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■先週の振り返り

まず、先週扱ったポンド円(GBPJPY)とランド円(ZARJPY)のその後の動きを見ておきましょう。

(1)ポンド円(GBPJPY)

先週もポンド円を取り上げていますが、先週は総選挙前ではあるものの「今後も離脱に多くの時間を取られることとなり・・長期的にはポンド売り要因になってくる」ことやテクニカルには「ポンド円は上限に近い水準で総選挙を迎える」ことに言及しました。

選挙結果は事前予想を大きく上回る保守党の躍進となり、過半数(326議席)を大きく上回る365議席となり、いっぽうで労働党は203議席と大きく議席を減らし明暗を分けました。投票締め切り直後に出口調査の結果が発表され、ほぼ最終結果に近い予想が出たことから、東京早朝にポンドは対ドル、対円で大きく上昇しました。

しかし、それが高値となり噂で買って事実で売るという典型的な動きを見せ、その後ポンドは急速に値を失う動きとなっています。今週もポンド円を取りあげますので、続きは今週のコメントをご覧ください。

(2)ランド円(ZARJPY)

ランド円は南ア国内の経済状況が冴えないこと、また来年予定されている次回のムーディーズの格付け見直しでジャンク入り懸念がくすぶり続けていることを背景に材料としては良いものがないことに加え、テクニカルにもいつ下抜けしてもおかしくないということを指摘しました。

その後のランド円は予想に反して上昇に転じていますが、主要因としては中国を最大貿易国とする南アフリカにとって米中通商協議第1段階合意が好材料とされ、米国株とともに水準を切り上げたということになります。

しかし、これで好材料はいったん出尽くしたとも言えますし、長期的な下降トレンドを否定するほどの上げでもありませんので、引続き下げ方向に注意は必要でしょう。

■今週の注目銘柄

今週はポンド円(GBPJPY)とユーロ円(EURJPY)を取り上げます。

(1)ポンド円(GBPJPY)

ポンド円ですが、総選挙の出口調査発表直後が高値となり、一時147.927と
今年3月以来の高値をつけました。今回の保守党勝利はかなり事前に織り込まれていたものの、直前に労働党とのリード差が縮まっているといった世論調査結果もあり、結局はその直前予想が外れて当初考えられた最大議席を取る大勝利になったことで、直後のポンド急騰に結びつきました。

しかし、既に保守党単独過半数という数字はかなりの部分織り込んでいたことから、その後は急速に値を失っていくこととなるのですが、もうひとつ新たな懸念材料も出てきています。

離脱自体は来年1月末に予定通り行われることは間違いないでしょうか、その後来年末までは現行制度を継続する移行期間となり、その間にEUとの間で新たな枠組みを決めていくこととなります。EU側はこの移行期間についても延長を考えていた節が強いのですが、ジョンソン首相は移行期間の延期は無いと明言したことが、さらなるポンド売りに繋がり、ポンドは対ドル、対円とも急騰前の水準へと押しています。

しかし、英国にとってはEUから出ることで、対EUだけでなく、米国、日本、さらに他の国とも新たな枠組みを作っていく必要があり、それらも考えると果たして来年末までの移行期間でまとまるとかんがえることに無理があります。もともと2016年の国民投票が行われたときにも、離脱したあとも多くの協議に2年近くはかかるのではないかと言われていました。

そうなると、これまでは楽観的に保守党が単独で決められるという好材料だけでポンドが買われてきた面もありますので、現実に目を向けると悪材料も結構多いということになります。テクニカルにも見てみましょう。

(チャート提供:サクソバンク証券)

週足チャートですが、ポンド円は年初来高値は上抜けずではあったものの、2018年高値からのトレンドラインを上抜けたことで、現時点では強い地合いです。また火曜のMarket Tipで今週から使っているテクニカル指標(どの時間足でも有効です)を併せて表示してありますが、こちらでも11月第1週に買いシグナルが点灯し今もそのままです。

ただ、トレンドラインを抜けた水準に押してきていますので、今後このラインを改めて下回る動きが出てくる時や、テクニカル指標が売りに転じる際には長期的にポンド円が改めて売りに転じていく可能性が高いという点には注意が必要でしょう。

(2)ユーロ円(EURJPY)

12月に今年最後であり、ラガルド新総裁にとっては最初のECB理事会が行われました。サプライズはなくこれまでの包括的な緩和策を継続していくことが確認されたにとどまりました。これは理事会以前にもラガルド総裁が発言していた内容でもありますから、長期に渡り現在の緩和策が継続されるという点では、金融政策面でのユーロへの影響は特に無かったのは当然ではあります。

問題は英国がEUを離脱した後だと思います。英国にとっては長期的に悪材料となっていく可能性があるのと同時に、欧州にとってもドイツと並んで大きな地位を占めていた英国が抜けることは米国に対することが出来るEUとしてのサイズ縮小につながりますし、欧州自体の景気も冴えない状況が続いていることを考えると、ユーロも同様に弱くなりそうなイメージはあります。

ただ、ちょっと気になるのはテクニカルな観点です。早速ですが、ユーロ円の週足チャートをご覧ください。

(チャート提供:サクソバンク証券)

ポンド円は既に11月時点で買いの状態となっていましたが、ユーロ円は今まさに買いシグナルが出ようとしています。明日の週末クローズを待つ必要がありますが、サブチャートに示されているオーサム・オシレータが長期パラボリックと同じ方向に転じることとなりそうです。

おそらく、底堅い状態が続きやすいということになりますが、個人的にはドル円が110円の大台を大きく超えていくとは考えていないため、そうなるとユーロ高ドル安の動きが出てくる可能性がありそうです。個人的にはイメージといまひとつ一致しないのですが、当面はユーロ円の売りは避けようと考えています。

■来週の注目イベント

来週は海外はクリスマス、国内は主要産業は年末年始前の最後の週となりますので、基本的には静かな一週間となります。ただ、参加者減少は流動性低下に繋がりますので、そういう意味では通常以上にオーダーとポジションの管理には注意が必要です。

なお、当レポートは年内は来週26日まで、年明けは9日から再開となります。