■SAXO TradingView

SAXO TradingViewのチャートは多くのプロダクトをチェックできること、テクニカル指標や描画ツールが豊富なことから、チャートの分析には欠かすことができないものとなっています。当レポートにおいてもTradingViewのチャートを利用しています。概要は以下のページからご覧ください。

TradingView概要

■先週の振り返り

まず、先週扱ったユーロポンド(EURGBP)、日経225CFDのその後の動きを見ておきましょう。

(1)ユーロポンド(EURGBP)

ユーロポンドは年初来安値0.84720レベルにかなり近づいてきていることから、長期テクニカルの観点で微妙な水準であることを書きました。この1週間も世論調査の結果は保守党の支持率がリードしていることは変わらず、労働党との差は縮まっているという結果はあるものの、昨日は保守党が過半数を取るとの見通しも示されました。

ポンドに改めて買いが入るいっぽうで、ドルが全般的に強い動きをしていることからユーロドルは上値が重たい動きとなり、ユーロポンドは今週の入ってからも水準を切り下げたことで、安値が0.84999と大台0.85を割り込み、一段と年初来安値0.84720に近づいています。

この流れで行くと近い段階で年初来安値を試しに行く展開が考えられそうです。

(2)日経225(GLOBEX)

日経平均はリスクオンの流れが続き、11月高値まであとわずかというところまで上昇しました。8月安値からの平行線の中での上昇トレンドを続け、いつ一段高を見せてもおかしくはないというのが昨日までの状況だったと言えます。

昨日のNY市場が引けた後にトランプ大統領が香港人権法案に署名、それに対して中国は内政干渉と非難するところまでは、大方の予想通りの流れできていますが、問題はこの件が米中通商協議に影響を与える可能性がある点です。今朝の株式市場はそうした懸念を反映して一転下落へと転じていますが、実際に協議中断ということにでもなれば現在の下げ程度では終わりません。

高値更新目前での反落という動きもテクニカルには気になります。引続き中国からの発言を注視しながらサポートラインを抜けないかどうか見守ることとなるでしょう。

■今週の注目銘柄

今週はFXからドル円(USDJPY)、商品からNY原油を取り上げます。

(1)ドル円(USDJPY)

ドル円はリスクオンでだいぶ円安へと動いてきました。主に米中通商協議進展期待による株高の動きが為替市場でもドル買いの動きにつながっていることとなりますが、これまでも通商協議に関しては、実際に合意署名に至らなければどうなるかわからない面も多く、個人的には最悪土壇場で決裂という可能性はゼロでは無いため、株式市場参加者を中心にあまりに楽観的ではないかという見方をしてきました。

前回ドル円についてコメントしたときには株高に反してドル円は109円台前半で上値が重く、為替市場のほうが冷静だと感じる旨を書きましたが、ここに来て為替市場も株式市場の楽観的なリスクオン姿勢に追随する動きとなりました。そこに出てきたのが米国議会でのほぼ全会一致の香港人権法案可決です。仮にトランプ大統領が拒否権を発動しても、改めて3分の2以上で覆されるため、今回は拒否権は発動せず、署名するであろうという見方がコンセンサスでした。

それにも関わらず、楽観的な見通しにはなんら変化は見られず株高と円安が進み、いざ大統領が署名したというニュースで株安、円高に動いているというのは正直言って不思議な点です。署名までは織り込んでいたのではないですか、というところですが、ここでもし中国が大人の対応をすれば今回の人権法案と通商協議は切り離して合意へと持っていくことが期待できますが、現時点ではまったく不透明です。

おそらく、合意署名まで間近というところから、しばらく回り道という流れになってきそうですし、実需筋は109.50よりも上に売りを並べていたことから、個人投資家をはじめとするドル買いの動きは実需を飲んで買いを膨らませたこととなり、明らかにポジション的にはドル買いが膨らんでいると見られます。あとはテクニカルですが、週足チャートをごらんください。

赤のラインは2015年から続く三角もちあいのサポートとレジスタンス、青のラインは2019年の年初来安値から引いたラインによる上昇ウェッジです。可能性として青の上昇ウェッジの中での円安の動きを継続し、赤のレジスタンスにぶつかる110円台前半を一度は試すという見方のほうが多いとは思いますが、テクニカル以上に今の米中間の対立が個人的には気になります。

既に昨夜短期的な高値を見てしまったか、あるいはもう一度買いが入ったとしても110円の大台は試せないという展開を考えていますが果たしてどうなるでしょうか。

(2)NY原油(WTI)

原油市場では中東産、ブレント、WTIと3つの価格指標がありますが、投資家によく見られるものはWTI(NY原油)です。そして、商品市場は投機的な動きとともに需給の影響が大きく世界景気や季節要因といったことも考えなくてはいけません。

ただ、WTIは大きくは昨年9月から安値を切り上げ高値を切り下げと、値幅は徐々に小さくなってきています。そうした中で、直近の動きは10月安値から細かく上下しながらも上昇トレンドを続けています。日足チャートをご覧ください。

チャートでは、昨年9月からのレジスタンスラインを赤で示してありますが、上昇チャンネルと12月第1週に60ドルの大台で交差することとなります。ただ、米中協議進展の思惑による原油上昇の動きも材料のひとつとなっていたことを考えると、短期的にはこの上昇チャンネルのサポート(今週は56ドル前後)へといったん下押しし、改めて上昇機会を探る展開になるのではないかと見ています。

■来週の注目イベント

来週は早いもので12月です。月初は米国雇用統計をはじめ経済指標の発表も多いのですが、いまはそれ以上に香港人権法案にトランプ大統領が署名したことで中国がどのような動きをしてくるかのほうが重要です。

今朝も中国側からは非難する発言があったのみで、具体的にどのような報復措置を取るのかということについては何も出てきていません。まず、中国の対応を見て他の材料は二の次というのが、金融市場すべての参加者が考えるところだと思います。

また、翌週となりますが12日の英国総選挙に向けて今後も世論調査の結果が色々と出てくるでしょうから、ユーロやポンドの場合にはこうした材料も重要です。いずれにしても経済要因よりも政治要因が重要な12月上旬ということになるでしょう。