■SAXO TradingView

SAXO TradingViewのチャートは多くのプロダクトをチェックできること、テクニカル指標や描画ツールが豊富なことから、チャートの分析には欠かすことができないものとなっています。当レポートにおいてもTradingViewのチャートを利用しています。概要は以下のページからご覧ください。

TradingView概要

■先週の振り返り

先週はユーロドル(EURUSD)と香港ハンセン株価指数(HSI)を取り上げました。その後の動きをフォローしておきましょう。

(1)ユーロドル

先週は週足で見た上で昨年5月から続く長期的な下降ウェッジ内での動きを継続していることを確認しました。来週はブレグジット問題で何らかの結論が見えてくる可能性が高いため、どちらかに抜ける可能性があります。

先週から今週にかけても主要なテーマはブレグジット問題で、バックストップ条項に修正が加わっての合意となるか、あるいはEU内でまとまりきらず合意なし、離脱延期となるか、いよいよ来週のEUサミット(理事会)において決まりそうです。

米中間の協議も難航していますが、まったく妥協の姿勢を見せない米国と違って、英国とEUは同じ欧州としてまとめたいという考えは強いように思えます。現状五分五分よりは代替案による合意ありの離脱の可能性のほうが高いとすれば、ポンドもユーロもいったんは大きく買い戻しが入るでしょうし、合意なき離脱となれば急落リスク大、離脱延期の場合は結局は決まらない可能性が高く売られるというイメージでいます。

(2)香港ハンセン株価指数

香港ハンセン株価指数は長引く米中通商協議が中国経済に与える悪影響と香港での収束しないデモの2つを悪材料として、25300水準を最初のターゲットとした下げ相場を考えました。

その後の指数の動きは、じり安ではあるものの世界的に底堅い株価の影響もあって、本日現在でやや下げた程度で安値は25522までです。現在ワシントンで行われている米中通商協議ですが、昨日までの次官級では進展なしとのヘッドラインが中国側から出て、本日からの閣僚級も雲行きが怪しくなってきました。

まだ結果はわからないものの、今回も協議決裂による先送りということになると、上記ターゲットを試しやすい地合いがこの後も続くと思われます。

■今週の注目銘柄

今週は為替市場からはトルコリラ円(TRYJPY)を取り上げます。8月のフラッシュ・クラッシュ以降は底堅い動きを続けてきたトルコリラ円ですが、10月に入り反転下落、上値の重たい展開となってきました。

また商品市場からはドル建て金(XAUUSD)を取り上げます。ドル建て金(XAUUSD)は、FX同様にSAXO TradingViewから取引可能ですし、リスクオフ時の代表的な避難資産ですが、コモディティ(商品)として、通貨として、2つの面を持っています。取引しない方でも値動きは定期的にチェックしておくことをおすすめします。

(1)トルコリラ円(TRYJPY)

まずトルコリラ円ですが、8月のフラッシュ・クラッシュを安値にその後9月末まではじり高の展開を辿りました。もっとも大きかった理由としては政治的に国内外で大きな問題が無く、さらに国内のインフレ低下とともに緩和政策へと転じた動きが市場参加者に好感されたという点です。

しかし、政治的にはシリア問題、ロシアからのミサイル購入と、いつ米国がトルコに対して制裁を課してもおかしくはない材料が多かったのですが、これまではトランプ大統領らしくない静観が続いていた状況でした。そこにトルコがシリアへの軍事行動、それでも黙っていたトランプ大統領に対して米国議会は非難し、大統領も支持しないとの声明を出すに至っています。

この間、10月1日以降は米国がいつ制裁するかというリスクを考えて売りが出ていましたが、昨日にはトルコがシリア北東部でクルド人勢力に対して地上戦を開始したことで、一段とトルコリラの売り圧力が強まってきたというのが本日時点の状況となります。日足チャートをご覧ください。

レジスタンスラインは2018年12月から、また下側のラインは2度のフラッシュ・クラッシュ安値を結んであります。また幅の広い紫の帯は市場最安値(2018年8月)の15.342とその後の戻り高値(2018年12月)を示しています。大きくはピンクのライン2本で示した下降ウェッジの中での推移ですが、短期的には直近8月のフラッシュ・クラッシュ以降は9月にトリプルトップをつけ、そのネックラインを割り込んできたことから一段の安値を見やすくなっていると考えられます。

ターゲットとしてはフラッシュ・クラッシュ安値と10月1日高値とのフィボナッチ・リトレースメントを考えることとなりますが、まずは38.2%押しの18.098、次に半値押しの17.769がターゲットとなってくるでしょう。米国との関係悪化だけでなく、米中間の通所協議もうまく行かないとなると、世界的な景気減速懸念の拡大が新興国通貨の売りにもつながりやすいため、当面は注視しておきたいところです。

(2)ドル建て金(XAUUSD)

ドル建て金は昨年8月に大底をつけて以降は、各水準にあったレジスタンスをことごとく上抜け、強い上昇トレンドを続けてきました。特に長年に渡って抜けられなかった1400ドルの大台を上抜けたことで、短期に1500ドルの大台を示現、9月4日にはこの流れでの高値1557.13をつけています。

この9月高値以降は高値安値ともに切り下げる下降チャンネル(ピンクの平行線)の中での推移を続け、これまでの上昇トレンドの雲行きがやや怪しくなってきたというのが現在の状況です。日足チャートをご覧ください。

しかし、この下降チャンネルですが、かなりレジスタンスに近づいてきたところで米中協議の雲行きが怪しくなってくるなど、上抜けの場合にはフラッグ(平行四辺形)の上抜けにつながりますし、9月高値と10月安値のフィボナッチ・リトレースメントからも78.6%(61.8%の平方根)戻しが1536.17と9月24日の戻り高値と一致します。

米中協議次第とはいうものの、これまでの累積してきた景気鈍化材料が今後株安等に繋がってくる場合には、高値更新し1600ドルと新たな大台を視野に入れてくる可能性もあり、今週から来週にかけてのレジスタンスラインの攻防には注意が必要でしょう。

■来週の注目イベント

来週は欧州理事会(EUサミット、10月17・18日)、ここでの結論が代替案での合意ありの離脱となるか、あるいは合意なき離脱となるのか、いよいよ重要な局面を迎えます。本文中(先週の振り返り)にも書きましたが、もし合意なき離脱ということになると、欧州売り(株、通貨とも)に繋がりますので、リスク管理面には十分に注意したいところです。

そして、もうひとつEUサミットの前に重要な日があります。10月15日。これは、米国が当初第4弾の報復関税実施を10月1日としていたところ、通商協議が今週にスケジュールされたため、その後となる15日に延期されたものです。

米中協議の行方が既に次官級で雲行きが怪しいことを考えると、閣僚級でもまとまらず、15日からの報復関税開始へとなだれ込んでいく可能性が高まっています。今回の関税には、直接消費者に影響を与える製品も多く含まれていることから景気鈍化への道を歩むは必死です。

現在の米中協議の状況に対して市場参加者がまだ楽観的でいられるということに個人的には驚きとしか言いようがありません。これまで何度も失望してきたのですから、実際に合意の2文字を見てからリスクオンに動いても十分に間に合うのではないかと思います。