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■先週の振り返り

先週はユーロドル(EURUSD)とトルコリラ円(TRYJPY)を扱いましたので、その後の動きを見ておきましょう。

(1)ユーロドル(EURUSD)

ユーロドルは、この一週間は比較的静かな動きに留まりましたが、これまで何度かトライして抜けられなかった1.0815レベルを昨日のNY市場で下抜けたことから、三角もちあいを下抜けテクニカルには上値の重たい展開となってきそうです。

材料的には当然のように悪い経済指標が出ていますし、新型コロナウイルスの状況もドイツのように中規模店舗までの営業再開を予定しているかと思えば、スペインはロックダウンを延長といまだ欧州全体で見た場合には5月中旬頃まで安心は出来ないといった印象が強いと思います。

また最近は株価と円相場が従来のようにリスクオンで円安、リスクオフで円高に連動しやすくなっていますが、直近ではユーロ円でもドル円と連動しやすくなっていることもあり、ユーロドルにはドルを見ても円を見ても下方向へのバイアスがかかりやすいという地合いにあります。短期的にはもう一段のユーロ安をみやすいと考えていたほうが良さそうです。

(2)トルコリラ円(TRYJPY)

トルコリラ円は、先週書いたとおりですが感染者拡大阻止にあたっての外出制限に失敗したと言ってもよく、ついに感染者は9万人超えとなりました。こうした事態を受け、エルドアン大統領は20日に全国31都市におけるロックダウンを23〜26日に実施することを発表。一段の景気悪化懸念から一段安の動きとなりました。

ストップ一巡の動きもあってその後は比較的落ち着いた動きとはなっているものの、昨日のトルコ中銀会合では予想よりも大きい1.0%の利下げを行い、政策金利を8.75%としましたが、特に目立った動きにはなっていません。しかし、長期的にはトルコからの資金流出につながりますので、トルコリラ安のトレンドは今後も続きやすいと考えざるを得ないでしょう。

■今週の注目銘柄

今週はNYダウ(US30.I)とユーロ建て金(XAUEUR)を取り上げます。

(1)NYダウ(US30.I)

NYダウは米国主要企業の決算発表が続いていますが、新型コロナウイルスの影響もあって多くの企業において業績が低迷しているのはある意味当然と言えます。問題は現在の株価が実体経済に見合った水準なのかどうかというところですが、個人的には株式市場では超金融緩和状況の中で、いまの経済ではなくコロナショック後の期待に向け買いが入っているとしか思えないような動きをしています。まず、日足チャートをご覧ください。

(チャート提供:サクソバンク証券)

年初来安値以降、安値高値とも着実に切り上げる動きとなっていて、3月下旬以降はチャート内に示した上昇ウェッジ内での動きを続けています。しかし、金融政策も今後の景気刺激策も出せるものはすべて出してきているとはいうものの、先週になってようやく外出制限緩和の新たな指針作りに動き始めたばかりです。実際の景気回復に向けての動きが出てくるには、少なくとも人と物の移動がある程度以前の状態に近づく必要があるはずです。

果たしてそれがいつなのかということは明確にはわからないものの今では無いことは確かですし、おそらくは5月中旬以降にようやく動きが再開し、経済活動が再開し始めたと言えるのは更にそこから数ヶ月かかるのではないかということです。それまでに実体経済が悪いことを示す経済指標が出てくるでしょうし、新たな破綻といったニュースも出てくるかもしれません。

テクニカルには史上最高値と年初来安値の半値近辺で上昇が鈍ってきたことを考えると、次は安値と戻り高値との38.2%押しに当たる22000ドル水準への調整は見ておいたほうが良いのではないかというのが個人的な見方です。また米国においてもコロナ特需が発生している企業(ネット関連)がありますので、個別の株を買って指数を売るというのも十分ありかと思います。

(2)ユーロ建て金(XAUEUR)

なかなかニッチな組み合わせに思えますが、世界的にはドル建て金が一般的ないっぽうで日本国内では円建て金が一般的なわけですから、欧州勢にとってはユーロ建て金はごく一般的な組み合わせと言えます。

また、為替のユーロドルとドル建て金は元々は似たような動きをすることが多く、金が上昇(ドルが下落)する時にはユーロも上昇とドルに対しての動きという見方も出来たのですが、今回のコロナショックで欧州の感染者が急増する動きの中で、ユーロは上値を切り下げ、しかも上述の通りユーロが一段安の懸念が出ている中、金価格は依然として強い地合いを保っています。

ユーロ建て金はそうなるとかなり強い動きになっているであろうという予想がつくと思いますが、以下の日足チャートを見てわかる通りかなり強い上昇相場となっていて、現状は青いラインで示した上昇ウェッジの中での動きになっていると言えるでしょう。

(チャート提供:サクソバンク証券)

ユーロ建て金の場合、先週高値が史上最高値(1597.06)となりますので、テクニカルなターゲットは、まずは近いところで大台1600、さらにはフィボナッチ・エクスパンションによるごく短期的なターゲットを3月安値を起点とした上昇N波動から求めると1622.68(100%)、1678.54(127.2%)という水準が出てきます。

今回の上昇トレンドは1600ユーロ、そして1600台半ばといった水準を目指す動きになっていると見て良いでしょう。なお、個人的にはNY株式市場で調整が入りやすいのと同様にややリスクオフ方向への動きが先行すると考えていますので、金価格も一段の上昇があるのではないかという、従来型のリスクオフ相場を想定しています。

■来週の注目イベント

今週はイベントというよりも、直近の原油について一言書いておきたいと思います。

NY原油はまさかのマイナス価格となりました。これは、需要が減少しているところに供給は続き、全米の原油貯蔵庫が満杯に近づく中、NY原油の貯蔵庫は一足先に満杯ということから買い手は投げざるを得ない状況になったことが直接の原因です。

しかも納会前日で翌日からは6月が中心限月となることもあって、買いポジションをロールする動きが5月安+6月高の動きとしましたが、その後の6月限の動きを見ると再び下げが強まっているという状況です。これは6月の納会まででも需要は回復しないという見方によりますが、そうであるならば当然実体経済の回復には時間がかかるということです。NYダウでの調整を考える理由には、こうした実需が強い影響を与える商品市場の動きも気になるということがあります。

株価指数やFXと異なり、商品市場には納会日までに反対売買を行わない場合に現受け・現渡しという現物決済が伴います。金ならば自宅で保管もできますが、原油や農産物ではそうもいきません。当業者(実需関連業者)ではない投資家は、そのこともよく考えなくてはならないということを思い出させた事件と言えます。

実は16年前の日本の商品先物市場でも似たようなことがありました。今は無いじゃがいも先物ですが、納会前日に2359円だった価格が納会日には65円でした。さすがにマイナスではありませんでしたが、商品では上げも下げも時にとんでもない動きを見せることがあるものです。