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■先週の振り返り

先週はドル建て金(XAUUSD)とNY原油(OILUS)を扱いましたので、その後の動きを見ておきましょう。

(1)ドル建て金(XAUUSD)

市場を取り囲む材料としては株式市場の動向も考えながら「景気悪化を懸念してのリスクオフによるドル売りが本流であるとするならば、ドル建て金も金買いに動く可能性」を見ていました。またテクニカルには短期的な高値も安値も見た後と考えられるものの上昇N波動によるエクスパンションを考え「1550ドル〜1660ドルを中心としたレンジ」を考えました。

その後の動きを見ると実際に上昇N波動を描きながら上昇し、この一週間のレンジは1564.45〜1673.16ドルと想定したレンジよりは強い地合いではあったものの、ほぼ想定した動きになったと見てよいでしょう。

ここからは、3月高値の1703.14ドルを視野に入れつつも直近では妙に底堅い各国の株価指数がこのままリスクオンの動きとなるのかどうか、そうなると金価格は高値をトライしきれずに反落する可能性が高いのではないかと見る参加者が増えてきそうです。

(2)NY原油(OILUS)

原油市場は新型コロナウイルスによる需要減少に、協調減産終了による供給増大のダブルパンチで3月30日には20ドルの大台割れまで見ることとなりました。米国のシェールオイル企業の破綻も発生し「急落前の水準に戻らない限り米国のシェールオイル企業は採算が取れない」こと、しかしその水準は「OPECによる協調減産が再開しない限り難しい」ことを指摘しました。

おそらくトランプ大統領も動いたと考えられますが、サウジアラビアとロシアを中心に大規模な協調減産がOPECプラスで協議されることとなり、本日その話し合いがもたれることとなっています。ここで一定量の減産にたどり着ければ急落前の水準へと戻る流れも出てきそうです。

ただ、世界的に人と物の移動の制限が続いていることから原油の需要が戻るにはまだまだ時間がかかるでしょうから、思惑だけでは価格は上がらないということも事実です。原油価格の安定には感染者拡大が収まり、経済活動再開の見通しも必要です。

■今週の注目銘柄

今週はランド円(ZARJPY)とFT100(UK100.i)を取り上げます。

(1)ランド円(ZARJPY)

ランドは対円だけでなく対ドルでも市場最安値を更新と大きく下げる事態となりましたが、これは先々週のムーディーズによる南アフリカの格付け引き下げによるものです。ムーディーズが格付けを引き下げたことで、主要格付け会社の南アフリカに対する格付けは全て投資不適格(ジャンク)となりました。

このジャンク入りはソブリン(国債)市場への影響がとても大きいものです。ソブリンのベンチマークとも言える指数に「シティ世界国債インデックス」がありますが、同指数は国際分散投資のベンチマークとして広く使われ、日本でも上場インデックスファンドとしてメジャーなものとなっています。

そしてこの指数に採用される条件に、方針の一貫性、7年以上の残存期間、市場規模が500億ドル以上、残存金が一定額以上、「S&Pとムーディーズの格付けがジャンクでないこと」とあります。最後の条件から外れたことでインデックスから外されることとなりました。しかも市場規模の一定金額は海外投資家が保有していたこととなりますので、保有ポジションの巻き返しでランド売りは今後も継続しやすいいと考えるべきだと思います。

すでに市場最安値を更新したあとですから、テクニカルには月足を見て中長期の展開を探ってみましょう。

(チャート提供:サクソバンク証券)

2016年安値6.213を3月に割り込み、4月には市場最安値を5.307まで更新して、いまはいったん買い戻しが入り6円の大台に近いところでの推移となっています。大きく動いた後ということもあって、様子見姿勢が強まっていますが、ムーディーズからの格付け引き下げの理由にもあった通り、南アフリカにおける感染者拡大は今後の同国経済に与える影響は大きいと言わざるを得ません。

つまり、ここから買い戻しが入ったとしてもかつての史上最安値6.213が今後はレジスタンスとなってくると見たほうがよいです。いっぽうで下値は大台の5円、そしてフィボナッチエクスパンションで求めるターゲットとしては2014年高値を起点とした逆N波動の100%ターゲットとなる4.683があります。

後者は長期的な、前者は中期的なターゲットとして考えておきたい水準であると考えています。

(2)FT100(UK100.i)

FT100(UK100.i)は英国を代表する株価指数です。基本的に世界の腫瘍株価指数は似通った動きをしますが、直近のFT100もコロナショックで大きく崩れることとなりました。NYダウは2月の史上最高値から急落した動きですが、FT100は2020年末のブレグジット移行期間終了(*)までに、EUとの協議が終わらないのではといった懸念もあって、高値は2018年5月につけ、それ以降は高値を切り下げる動きとなっていました。
(*今回の感染者拡大もあり延長されると考えられます)

また今回の急落前の目立った安値である2016年安値との比較では、NYダウ、DAX、日経平均と他の腫瘍株価指数が2016年安値よりも上での推移となっていることに対して、FT100は2016年安値を大きく下回り2011年以来の安値となっていることも、他の国に比べて一層弱い状況であることを示しているといってよいでしょう。

英国はブレグジットによってかなりの企業がロンドンから欧州へと本店機能を移転する動きにつながりましたが、今後もブレグジットによる負の面が気になる中での今回のコロナショックです。英中銀も英国政府も他国同様に緩和と景気刺激策に動いてはいるものの、やはりその後に控えているブレグジットが重石になっている考えられます。そして、北海原油の産油国としての英国という面もありますので、原油安も英国の株価に悪影響を与えたと言えます。

FT100も長期的な見通しを考えるため月足チャートを見てみます。

(チャート提供:サクソバンク証券)

水平線2本のうち、上は2011年安値、下はリーマンショック後の安値です。2011年安値は既に到達したに等しいですから、今後長期的に英国の凋落が起きると考えるならば下のリーマンショック後の安値3456.51も年単位では考えておかなくては行けないでしょう。

ただ、短期的にはいったん安値を見たと考えられますし、産油国として本日のOPECプラスの結果次第ではいったん買い戻しが入る可能性もありそうです。その場合、急落前の高値と安値の38.2%戻しとなる5902.97、大台6000が視野に入ってきそうです。

■来週の注目イベント

本日は米国の債券取引も短縮取引となり明日はグッドフライデー、月曜はイースターマンデーと欧州を中心にイースター連休入りとなります。欧米では宗教面ではキリスト教が中心に回っていますので、12月のクリスマスと春のイースターはどちらも一大イベントで基本的に市場は動きが鈍くなります。

クリスマスはイメージが湧きやすいと思いますが、イースターも金融市場的には春のクリスマスといった印象で、何も無ければ動かない、ただし参加者が少なく流動性が低下するためニュースが出てくると荒れやすいといったことになりやすく、このあたりもクリスマスの金融市場と似ています。

いまは世界的にコロナウイルスの感染拡大が収まらず、依然として景気減速懸念は拡大中ですがFRBを中心とした各国中銀の協調緩和と流動性のコミット、また各国政府が協調しての大規模な景気刺激対策表明と金融市場自体は既に落ち着きを取り戻し、経済指標の予想からのブレ程度では影響が出にくいことは先週の米国雇用統計でも見たとおりです。

来週も細かな経済指標は続きますが、方向性を変えるようなものとはならないでしょう。まずは本日のOPECプラスの協議が最大の注目点、そして週末を挟んで金融市場は薄くなりますので、資金管理(注文、ポジション)はいつも以上にきっちりとしておきたいものです。