■SAXO TradingView

SAXO TradingViewのチャートは多くのプロダクトをチェックできること、テクニカル指標や描画ツールが豊富なことから、チャートの分析には欠かすことができないものとなっています。当レポートにおいてもTradingViewのチャートを利用しています。概要は以下のページからご覧ください。

TradingView概要

■先週の振り返り

まず、先週扱ったNYダウ(DJI)と豪ドル円(AUDJPY)のその後の動きを見ておきましょう。

(1)NYダウ(DJI)

NYダウは、先週のコメントで昨夜のFOMCに関してはこれ以上の緩和は無く、緩和による株高は既に完全織り込み済みであること、テクニカルには調整らしい調整も入っていないことを考えると27000ドル水準を試す可能性は高いという見通しを示しました。

FOMCは多くの市場参加者も想定通り現状維持、そして2020年末までの金利見通しも変化がなくFRBとしては今後の状況次第で緩和にも引き締めにもどちらにもカードを切れる状態を続けていくこととなります。

株価の反応は先週からは上昇し一時28000ドルの場面も見られましたが、直近高値を抜けていないこと、そしてもうひとつの大きな材料である米中通商協議についても進展期待によるリスクオンが続いていることを考えると、いつ利食いの調整が入ってもおかしくはない状況に変化はないものと考えています。中期的なターゲットとしては引き続き27000ドルを見ておきます。

(2)豪ドル円(AUDJPY)

豪ドル円は資源国通貨として、米中通商協議の不透明感が長期的に豪ドルに影を落としていることに加え、テクニカルに長期的な下降トレンドを続けている中で上限に近づいてきていることから、今後の材料次第で上も下もありうることを指摘しました。この一週間は下押ししてからの上昇となり、先週とほとんど変わらない水準となっています。

引き続き、長期トレンドの上限近辺での動きがどうなるのか、最大の要因が米中通商協議の行方であることに変わりはありませんので、合意署名の流れがいつ見えてくるのか、それを待っての取引は続いていくものと見ていてよいでしょう。

■今週の注目銘柄

今週はポンド円(GBPJPY)とランド円(ZARJPY)を取り上げます。

(1)ポンド円(GBPJPY)

ポンド円は本日欧州市場がいよいよ英国総選挙ということで、この結果を見る前にいかなる予想も一日で当たりかハズレか答えは出るもののギャンプルに過ぎず、こういう日にポンド円の取引をすることは無謀に思えますし、過去の英国の政治イベント時の大変動を考えるとリスク管理と言っても限界があり、悩ましいお題となっています。一応、現時点での選挙結果のコンセンサスと考えられることを示した上で、やや長期的な視点を示そうと思います。

まず、選挙結果は野党第1党の労働党がリード差を縮めていることから、直近ではポンドの売りが目立っていますが、これはイベント前にポンド買いで動いていた向きの利食いと考えればごく自然な動きです。そして、リード差を縮めているとはいっても、与党保守党が単独過半数を取るであろうという見通しにも変化はありません。英国の世論調査はあてにならないことで評判を落としましたが、さすがに今回も外すとなると存続意義を疑われますので、今回はそれらしい結果になるのではないかと思っています。

ただ、そうであったとしても英国が欧州を離脱することで本店を欧州に移転させた企業も一定数ありますし、長期的に英国にとっては悪材料になる可能性が高いと考えざるを得ません。また、保守党が勝利して合意ある離脱になったとしても、具体的な離脱に関する取り決めは欧州だけでなく各国との調整が必要となっていくことを考えると、今後も離脱に多くの時間を取られることとなり、これも英国にとって良いことではありませんので、長期的にはポンド売り要因になってくると考えています。

ましてや、今回も世論調査とは逆に保守党が過半数を取れないということになると、新たな混乱のスタートとなり、これはすぐにポンド売りにつながってくるでしょう。そして、ここに至るまでのポンド売りポジションの大きな減少を考えると、ここからはどちらにも動きやすく、上記のようなことを考えると噂で買って事実で売るというパターンになる可能性が高いと言えそうです。

上段がポンド円、下段がポンドドル、ポンドドルのチャートにはシカゴのポジションを併せて表示してあります。

まず、下のポンドドルのチャートのサブチャートに示したシカゴのポジションを見ていただくと、8月の安値をつけた際には10万枚を超えるポンド売りだったものが、直近では3万枚にまで減ってきたことがわかります。この3万枚という水準は、この1年ではかなり売りが減っている状況です。

そして、上段のポンド円ですが、2018年高値からのレジスタンスラインにまさにぶつかろうという水準に上げてきています。もちろん、レジスタンスを明確に上抜けてくるようであれば、シナリオを再構築し直す必要がありますが、現時点ではかなりポンド円は上限に近い水準で総選挙を迎えるのだということになります。

(2)ランド円(ZARJPY)

南アフリカにとっての最大の貿易国が中国であることから、ランドの動向を考える際には米中通商協議の行方が重要となりますが、それに加えて南ア経済も冴えない状況が続いていて、先週発表された7〜9月期GDPは予想よりも悪い0.1%成長にまで落ち込みました。

また、本日にはCPIの発表がありますが、これも予想よりも弱い数字ということになれば利下げ思惑につながり、ランドにとっては悪材料ということになるでしょう。前回のムーディーズの格付け判断は現状維持でジャンク債入りを免れましたが、見通しはネガティブで来年に予定される次回の見直しでは今まで以上にジャンク債入りの可能性が高まっているというのが現時点の状況です。

テクニカルにも対円ではやや気になる水準となっていますので、今回は週足チャートをご覧ください。

まず、長期レジスタンスですが2018年高値からのレジスタンスライン(赤)を今まさに試しているところです。抜け始めていると見ることも出来ますし、明確には抜けていないので誤差の範囲とも見ることができますが、材料を考えると後者のスタンスで見た上で、今後明確に抜けてくるようであれば、その時に考え直すほうがよいと思っています。

そして、もう少し短いところでは上昇ウェッジ(ピンク)の中での推移を続けていて、こちらもこの中での推移を続けていくのが、パターン的に下抜けにつながるのか、年内もしくは年初あたりには結果が見えてきそうです。個人的には、そろそろ下抜けに注意すべきかもしれないという見方を取りたいと考えています。

■来週の注目イベント

来週は日銀会合があり、年内最後の主要な金融政策決定会合となります。今までは現状維持で黒田日銀総裁は状況次第では追加緩和という発言を繰り返して来ましたが、今回はその追加緩和が議論される可能性があります。

その大きな判断材料として明日日銀短観が発表されますが、製造業DIは4四半期連続での悪化が予想され、3ヶ月後の見通しも更に悪化するという見方がコンセンサスです。そして、消費増税の影響もあり非製造業DIの悪化も予想されています。

予想を超えるような悪化が見られた場合には、追加緩和議論が現実的なものとなる可能性があるだけに、まずは明日の日銀短観に要注目です。