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■先週の振り返り

先週はポンド円(GBPJPY)とナスダック100種指数(USNAS100.i)を扱いましたので、その後の動きを見ておきましょう。

(1)ポンド円(GBPJPY)

ポンド円(GBPJPY)は先週時点では英国がブレグジットの移行期間延長に柔軟な姿勢を示していることから強い地合いとなっているいっぽうで、テクニカルには年初来高値と年初来安値の61.8%戻しとほぼ一致する水準にいることから、ポンド売りの調整が入りやすとの見方を示しました。

ポンド円は翌日発表された米国雇用統計が予想よりもかなり良い数字となったことを受けドル円が109.85と110円の大台目前の水準まで円安となる動きとともに139.743まで上昇しました。しかし、週明け以降は昨夜のFOMCにおいてイールドカーブ・コントロールが導入されるのではとの思惑とともに米金利が低下しドル売り、ドル円では前週に短期筋のドル買い・円売りポジションが積み上がったこともあって大きく調整が入ることとなり、ポンド円もちょうど一週間前の水準へと押しています。

ここからはドル円の動きの影響が大きいと考えられますが、強い株式市場の動きにいつ調整が入ってもおかしくない流れでもあり、当面はポンド円だけでなくクロス円全般にドルの上値が重くなる展開となりそうです。

(2)ナスダック100種指数(USNAS100.i)

ナスダック100種指数(USNAS100.i)は先週時点でほぼ史上最高値と同水準にまで戻していて、史上最高値更新と大台10,000を見ないと終わらないという強い地合いであると同時に、企業の収益は回復していない状態で株価だけがどんどん上がってきている状況から10,000の大台示現前の調整が考えられるという見通しを示しました。

その後のナスダックは史上最高値を更新し、10,000の大台も超えと相変わらずの強さを見せていますが、NYダウは既に調整の売りが見られ昨日のFOMC後も下げる動きとなっていることから、さすがにナスダックも達成感による調整の売りが入るタイミングではないかと考えています。FOMCでイールドカーブ・コントロールは今後のテーマとされ新たな追加緩和策が示されなかったことも調整のきっかけとなりやすいと言えるでしょう。

■今週の注目銘柄

今週はドル円(USDJPY)とユーロドル(EURUSD)を取り上げます。

(1)ドル円(USDJPY)

ドル円は4月中旬以降なかなか抜けられなかった108円台前半のレジスタンス(チャート内、緑の水平線)を上抜けたことから、ストップオーダーも巻き込んで上昇し、その後は強い株式市場の動きも手伝ってクロス円全般での円売りの動きが目立ちました。

そして、先週金曜の米国雇用統計では失業率は予想が19.8%(前回14.7%)に対して13.3%、NFPに至っては予想が−800万(前回-2068.7万)に対して+250.9万と予想よりもかなり改善していたことをきっかけにドル円は一段高となり一時109.85の高値をつけました。

しかし、今週週明けの動きは大台110円をトライできなかったこと、また昨夜のFOMCでイールドカーブ・コントロールが導入されるのではとの思惑に米長期金利が反転低下を見せたことから全般的なドル売りとなり、さらにはコストの悪いドル円とクロス円の買いが投げさせられたことからFOMCを前に既に一週間で行って来いの動きとなっていました。これは冒頭に振り返ったポンド円でも同様です。

そして、FOMCではイールドカーブ・コントロールこそ見送られたものの2022年まで現状のゼロ金利政策が継続されるであろうこと、パウエル議長の客観的とも見える米景気に対していまだ警戒している発言からドル円は107円を割り込み、本日も106.896の安値をつける動きとなっています。

テクニカルにはどうか、日足チャートをご覧ください。

(チャート提供:サクソバンク証券)

本日の安値の水準は、5月安値(105.987)と先週高値(109.85)の76.4%押し(106.899)と一致していることから、いったん下げ止まりやすい水準であると同時に、ここで下げ止まらないと5月安値を再度見に行く流れにつながりやすい状況です。

現在の米国では株式市場を中心にあまりに楽観的であることはナスダックの10,000乗せの状況を見てもわかりますが、実体経済はまだ回復途上にあり、前回2月に史上最高値をつけていた時とまったく状況が異なります。

