■SAXO TradingView

SAXO TradingViewのチャートは多くのプロダクトをチェックできること、テクニカル指標や描画ツールが豊富なことから、チャートの分析には欠かすことができないものとなっています。当レポートにおいてもTradingViewのチャートを利用しています。概要は以下のページからご覧ください。

TradingView概要

■先週の振り返り

先週はポンド円(GBPJPY)とパラジウム(XPDUSD)を取り上げました。その後の動きをフォローしておきましょう。

(1)ポンド円(GBPJPY)

先週執筆時点で英国とEUの間での離脱案合意が現実的となっていましたが、その日のEUサミットで離脱案の合意とはなったものの先週末の英国議会では、その合意案の採決自体が行われないという肩透かしをくらいました。ジョンソン首相はEUに対して来年1月末までの離脱延期を求め、EU側はそれに対して検討を行っているというのが本日時点の状況です。

いっぽう英国議会では、離脱案に関連する国内の関連法案を審議してから離脱案の採決という流れになっていますので、10月末の離脱はほぼ無いという状況です。ただ、閣外協力政党である北アイルランド与党DUPも議会野党労働党も与党保守党との協議姿勢を示していることから、市場参加者はそれほど悪材料とは捉えていません。

テクニカルには先週示したとおりで「141円台後半を見た場合には、いったん利食いが出やすい」流れでしたが、141.508を高値にその後は若干の押しが入って、EUと英国議会の今後の状況を見守っている状況と言えます。

(2)パラジウム(XPDUSD)

パラジウムは、金やプラチナなど他の貴金属に比べて上昇スピードが強く、長期的な材料としてディーゼル車からガソリン車へのシフトがあることを示しました。いっぽうで、上昇スピードの速さも気になり、テクニカルには「1800ドル前後に向けての動きは、短期的に目先の高値をつける可能性がある」とコメントしています。

先週から今週までの動きとしては1786.554を高値にいったん調整の売りが入っていますが、依然として下がったところは買いたいという向きが多く、高値圏でのもみあいとも言える状況です。ただテクニカルな水準としては、いったん達成感が出やすくなっていることも事実です。

■今週の注目銘柄

今週はポンドドル(GBPUSD)と日経平均CFDを見ていきます。

(1)ポンドドル(GBPUSD)

先週のポンド円の振り返りに書いたとおりですが、英国政府とEUとの間で離脱案の合意はなされたものの、その案に対する採決が行われず、さらに離脱を急がず国内関連法案の整備が先という流れとなったため、10月末の離脱は無く来年1月末までの間になるべく早く合意案を英国議会で可決という流れになってきました。

リスク要因としてはEU側が離脱延期を認めない可能性と、英国議会で離脱案が否決される可能性ですが、今のところ市場参加者はそうしたことは無く、今回はさすがに時間をかけても合意ある離脱をどこかの時点で見るに違いないというコンセンサスとなっています。しかし、これまで3年半もの間、英国議会の空転を見せられてきたことを考えると、不測の事態が起きないとも言い切れません。

短期的には調整局面入り、実際の結果を見た上で改めてポンド買いという動きがもっともありそうなシナリオと言えます。日足チャートをご覧ください。

ポンドドルは、9月安値を起点に9月高値までの上げ、その後の10月安値までの押し、そしてその後の急上昇と典型的な上昇N波動となっていますが、押しから高値までの上昇角度が急なことからも分かる通り、いったんスピード調整を挟んだほうがその後の上昇にもつながりやすくなります。

また9月安値からののN波動にフィボナッチ・エクスパンションをあてはめると127.2%エクスパンションが1.2720(太線のターゲット)とほぼ今回の高値と重なっていることもわかります。そうなると、押しが入った場合にどこまでの調整を考えるかになりますが、これは、押しの安値から直近高値までの上げに対して、フィボナッチ・リトレースメントを考えることになります。

すると、23.6%押しが1.28198、38.2%押しが1.27004(それぞれ細線のターゲット)となっていて、既に前者の水準にはいったん近づく動きを見せたことを考えると、ポンドドルは1.27水準への押しが入る可能性が高いと考えることが出来るでしょう。

(2)日経平均CFD

サクソバンク証券が提供している日経平均のCFDはFX同様に取引時間が長く、ほぼ一日を通して取引を行うことが可能です。これは、実際に日経平均が算出されている現物取引の時間帯だけでなく、その後の先物市場の動きも含めてカバーが可能な時間帯を連続して提供しているためです。実際にシカゴの日経平均先物は23時間の取引が行われています。

私も含めFX取引も行っている人にとっては、ドル円の動きとシカゴの日経先物の動きをほぼ終日比較できるという点が使い勝手が良いところです。昨日のドル円の動きは、ほぼシカゴの日経平均先物とリンクした値動きを見せ、典型的なミラー相場というザラバチャートになりました。

今回は日経平均が上昇を続けていますので、長めのチャートからどの水準をターゲットに上昇相場が続くのかを探ってみましょう。今回も以前と同様に23時間取引が行われている日経平均先物チャートを使います。期間は週足となります。

チャートを見ていただくとわかりますが、現在の水準は久しぶりの高値圏であり、もう一段の上値追いをしやすい水準のなっています。まず、2018年高値と安値の78.6%戻しが23326(太線のターゲット)、そして2018年安値から上昇N波動を考えた際の100%エクスパンションが23390(細線のターゲット)とどちらも23300円台を示していることがわかります。

やや上昇テンポが速いとは言うものの、下げの調整も挟みながら先物の価格としては23000円台を見に行く流れにあると考えて良さそうです。

■来週の注目イベント

これまでの米中通商協議は、部分合意と言っているのは米国のみで実際には協議継続、またブレグジットにいたっては採決が行われず離脱延期申請中と、いつまで立っても最終的な結果が見えてきません。

そうした中で来週29・30日にはFOMCが開催されます。結果発表は日本時間31日午前3時です。先物市場(フェドファンド先物)の取引状況から計算される利下げ織り込み度を見ると、現状の1.75〜2.00%から0.25%の利下げが行われるという見方は90%を超えています。様々な不透明な状況を考えると、来週のFOMCでは利下げが行われると見てよいでしょう。

そして、既に利下げがコンセンサスとなっていることを考えると、株式市場も為替市場も利下げを前提に動いていると考えられ、一時的な動きがあったとしてもそれほど大きな動きにはつながらなそうです。

また31日の正午過ぎには日銀の金融政策決定会合の結果発表、15:30には黒田日銀総裁の会見が行われます。こちらも現状維持がコンセンサスではあるものの、最近の黒田総裁の発言は若干ハト派よりに感じられますので、会見の発言内容次第では動くきっかけとなる可能性があるのではないでしょうか。