■SAXO TradingView

SAXO TradingViewのチャートは多くのプロダクトをチェックできること、テクニカル指標や描画ツールが豊富なことから、チャートの分析には欠かすことができないものとなっています。当レポートにおいてもTradingViewのチャートを利用しています。概要は以下のページからご覧ください。

TradingView概要

■先週の振り返り

先週はポンドドル(GBPUSD)と日経平均CFDを取り上げました。その後の動きを見ておきましょう。

(1)ポンドドル(GBPUSD)

英国政治は相変わらず不透明な流れが続いています。直近の出来事としてはEUと英国政府の間で離脱案は合意したものの英国議会では採決されず、来年1月まで離脱期限が延期されました。その後、野党労働党が総選挙に賛成の立場を示したことで急遽12月12日に総選挙となりました。今回の総選挙では保守党は離脱案の早期可決を目指して復党した議員を含めて過半数を取りに行くこととなりますが、野党側は離脱そのものを取りやめるという方向に持っていく可能性も高く、そうなるとどちらが勝つのか不透明としか言えない状況です。

そうした中で、ポンドは思いの外堅調な動きを続け、先週時点では「短期的には調整局面入り、実際の結果(採決)を見た上で改めてポンド買いという動きがもっともありそう」という見方を示しましたが、上記の通りでまずは12月の総選挙に向けての与野党の攻防という流れに変わっています。先週木曜以降の動きとしては、いったん1.27884で安値をつけ本日は1.2920レベルと一週間かけて行って来いの値動きとなっています。

(2)日経平均CFD

株価は日米ともに堅調な動きを示していましたが、先週執筆時点からもじり高のうごきとなっています。昨夜のFOMCにおける利下げ思惑から米国株は買いが入っていましたし、日経平均も10月初めの水準から着実に水準を切り上げ、シカゴの先物ベースでは29日に23,005円の高値をつけています。

先週示した「先物の価格としては23000円台を見に行く流れにある」という動きは既に達成してきていますが、本日の日銀会合では現状維持がコンセンサスであるものの次回以降の追加緩和に言及があるようだと、一段高の可能性があるという状況です。本日15:30からの黒田日銀総裁の会見には注目しておきましょう。

■今週の注目銘柄

今週はランド円(ZARJPY)とNYダウ(シカゴGLOBEX)を見ていきます。

(1)ランド円(ZARJPY)

ランド円ですが、今週は重要イベントが続いています。第一弾は昨夜の南アフリカ中期財政計画の中で示される国営企業に対する支援策でした。しかし、同計画の中で示された内容は、お荷物の国営電力会社エスコムに対する新たな支援、同じく国営エアライン南ア航空からの返済が遅れていることが発表されました。これを受け昨夜のランド円は、発表前の7.453から7.224へと急落を見せました。

また明日1日にはムーディーズの格付け見直しがあります。発表時間がNY後場となるか引け後となるか、おそらく微妙な時間帯に出てくると予想されますが、現時点でのコンセンサスは格付けが維持されジャンク入りは免れるというものです。しかし、昨夜の財政計画を見る限り、格付けが維持されたとしても見通しが安定的からネガティブへと下げられる可能性もあり注意が必要です。

現状、ムーディーズのみがジャンクとしていないのですが、万が一ジャンクにでもなれば南アからの資金流出は相当なものとなり、南ア金融市場は大暴落を示すこととなりかねません。今週は南アの株価指数である南アトップ40指数とランド円のチャートを並べて見てみましょう。

どちらも日足チャートで上段が南アトップ40、下段がランド円です。

こうして見ると動きとしては株価指数もランド円もほぼ似たような動きをしてきたことがわかりますが、直近10月17日以降の動きに着目すると、株価指数は上値を切り下げているのに対して、ランド円は上値を切り上げるダイバージェンスが発生していたことがわかります。

ランド円の場合、ランドだけでなく円の要素もあり円安傾向がランド円を底堅くしていたと考えることができますが、イベント的には昨夜の中期財政計画、そして明日のムーディーズ格付け見通しと懸念材料がある中で、株価指数は素直に下げているのに対して、ランド円の動きはやや警戒が薄かったのではないかと考えることもできそうです。

ここからの展開ですが、ピンクの上昇ウェッジの中で10月安値と10月高値の78.6%押しとなる7.095がサポートラインと一致するのがまさに明日となります。明日あるいは週明けのランド円は7.10レベルを試しに行く可能性が高いのではないか、というのがテクニカルな観点からの見方となります。

(2)NYダウ(シカゴ先物)

サクソバンク証券が提供しているNYダウのCFDも、先週の日経平均CFDのようにFX同様に取引時間が長く、ほぼ一日を通して取引を行うことが可能です。今週のNYダウもシカゴの先物GLOBEX(23時間取引)のものを見てみましょう。

ここではS&P先物ミニと並んで人気の高いダウ先物ミニの日足チャートを見てみます。

チャート通りですが、6月以降の動きを追うと7月に史上最高値を更新、その後いったん8月には下げたのですが、3回試して下げきれずトリプルボトム状の反転パターンを形成し、7月高値に近づいたもののトライしきれず、10月初めに再び下げていますが、8月からのサポートラインで下げ止まり、そして昨夜のFOMCでの利下げ期待から直近では上げたものの、9月高値も抜けられずという状態です。

これは下段に示した改めて史上最高値を更新しているS&P500(先物)と対象的です。NYダウでは構成銘柄が30と少なく、その中でボーイングのようにパフォーマンスの悪い銘柄が全体の足を引っ張っているというケースですが、テクニカルにはこれら2つもダイバージェンスと見ることができます。

昨夜のFOMCで利下げ打ち止めということを考えると、個人的には上がりきらないダウの動きのほうが正しいように思えますが、どうなるでしょうか。ダウに関しては今まさにレジスタンスラインの直下にいますが、今回もこのラインで押し返されるのではないかという見方をしています。

■来週の注目イベント

いよいよ11月です。来週月曜は東京市場は休場となりますが、NY市場では冬時間が始まります。これまでNYの朝の経済指標は日本時間で21:30でしたが、1時間遅れて22:30となりますので、この点は最初にリマインドさせていただきます。

そして、経済指標とイベントですが、まずは明日の米国雇用統計です。明日はまだ21:30の発表ですが、既に米国の雇用は完全雇用に近いことから単月の数字が仮に良くても悪くても一時的な影響にとどまり、重要度はあまり高くないと言えます。

そして週明けは火曜に米国貿易収支(22:30発表)がありますが、継続して米中協議が行われていることや米中首脳会談が予定されていたAPEC自体が中止となったことで、貿易収支のうち対中赤字の推移は気にしておく必要があるでしょう。

また主要国の金融政策決定会合は本日の日銀でいったん終了ですが、来週も豪中銀の会合が5日、英中銀の会合が7日にあります。どちらも念の為注意しておきたいイベントと言えるでしょう。