さらにミネアポリスで起きた警官による黒人暴行致死に対するデモは全米で広がり、秋のトランプ大統領再選に黄色信号が灯ることとなりました。そしてデモ参加者の間では新型コロナの感染者拡大第2波が見られることも米国に対する悪材料です。個人的には株式市場の調整からリスクオフの円高の動きにつながる流れが今後も継続しやすいと考えています。

まだ5月安値には距離がありますが、次のターゲットとしては5月安値をつけた後に押しが入った106.743、逆にこちらは既にかなり近いことを考えると、同水準で止まらなかった場合には、来週にも5月安値に接近する動きが出てくる可能性が高いと言えそうです。

(2)ユーロドル(EURUSD)

ユーロドルは5月中旬以降、わずかな押しを挟む程度でほぼ一貫してユーロ買いの動きになっています。材料としては欧州委員会が提案した新型コロナウイルスからの復興基金です。金額は7500億ユーロですが、そのうちの5000億ユーロは返済不要な補助金となることを好感しユーロ買いが続いていたのが先週までです。

そして先週はECB理事会での追加緩和を期待した動きや英国のブレグジット移行期間に対する柔軟な姿勢期待を背景にユーロは一段高となっていましたが、ECB理事会では、緊急プログラムに対して、金額を6000億ユーロ増額、期間を2021年6月まで延長、国債購入の再投資も2022年末まで続けると、市場予想を超える追加緩和策と具体的な期間を示したことからユーロは一段高となりました。

そして、直近ではFOMCにおけるイールドカーブ・コントロール思惑がさらなるユーロ高を招き、昨日FOMC後の高値は1.14226と3月につけた年初来高値1.14957を視野に入れる展開にあると言えるでしょう。今週のユーロ高はドル円の項目にも書いたとおり、ユーロ材料からドル材料によるものへと変化してきていて、そういう視点ではここ一週間の材料とも言えます。

ドル円が5月安値を見るのが先か、ユーロドルが年初来高値を見るのが先か、当面はドル安の流れが続きそうです。

テクニカルには次の日足チャートをご覧ください。

(チャート提供:サクソバンク証券)

ユーロドルは青いラインで示したトライアングル(三角もちあい)を上抜け、テクニカルにも上昇地合いを強めていたところに欧州経済回復期待とドル安思惑が重なってこの2週間で大幅上昇を見せています。そして、すでに年初来高値(ピンクの水平線)1.14957まで70pips程度となっていますので、現状は年初来高値、大きくは1.15の大台をターゲットとしたユーロ一段高を見込んだ流れが継続しやすいと考えています。

■来週の注目イベント(コラム)

先週の米国雇用統計はドル円の項目に書いたとおりですが、失業率は低下しNFPに至ってはまさかのプラスとなり、昨夜のパウエル議長の会見でも最近最も驚いた数字だと発言しました。議長は今回の数字は足元の実体経済における雇用状況を反映しきれていないのではないかという見方もしていますが、雇用統計自体1週間に一部のサンプルから計算している数字であり、現在のような異常な経済状況では良くも悪くも振れやすいのかもしれません。もう一度、来月の数字も見た上で傾向として見てみたいと考えるエコノミストは多いものと考えられます。

以下、ネタの話として惑星の動きについて触れておきます。地球から惑星の動きを見ると内惑星(水星・金星)も外惑星(火星以遠の惑星)も地球との公転速度の違いから、地球から見た場合逆に動いている見え方をします。これを逆行現象というのですが、金星は1.6年に1回の逆行が5月1〜3月期日〜6月25日にあり、この間に金融政策を変更すると後で見直す可能性が高くなり、まさにECBがその事案に当たりました。

そして水星は年に3回逆行しますが、その間は市場が振れやすくなったり、チャートポイントが効きにくくなったりします。その水星の逆行が6月18日〜7月12日に起きます。今年は珍しく両者が重なる6月18日〜25日という期間が存在するのですが、この間の金融市場には注意が必要です。ちょうど1週間後から2週間後まで、念の為に注意すべき日柄ということを頭の片隅にでも。