをツイッターを通し発表したことが嫌気され米中摩擦の激化懸念が再燃した。6日のニューヨークダウは反落。終値は前週末比66ドル安の2万6438ドル。朝方には一時470ドル程度下落したものの、その後大幅に下げ幅を縮小した。トランプ米大統領の関税引き上げ表明が株売りを誘発させたが、市場の一部では協議の妥結への威嚇との見方が台頭した。6日、中国外務省の担当者が「中国の交渉団は訪米して協議にのぞむ準備をしている」と表明したことも、中国が貿易協議の継続に意欲を示していることとして市場では受け止められ、下げ渋った模様だ。

年初1月3日に瞬時の急落が起きたときにはFX投資家などの円買いにアルゴが誘発させられ、相場の振れ幅が大きくなり、円相場は数分で4円以上も急伸となったが、6日の円の上昇幅は前週末のニューヨーク市場の終値(111円05~10銭)比で1円に満たない展開だった。

7日の日経平均株価は一時、前営業日(4月26日)比300円近く安い2万1965円と、節目の2万2000円を取引時間中として約1カ月ぶりに下回り、売りが先行した。米中の貿易摩擦を巡る警戒感が再燃し、市場に漂っていた楽観ムードは後退した。

ファナックなど中国関連銘柄を中心に、国内の機関投資家や個人による売りが先行し、連休前に発表した今期業績見通しが振るわなかったコマツや村田製も一時、10%超下げる展開となった。

8日のニューヨークダウは前日比2ドル高と3営業日ぶりに小反発したが、日中の値幅は228ドルと不安定な地合いだった。

世界の株式市場は、米中貿易摩擦を巡る警戒感が根強く、基本的には米中両国ともに取引成立を望んでいるものの、それぞれが要求する条件での合意で一致せず、特に米国側は譲歩案を勝ち取るために強硬になってきている。5月10日金曜日に米国は対中輸入2000億ドルに対する追加関税の税率を10%から25%へ引き上げる意向だ。トランプ大統領は現時点で追加関税を賦課していない3250億ドルに対しても「近く25%」の関税を課す意向を示している。

関税となれば日本経済に対しても強い逆風が及ぶ可能性が高い。米国向け輸出の増加という恩恵が今後及ぶ可能性は残存するものの、中国経済の更なる減速が、日本の製造業にとって極めて深刻な事態を及ぼす。