■SAXO TradingView

SAXO TradingViewのチャートは多くのプロダクトをチェックできること、テクニカル指標や描画ツールが豊富なことから、チャートの分析には欠かすことができないものとなっています。当レポートにおいてもTradingViewのチャートを利用しています。概要は以下のページからご覧ください。

TradingView概要

■先週の振り返り

先週は株式市場から日経平均株価(NI225)を、FXからランド円(ZARJPY)の2つを取り上げました。どちらも中長期的な観点での見通しを示しましたが、その後の動きをフォローしておきましょう。

(1)日経平均株価

日経平均株価は「米国株の影響を・・上げ相場よりも下げ相場の影響を受けやすく」、「戻しの限界点として21000円水準はかなり重く」、「20000円の大台を試す流れが9月末を前にある」と判断しました。

その後は、執筆日を高値に上値が重くなり、500円以上下げたものの最近のレンジを抜けるには至ってません。引き続き、9月末に向けて20000円の大台を試す可能性は高いと考えます。

(2)ランド円

ランド円は「ランドの上値を抑える状況が続いて」、「ムーディーズが格付を引き下げることになれば・・一斉に資金が流出するリスクがあり」、「長期的には最安値に吸い寄せられる」という見方を示しました。

その後は、米中貿易摩擦激化を懸念した今週初のドル円急落の動きから、ランド円も8月安値を更新し6.779をつけています。現時点では多少戻しているものの、上値の重たい地合いが続いていますので、長期的に最安値を試すリスクは高いと言わざるを得ないでしょう。

■今週の注目銘柄

今週は商品市場からNY原油CFD(USOIL)を、FXからはトルコリラ円(TRYJPY)の2つを取り上げます。特にトルコリラ円は週初の下げが年初のフラッシュ・クラッシュを思い起こさせる動きとなりましたので、気にされている方も多いのではないでしょうか。

(1)NY原油(USOIL)

まずNY原油WTI(USOIL)ですが、最初に以下の日足チャートをご覧ください。

原油価格は実需の影響が大きく、最近では特に中国の景気減速懸念に上値が抑えられている状況が続いています。2019年高値は4月の66.58となっており、その後は着実に高値を切り下げる動きを続けています。いっぽう高値をつけて以降の安値は今月の55.55となっていて、長期的には青のラインで示したウェッジパターンの中で、下降トレンドを試しやすい地合いにあると言えます。

また短期的には7月末高値からのレジスタンスと8月安値からのサポートで構成されるトライアングル(ピンク)の中での推移を続けていて、どちらかに抜けるまでは方向感が出にくい流れとなっています。ただ上抜けしても下抜けしても長期のラインがあるため、トレンドが発生するには長期ラインを抜ける必要があります。

現時点ではほぼもみあいの中心値にあるため、抜けるまでは判断すべきではありませんが、米中通商協議が再開し双方が合意するまでは世界的な景気減速懸念が上値を抑える展開が続き、もし55.55を明確に下抜けるような動きにつながる場合には昨年12月安値の42.40水準を試す展開が予想されるでしょう。

現在の市場は、日米間の貿易摩擦が収まるかどうか、それが全てです。

(2)トルコリラ円(TRYJPY)

こちらも先に日足チャートをご覧ください。以下の説明のため、上段がトルコリラ円、中段がドルトルコリラ、下段がドル円です。

トルコリラ円は週初早朝の円高の流れの中で、前週末終値の19.292から瞬間安値16.328となんと3円近い急落を演じました。年初のフラッシュ・クラッシュを思い起こさせる急落でしたが、これは早朝で流動性の少ないトルコリラに売りが集中したことによるものです。個人投資家が取引を行うFX業者では普通にトルコリラ円の取引が可能ですが、カバー先のインターバンク市場ではドル円とドルトルコリラ、どちらも対ドルでカバーし、ドル部分を相殺することでトルコリラ円レートを作ります。

この時、ドル円市場の流動性はそれなりに高かったと思えますが、ドルトルコリラはほとんど流動性がなく、同じ時間にドルトルコリラは5.7727から6.3998まで約11%ものトルコリラ安となりました。ドル円でドル売り円買い、ドルトルコリラでドル買いトルコリラ売りとドルを相殺して、トルコリラ円売りのカバーに動きたため、このような動きになってしまったわけです。

週明け早朝ということもあり、強制決済も含めたストップオーダーの嵐で、本邦個人投資家のトルコリラ買いポジションは業者によって違いはあるものの朝の7時台だけで10〜15%程度消えたと想定しています。

さて、今後ですがトルコだけでなく新興国通貨全般が現状では売られやすい流れです。アルゼンチン・ペソ急落あたりから、かなりの資金が安全な資産に逃避しています。トルコリラも昨年安値(ピンクの水平線)までまだ距離はあるものの、年内に試す可能性は高いのではないかと見ています。

■来週の注目イベント

最後に来週の注目イベントに触れておきます。

いよいよ9月に入りますが、注目の金融政策イベントは12〜19日一週間に集中し、それまでは細かな材料では動きにくそうです。ただ、9月FOMCでの利下げは既に織り込み済みとなっていますので、あとはその幅です。4日のNY市場でベージュブック(地区連銀経済報告書)の発表があり、米国内各地域の景気を判断した上で、FOMCに向けて思惑交錯といったところでしょうか。金曜の雇用統計は一時的な振れはあったとしても大きな材料にはなりません。

そして、もっとも気になるのは中国の報復関税発動、そして米国の制裁関税第4弾の一部発動です。現時点では米中間の協議再開まで、発動停止ということは無いでしょうから、今後の米中の景気に与える悪影響は今後常に話に上ってくるのではないでしょうか。9月もリスクオフとその巻き返しがテーマになりますね。