■SAXO TradingView

SAXO TradingViewのチャートは多くのプロダクトをチェックできること、テクニカル指標や描画ツールが豊富なことから、チャートの分析には欠かすことができないものとなっています。当レポートにおいてもTradingViewのチャートを利用しています。概要は以下のページからご覧ください。

TradingView概要

■先週の振り返り

先週はドル円とポンド円を取り上げました。その後の動きをフォローしておきましょう。

(1)ドル円

ドル円は「米中通商協議もブレグジットも現時点では不透明な材料で、悪材料が出てきたときには株価とともにリスクオフに反応しやすい」ということを材料に「8月安値と9月高値の半値押しにあたる106.458をターゲット兼サポート」という見通しを示しました。

世界的な景気減速懸念からNYダウが大きく水準を下げるとともにトランプ大統領が直近のドル高を牽制する発言を行ったことで、GPIFの外債投資拡大のヘッドラインに一時的にドル買いで動いた参加者のストップオーダーをも巻き込むこととなりました。

現時点では安値106.967までですが、引き続き106円台半ばをターゲットとしやすい展開が続きます。

(2)ポンド円

ポンド円は「果たして10月のEUサミットまでに代替案を出てくるのか」を見極めながら、水準的には「9月安値と9月高値の半値押しにあたる131.217をターゲット」という見方を示しました。

今週に入り英国側からの修正案がEUに示されましたが、EU側がそれを受け入れられるのかどうかは五分五分といった状況に変化はありません。相変わらず不透明な状況で、ポンド円は131.564まで下げ、ターゲットにかなり近づいてきている段階です。

■今週の注目銘柄

今週は為替市場からはユーロドル(EUR/USD)を取り上げます。欧州経済の弱さから2017年5月以来の安値を更新しているユーロドルが、どの水準まで下げる可能性があるのかをいろいろな側面から考えてみます。

また株式市場からは香港ハンセン株価指数を取り上げます。デモ隊と警察の衝突がついに学生に実弾という事態にまで悪化しています。世界的な株安懸念と政治懸念が重なったいる香港株についても見ていきましょう。

(1)ユーロドル(EUR/USD)

まずユーロドルですが、材料的にはドイツを中心とした景気の悪さとブレグジットの不透明感がユーロの売り材料となっています。買い材料は少なくともブレグジットでの合意が必要ですが、今週に入ってからはトランプ大統領がドル高牽制発言をしていることが、短期的にはいったんユーロの買い戻しに繋がっている様子です。

米欧間の航空機補助金問題も、トランプ大統領がECBの緩和やユーロ安に口出しする材料とされやすそうですし、短期的にはいったん買い戻しが入りやすいものの、テクニカルにはいまだ安値が見えてこない状況です。現在の水準は2017年5月まで遡りますので週足をご覧ください。

レジスタンスラインを引くには事欠かない状況ですが、チャート内に示したのは昨年5月からの緩やかな下降ウェッジです。長期的にはこの中での動きを続けながら、2017年安値と2018年高値の78.6%(61.8%の平方根)押しとなる1.08147を試しやすい地合いにあると言えます。

材料的にもテクニカルにも下げの流れに変化はありませんが、ドル高の主要因となっているユーロ安とポンド安はドルインデックスの中でのウェイトが7割に達していて、ドルインデックスが直近で99台前半と100の大台に近づいてきている点には念のため注意しておきましょう。参考までに以下にドルインデックスの日足チャートを載せておきます。

(2)香港ハンセン株価指数(HSI)

ハンセンは香港に上場されている企業による指数ではありますが、中国の景気減速の影響も受けますし、米中貿易摩擦激化の影響も受けます。米中間の協議が長引きただでさえ好材料が見つからない中で、条例に端を発するデモの拡大が香港経済の懸念材料とされています。

今年4月に戻り高値をつけて以降は高値を切り下げる展開が続き、8月安値は1月初めにつけた年初来安値と重なる水準まで下げ、その後反発していましたが9月中旬以降は再び下げの流れになってきました。

テクニカルにはどうか日足チャートをご覧ください。

上下のピンクのトレンドラインは週足チャートからのラインをそのまま残してありますが、目立った上値としては4月の年初来高値、そして7月の戻り高値です。直近の下げの波動を7月の戻り高値から考えると、下げの後に調整の長期フラッグ(黄緑の平行四辺形)を形成、先週そのフラッグの下側サポートラインを抜けてきたことで、一段安を考える状況となってきました。

テクニカルなターゲットとしては、逆N波動を想定しフィボナッチ・エクスパンションで求める50%エクスパンション、25300水準が最初のターゲットとなります。その下の61.8%エクスパンションは8月安値(=ほぼ年初来安値)とも一致しますので、もし同水準を抜けるような動きがあれば、一気に崩れる可能性もあり注意が必要です。

■来週の注目イベント

来週は今週の一連の経済指標の発表とその次の週の欧州理事会(EUサミット、10月17・18日)に挟まれて、材料的には動きにくいのですが、ブレグジットの最終判断が欧州理事会で行われるとすると、その議論の行方は来週におおよその姿を表してくるように思えます。

英国の修正案をEUが認めるのかどうか、世界的な景気減速懸念が双方の落とし所での妥協案につながりやすいとも言え、このことがジョンソン首相にとっては有利に作用する可能性はありそうです。

現時点では合意の有無は五分五分としか言えませんので、引き続き英国とEU間の協議の推移を注意深く見守りましょう。