■SAXO TradingView

SAXO TradingViewのチャートは多くのプロダクトをチェックできること、テクニカル指標や描画ツールが豊富なことから、チャートの分析には欠かすことができないものとなっています。当レポートにおいてもTradingViewのチャートを利用しています。概要は以下のページからご覧ください。

TradingView概要

■先週の振り返り

先週は株式市場からS&P500、FXからGBPJPYの2つを取り上げました。先週はどちらも長期的なスタンスで週足を使った分析でしたが、その後のそれぞれの動きから見てみましょう。

(1)S&P500

S&P500は「もう一段の下げを見込むこととなり、長期的には2766.4を視野に入れる展開」としました。しかし、先週15日に日足ベースでは8月安値をわずかに更新できず反発、材料的にも株式市場では目立った悪材料もなくここまでじり高の展開を辿っています。

しかし、市場を取り囲む環境自体に大きな変化は無いいっぽうで、9月FOMCにおける利下げを織り込み、明日のジャクソンホールにおけるパウエルFRB議長講演で7月FOMCからハト派に変化しているだろうという、株式市場特有の好材料を積極的に織り込んでいく動きからすると、このまま上がり続けるとも思えません。

引き続き、長期的には下降トレンドを再開する可能性を考えておこうと思います。

(2)GBPJPY

GBPJPYは「長期的には2016年安値の122円台前半をターゲットにする動き」を考えました。その後、ブレグジット問題解決のためにジョンソン首相が欧州を歴訪、昨日は前日にバックストップの見直しに言及したメルケル首相と会談、会談後のジョンソン首相の発言は、何らかの見直しがあるかもしれないと期待させる内容ですが、積極的なポンド買いには結びついていません。

ただ、先週以降という流れで見ると月足チャートに示した直近の下降チャンネルの下限でいったん反発、先週の水準から考えると1円ほど買い戻しが入っています。今後は英国とEUとの間で、合意無き離脱を避けるための動きが出てくるかどうか、10月の期限までいよいよ大詰めということになります。

しかし、依然として最も可能性の高いシナリオが合意なき離脱であるという点が、長期的にポンドの上値を抑えていくこととなるでしょう。

■今週の注目銘柄

今週は株式市場から日経平均株価(NI225)、そしてFXからはZARJPYを取り上げます。

(1)日経平均株価(NI225)

まず日経平均株価(NI225)ですが、最初に以下のチャートをご覧ください。

これは日経平均株価をNYダウで割ったND倍率と呼ばれるチャートの週足に25週平均を併せて表示したものです。米国株は金利先安感を背景に株式市場は強い地合いにあると言えますが、日本の金融政策は米国に比べて更なる緩和と言ってもカードが限られていますし、10月からの消費増税も考えると積極的に買いにくい状況もあります。

つまり米国株の上下に影響を受けると言っても、上げ相場よりも下げ相場の影響を受けやすく、着実に米国株に比べて日本株の上昇が鈍ってきている様子が見て取れるチャートと言って良いでしょう。こうしたことも踏まえながら日経平均の日足チャートを見てみます。

日経平均は昨年安値と今年6月安値を結んだサポートライン(赤)と今年6月以降のほぼ水平なサポートライン(ピンク)を8月5日に同時に下抜けたことで、下降トレンドが確定しました。その後は下げの後の調整局面で緑のラインで示したトライアングルの中での推移となっていましたが、本日はこのトライアングルを一時的に上抜けた値動きです。

しかし、このトライアングル上側のレジスタンスを抜けたとしても、5日に下抜けたサポートが現在はレジスタンスとして効いてきますので、戻しの限界点として21000円水準はかなり重くのしかかってくる水準と言えます。

今後NYダウが下げるときには一緒になって下がるリスクもありますので、それを考えるとテクニカルには今週の買いはアヤとなる可能性が高いように思えます。20000円の大台を試す流れが9月末を前にあるのではないか、という見方をしています。

(2)ZARJPY

ZARJPYは同国経済が低迷していることと、電力会社エスコムへの支援が同国の財政に悪影響を与えていることから、ランド売りが続いています。

特に米中貿易摩擦の激化は、輸出入ともに最大の貿易国が中国である南アフリカ経済に悪材料となっていますし、エスコム支援による財政問題はムーディーズが格付見通しをネガティブにするなど、引き続きランドの上値を抑える状況が続いています。

もし、ムーディーズが格付を引き下げることになれば、既にジャンク(投資不適格)としているS&Pやフィッチに続いて、ムーディーズもジャンクとなり、その場合には南アフリカ国債を組み込んでいるファンドから一斉に資金が流出するリスクがあります。本邦個人投資家は相変わらず高水準のランド買いポジションを維持していますが、グローバルには南アフリカからの資金流出がコンスタントに続いていて、それがランド売りにつながっています。

ランド円も例外ではなく、既に年初来安値を割り込んでいますので、今回は週足チャートで現在の立ち位置を考えてみましょう。

週足チャートでは、どこからでもレジスタンスラインが引けるというくらい高値を切り下げる展開が続いているのですが、ここでは昨年高値からのレジスタンスを引いてあります。このラインは常にランドの反発を抑えている強力なレジスタンスですが、既にかなり離れてきています。

そうなると、下側のサポートに目が行くのですが、現在の水準は2016年につけた最安値6.316(緑の水平線)以来の水準となっているため、こちらもまだ距離はあるものの、長期的にはこの最安値に吸い寄せられるように下げが止まることは無いという見方をしています。

ムーディーズが格付を維持すれば多少の反発が見込まれますが、引き下げた場合には1日で下抜けするリスクがあるため、ムーディーズの動向は常に注視しておきたいものです。