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■先週の振り返り

先週はNYダウCFD(US30.I)とトルコリラ円(TRYJPY)を扱いました。その後の動きを見ておきましょう。

(1)NYダウCFD(US30.I)

先週のNYダウは記録的な下げ幅となり、リーマン・ショック時の週間下げ幅を塗り替える急落相場となりました。先週執筆時点ではいったん小休止という局面でしたが「018年安値と史上最高値との半値押しにあたる25508、つまり25000ドル台半ばまでの下げは考えておいたほうがよい」とコメントしました。

その翌日のNYダウは一日としては最大の下げ幅を記録し、2月末には一時24677.3まで水準を切り下げました。今週に入ってからはFRBによる緊急利下げや、スーパー・チューズデーでバイデン前副大統領が代議員数獲得を伸ばしたことも株式市場は好感し、昨日は戻り高値27093.7を見るに至っています。

(2)トルコリラ円(TRYJPY)

トルコリラ円は2月の中銀会合で予想通りとはいえ利下げが実施されたことで、政策金利がインフレ率を下回る実質マイナス金利状態となっていることに加え、テクニカルにも長期レジスタンスに近い位置にいるため反落しやすい点を指摘しました。

トルコリラ円は、安値16.94レベルまで下げてはいますが、その後は米国株式市場が落ち着きを取り戻したことでリスクオフの巻き返しとともに新興国通貨にも買いが入りやすい流れとなりました。ただ、まだ新型コロナウイルスの感染者拡大に対する警戒感は強く、このままリスクオンとなるとも思えませんし、トルコリラ自体の悪材料も拭い去れませんので、引き続きテクニカルなターゲットとなる16.60レベルは意識しておいたほうがよさそうです。

■今週の注目銘柄

今週はS&P500とVIX関連CFD(SVXY)を取り上げます。

(1)S&P500(US500.I)

S&P500はNYダウとともに米国を代表する株価指数ですが、ダウが30種平均なのに対して、S&Pは500種平均と広く銘柄をカバーしていることもあって、日本でいえば、語弊はありますが日経平均とTOPIXの違いに似たようなイメージです。

S&P500は米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしていることや先物市場での投資家の取引量も圧倒的に多いことから、現在の米国株価を見るときにはダウほど一部銘柄の影響を受けにくく、NASDAQほどハイテク比重が高くないという点で最も参考にすべき指標と言えます。

構成銘柄数の違いからダウとは微妙に異なった動きはしていますが、先週の急落そして今週の反騰といったあたりは当然似通った動きを示します。今週の上げ局面では、FRBによる緊急利下げがS&P500でも好感されましたし、昨日にNYの市場ではバイデン前副大統領の躍進もまた好材料とされました。

チャートを見てみましょう。ここ3か月の日足チャートです。

(チャート提供:サクソバンク証券)

史上最高値をつけた際に当然CFDも高値をつけていますので、その時の高値が3396.71、そして急落時2月末の安値が2854.00です。そして、史上最高値を起点に2月末安値とのフィボナッチ・リトレースメントを表示してありますが、昨日高値の水準はちょうど半値戻しの3125.36まで戻しました。

ここからの上昇は新型コロナウイルスの感染者拡大にストップがかからないと難しいと思いますので、上値の余地としては61.8%戻しの3189.39が限界点として見ていますし、逆に上がりきらない場合には3000の大台を再度試しに行く流れが考えられるでしょう。

(2)VIX関連CFD(SVXY)

ここで扱うVIX関連CFDはSVXYのCFDとなりますが、そもそもVIXというのはS&P500の変動率で、シカゴオプション取引所がS&P500のオプション取引をベースに算出しているボラティリティ・インデックス(略してVIX)です。

一般的に株式市場の上昇局面ではVIXは下降し、下降局面ではVIXが上昇します。仮にS&Pが毎日着実に上昇するような局面ではVIXも着実に低下し、2020年に入ってからも1月中旬には12%を割り込む水準となっていました。通常VIXは12%レベルが安値圏となることが多く、今回の急落直前には18%台まで戻していましたが、急落によってVIXは急騰し2月末には49.48%まで上昇しました。

今週はS&Pが反騰していますのでVIXは低下し、昨日は24.93%までボラティリティは低下しています。この間の半分近くにまでボラティリティが低下していますので、このVIX変動そのままの連動商品があれば半値です。

そして、このVIXには通常のものと逆に動くインバース型などの派生商品が存在していますが、本日紹介するSVXYは米国のETFでVIXと逆に動くインバース型、つまりVIX上昇時は価格が下がり、VIX下降時には価格が上昇する商品となっています。また、この手のETFには倍率がかけられているものも多いのですが、本日のSVXY:arcxでは0.5倍の変動となっています。

まずはSVXY:arcxの日足チャートをご覧ください。

(チャート提供:サクソバンク証券)

緑と赤のローソク足がSVXY:arcxで価格軸は右側、青のローソク足が先程のS&P500で価格軸は左側です。インバース型なので、ほぼ似たような動きを示し、株価下落=CFD価格下落、株価上昇=CFD価格上昇となっていることがわかります。

ちなみにSVXY:arcxの2月28日の価格(安値)は48.310、昨日高値は50.610と5%程度の上昇です。VIXインバース0.5倍のETFと言ってもETFの価格変動自体には需給も関係していますので、必ずしも変動が一致するものではないことには注意が必要です。

このように株価の上昇下落と密接な相関があるVIX関連CFDを取引することで、ポートフォリオの幅が広がります。いったん安値を見た可能性は高そうですが、先程のS&Pで示した当面の値幅を参考に取引していただくのがよいと思われます。

■来週の注目イベント

スーパー・チューズデーの結果が判明し、ほぼバイデン前副大統領とサンダース上院議員との一騎打ちの可能性が高まってきました。左派のサンダース上院議員よりも中道のバイデン前副大統領を金融市場は望んでいますが、まだ最終的に指名を受けるのがどちらになるのかは図りかねる状況です。

そうした中で、3月に入りいよいよ2月の経済指標が出始めます。中国の数字はもちろんですが、日本、そして中国との貿易が多い豪州の数字の変化には要注目です。悪化はそれなりに織り込んでいるとはいうものの、予想よりも悪化が大きくなるような場合には、リスクオフの動きにつながりやすくなります。