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■先週の振り返り

先週はランド円(ZARJPY)とFT100(UK100.i)を扱いましたので、その後の動きを見ておきましょう。

(1)ランド円(ZARJPY)

ランド円はムーディーズの格付け引き下げでジャンク(投資不適格)となったことから、ソブリンのベンチマークであるシティ世界国債インデックスから外れ、今後も南アフリカから資金流出が続く恐れがあることは先週書いたとおりです。

そして今週火曜には、南ア中銀が5月に予定されていた会合を前倒しで実施し、1.0%の緊急利下げを行ったことから政策金利が4.25%となりました。南アフリカでは本日までの外出禁止を2週間延長し、世界的な景気減速の中で更に苦境に陥っていますが、そうした南ア経済の状況を受けての利下げとなります。

ランド円は4月6日に史上最安値をつけたあとはいったん戻していましたが、利下げによる金利差縮小で改めて上値が重たい地合いとなってきました。先週示したターゲットは中長期の水準ではありますが、時間をかけて大台の5円を試しに行く可能性は引き続き高いと考えざるをえません。

(2)FT100(UK100.i)

FT100は他の株価指数同様に3月下旬以降は底堅い動きを続けています。テクニカルにも短期的な安値をつけ、急落前の高値と安値の38.2%戻しとなる5902.97、大台6000が視野に入る展開であることを書きました。

その後もFT100はじり高となり、14日にはこの流れでの高値となる5944.67をつけましたが、この水準は上記のターゲットとほぼ重なり、いったん戻り高値をつけた可能性がでてきました。

他の主要株価指数の影響も受けますが、OPECプラスとG20による原油の協調減産が需要減少の半分にあたることから依然として原油安の動きが継続しやすく、北海原油の産油国としての面も持つ英国にとっては好材料とはならなかったことも影響しています。NYダウも調整の売りが出ていますし、次の動きとしては戻り高値からの売り直しという可能性が最も高そうに見える状況です。

■今週の注目銘柄

今週はどちらもFXから、ユーロドル(EURUSD)とトルコリラ円(TRYJPY)を取り上げます。

(1)ユーロドル(EURUSD)

ユーロドルは3月のレンジが1.06353〜1.14942と850pips以上にも達し、当面の上下を見てしまった感が強いのですが、その後は高値を切り下げ安値も切り上げと三角もちあいを形成し、4月21日にはApex(三角形の頂点)に達します。

通常、こうした三角もちあいではApexの手前で、つまり今週中にどちらかに抜けるとその方向へ走りやすく、Apexまでもちあいを持ち越した場合には更なる横ばいへとなだれ込む可能性が高いチャートパターンです。

(チャート提供:サクソバンク証券)

つまり現時点ではどちらに抜けるかの予断をもつことは好ましくは無いのですが、いま欧州が抱える材料を考えると積極的にユーロを買いたいという地合いでもありません。

新型コロナウイルスの感染者は、WHOの発表によると14日時点で全世界(*)で184.5万人、そのうち欧州地域が94.3万人となっていて、過半数は欧州地域での感染者であることがわかります。(*本日午前4時時点の速報では全世界で202.4万人)

今回のコロナショック前の段階でも欧州経済は弱さが目立っていたところに、今回のコロナショックで最も影響が大きかったのも欧州となったことで、米国に比べても景気回復が遅れるのではないかという懸念があります。つまり、目先がどうというよりも中長期的な視点でユーロドルという組み合わせを考えると、どうもユーロの下げのリスクのほうが高いのではないかという見方はできるでしょう。

テクニカルには、短期的に抜けた方向についていくべきですが、下抜けの場合は素直に追随、いっぽうで上抜けの場合は3月末の戻り高値を抜けるとは考えにくく、1.11台前半での戻り売りを考えています。

(2)トルコリラ円(TRYJPY)

トルコリラは上値の重たい動きが続いていますが、今回のコロナショックでトルコもまた大きな影響を受けています。感染者数は上述の通りで地域としては圧倒的に欧州地域となりますが、国別では米国を筆頭に欧州5か国(スペイン、イタリア、ドイツ、フランス、英国)が続き、その後が中国、イラン、トルコとワースト10入りとなっています。

トルコでは外出禁止令の対象を年齢を区切って、当初は65歳以上のみ、その後は20歳以下も追加と、外野で見ていても効果が疑わしい制限でしたが、感染者増加を受け先週末は主要都市で48時間の外出禁止を直前に出したことで混乱し、逆に商店に殺到した市民に感染が広がるリスク急増という失態をやらかしました。

内務相が責任を取って辞意、エルドアン大統領は慰留ということとなり、どうもこのあたりは出来レースっぽい印象でしたが、今週末以降も週末の外出禁止は継続となりトルコにおいてはまさに感染者拡大が現在進行形という状況です。新興国通貨全般に上値が重たい展開とはなっていますが、トルコリラ円も例外ではなく1〜3月期日には安値を15.285まで広げ、2018年の市場最安値14.624を目指す動きになってきました。

テクニカルには週足チャートをご覧ください。

(チャート提供:サクソバンク証券)

2018年の史上最安値から2018年11月末までは買い戻しが出ましたが、その後は着実に上値を切り下げ、たまにフラッシュ・クラッシュも挟みながらチャート内に示した下降チャンネルの中での下げの動きを継続していることがわかります。

そして史上最安値には水平線を引いてありますが、この水平線と、下降チャンネルが5月上旬にぶつかります。5月上旬まで安値更新がもつというよりは、その前で下抜ける可能性のほうが高そうですから、現状ではまだ他の新興国通貨に比べて健闘しているトルコリラ円ではありますが、今後1か月程度の史上最安値更新に気をつけたいところです。

■来週の注目イベント

今週は経済指標では特に目立ったものがありませんでしたが、明日金曜には中国の1〜3月期GDP、来週はユーロ圏の4月消費者信頼感速報値をはじめ4月に入ってからの経済指標が連日出てくることとなります。悪い結果となって当然という面はあるものの、現在の金融市場の動きはやや先走ってコロナ後のV字回復を期待しすぎている感が強いように思えます。

明るい話題が無いとやってられないという気持ちや、感染者拡大が無くなれば景気が回復することもわかりますが、足元の実体経済の状況や1〜3月期の企業業績発表を見ずに期待ばかり先行させていると、どこかでハシゴを外されるのではないかという気もしてきます。

個人的に気になるのはドル建て金価格の上昇です。ここ2年ほど金価格の上昇がリスクオフの前兆となるケースがしばしば見受けられ、今週に入ってからの金価格上昇もひょっとしたらという嫌な予感もしてきます。来週から4月末あたりまでの株式市場の動きは注意して見ておくべきかと思います。