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SaxoTraderPRO概要

■先週の振り返り

先週はドル円(USDJPY)とポンド円(GBPJPY)を扱いましたので、その後の動きを見ておきましょう。

(1)ドル円(USDJPY)

ドル円は、ドル資金逼迫による為替市場でドル買いが解消され、欧米に比べ感染者が落ち着いていることから消去法的な円買いが見られること、またコロナ後にも簡単に引き締めには転換できず、ドル余り状態になる懸念が特にドル円で見られている印象です。

テクニカルには、下降チャンネルの中での動きになってきたことから、次のターゲットとしては105円台前半を目指す可能性が高いことを指摘しました。ドル円は今週に入ってからじりじりと安値を拡大し、昨日のNY市場では一時105円台に入り込みましたが、過熱感はありません。早晩ターゲットとなる105円台前半を見ることになるでしょう。

(2)ポンド円(GBPJPY)

ポンド円は、3月安値とその後の戻し高値以後の動きが鈍く、半値戻しをやや超えた程度の水準で上値を抑えられたこと、材料的にも景気悪化懸念とコロナ後のブレグジット移行期間中の問題が山積となることから、売り材料になっていると見て良い旨を示しました。

またテクニカルには、131.80レベルを割り込む時には130円の大台を試しやすいというイメージとしましたが、この一週間で既に130円台後半まで水準を下げてきています。ドイツ連邦裁によるECBの緩和策一部違憲の判断でユーロが下げていますが、欧州通貨全般に売りが継続しやすい流れは変わらず、130円の大台トライは必至と見ています。

■今週の注目銘柄

今週はランド円(ZARJPY)と日経平均(JP225.I)を取り上げます。

(1)ランド円(ZARJPY)

ランド円は、南アフリカにおける新型コロナウイルスの感染者拡大がダメ押しとなりましたが、3月27日のムーディーズによる格付け引き下げによるジャンク債となった影響は今でも続いていると考えることができます。

ムーディーズの発表翌日(週明け)には最安値を更新し、4月6日には年初来安値をつけていますが、その後も戻りは鈍く安値圏でのもみあいに終止しています。最大の貿易相手国である中国は既に人と物の移動が再開していますが、格付け引き下げによりコンスタントに南アフリカから資金が流出を続けていることや、同国経済自体の回復に時間がかかり、先行きの見通しも明るくないということがランドの重石となっています。

また、今はリスクオフの嵐は過ぎ去り安定した動きとなっているものの、先進国の株価はコロナ後を見据えた期待で底上げされている面が大きく、いまだ実体経済の数字がまったくついてこない状況下ではヘッジの対象としてリスクが大きい新興国資産を売る動きが出やすい地合いです。当然、為替市場においては新興国通貨の売りが出やすくなりますし、先週のトランプ大統領による対中制裁を示唆した発言もランドにとっては悪材料となります。

テクニカルにはどうでしょうか。すでに市場最安値をつけ、安値圏でのもみあいとなっていますので、ここでは月足で長期的なターゲットを見てみます。また、チャート表示に使う価格は急落時にビッド側が拡大する傾向が強いため、ここではアスクの価格を使用しました。これは、チャート設定(歯車アイコン)の表示価格で変更が可能です。

(チャート提供:サクソバンク証券)

2014年の戻り高値を起点に、2016年安値までの下げ、その後の2018年戻り高値を3点とする逆N波動を考えます。すると、フィボナッチ・エクスパンションで求める100%エクスパンションのターゲットが4.999と大台の5円と一致していることがわかります。

長期的には大台5円をターゲットとしながらも、その手前の節目として現在は5.5円を視野に入れる下げ相場が継続しているという見方をしています。ランド円に限らずですが、新興国通貨の買い場はまだ見えてこないというのが冷静な見方ではないかと思います。

(2)日経平均(JP225.I)

日経平均株価は2月下旬から3月中旬にかけての急落で目先の安値をつけ、短期的には戻り高値もまた見た後という状況です。急落時には実体経済の悪さを懸念したことをきっかけに下げが始まり、18000円を割り込んでからはパニック相場の様相を呈していましたが、各国中銀による超緩和策と流動性のコミット、また各国政府による大規模な景気刺激策と基本的に全てバラマキ政策ですが、これらを好感しまたコロナ後のV字回復を期待しての買い戻しが底堅い動きにしてきました。

しかし、実体経済を表す経済指標は何一つ改善していませんし、いまだ悪化の途中にあると言っても過言ではないでしょう。そして欧州も米国もこれ以上の景気悪化を避けたいことは感染者数拡大のペースが鈍ってきていることから、人の移動に対して規制緩和の動きが出ています。

今更あなたには言われたくありませんという空気が濃厚ですが、WHOが緩和による新たな感染拡大を懸念していて、この点についてはある程度正しいと思えますし、もし再び感染が拡大するようだと2020年中の景気回復はのぞみ薄ということになりかねません。先日のバフェット氏が年次総会で今後の投資対象について言及した際にも、元に戻るには数年の時間が必要とエアライン株は全て売却したという事実は世界の投資家に驚きを与えました。

話を戻して日本株ですが、今回のコロナショックで企業収益にもっともダメージが大きかったのが日本、次に欧州という結果になっており、感染者急増で大騒ぎになった欧州(71%減)以上に日本の企業収益が減少(78%減)という日経の記事も日本株の戻り高値を実感させる記事となり、目先は戻り高値をつけた後どこまで下げるのかを見極めたいという段階にあります。

日足チャートをご覧ください。

(チャート提供:サクソバンク証券)

現状は青のラインで示した上昇ウェッジの中での動きと言って良さそうですが、下側のサポートにかなり近く、ここを抜けてくると下げが加速しやすいチャートとなっています。

年初来安値と戻り高値とのフィボナッチ・リトレースメントを示してありますが、38.2%押しが18820.9、半値押しが18294.4なっています。調整の売りが続く場合のターゲットとしてまずは18000円台後半は考えておいたほうが良いと思いますし、再び上げに転じるのは少なくとも非常事態宣言明けの6月に入ってからという流れになる可能性が高いという見方でいたほうがよさそうです。

■来週の注目イベント

今週は水曜まで東京市場が休場となり、本日から本来ならばインターバンクの東京勢も復帰なのですが、今年は非常事態宣言下ということもあって、動きは鈍い状況です。

そして昨夜発表されたADP全国雇用者数は予想も結果も2000万人を超える減少と、これまで見たことがない数字が出てきました。予め予想されていたことから大きな反応はありませんでしたが、改めて実体経済の悪さを突きつけられ、NY株式市場は引けにかけて売りが強まる流れとなりました。

今週は明日の米国雇用統計、そして来週は月初ということで重要な経済指標の発表が続きますが、特に欧州主要国の1〜3月期GDP速報値が気になるところです。コロナ前も欧州の景気は冴えない状態でしたが、コロナショックで日本と欧州の産業界が最も影響を受け、またコロナ後も欧州は多くの問題を抱えます。

景気回復に向けて活動再開を考えるも国によって温度差がありますし、先週のドイツ連邦裁によるECBの緩和一部違憲はこの時期に悩ましい判決を下したと言えます。また英国は先週のポンド円でも書いたとおり、移行期間後を見据えた動きが果たしていつ始まるのかという状況です。

現状を見ると、円とドルが強く欧州通貨が弱いという流れが定着しそうですが、そのあたりを見極めるためにも来週の欧州の経済指標には注意したいところです。