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■先週の振り返り

先週はドル円(USDJPY)とユーロドル(EURUSD)を取り上げましたので、その後の動きを見ておきましょう。

(1)ドル円(USDJPY)

ドル円(USDJPY)は米国の株式市場があまりに楽観的で「実体経済はまだ回復途上にあり、前回2月に史上最高値をつけていた時とまったく状況が異なる」という懸念を示しましたが、先週執筆日のNY市場では急落となったもののその後はかなり値を戻す展開となっています。

しかし、米国内での黒人暴行致死に続く黒人射殺という事件がデモを激化させ、経済活動再開とともに全米の4割の州で感染者がかなり増加、一部の州では過去最大の感染者数となるなど、引き続き悪材料も目立つ状況です。

先週示した5月安値をつけた後に押しが入った106.743は既に達成していますので、次のターゲットとして5月安値(105.987)に接近する動きが出てくる可能性は引き続き高いという見通しは変わっていません。

(2)ユーロドル(EURUSD)

ユーロドル(EURUSD)は、テクニカルにトライアングル(三角もちあい)を上抜け上昇地合いを強めていたところに、欧州経済回復期待とドル安思惑が重なって「年初来高値、大きくは1.15の大台をターゲットとしたユーロ一段高を見込んだ流れが継続しやすい」という見通しを示しました。

しかし、ドル円での円高の動きはクロス円全般でも見られ、ユーロ円が高値から大きく下げる動きとなった影響を受け、ユーロドルも連れ安となったことから、1.12台へと下押しする動きとなりました。

また英国がブレグジット移行期間の延長はしないという考えをEUに示し、ポンド安の影響がユーロに波及したという面もあり、しばらくはユーロは上下ともに方向性が出にくくなってきたものの、テクニカルには高値圏でヘッド&ショルダー状の反転パターンを形成中に見えます。今後の動き次第ですが、1.12を割り込む動きとなってくると一段安を警戒する必要が出てきそうです。

■今週の注目銘柄

今週はトルコ円(TRYJPY)と日経225CFD(JP225.I)を取り上げます。

(1)トルコ円(TRYJPY)

トルコリラ円は6月8日には16.380の高値をつけましたが、その後はジリジリと水準を下げ直近では15円台半ばへと水準を切り下げてきました。この間トルコリラに起きたこととしては、6月1日からそれまでの規制を緩和し、飲食店が通常営業に戻るといった経済活動再開期待が大きかったと言えます。その動きに円安が重なってのトルコ円上昇となりました。

またトルコでは他国よりも緩和の動きが早く、国内の旅行を認め国境の開放による海外からの旅行客受け入れなど、動きが早い面が逆に感染第二波の懸念を起こし、1日あたりの感染者増加が見られました。ほぼ同時期にNYダウが急落し、ドル円ではリスクオフの円高の動きが見られトルコリラ円は反転下落の動きになりました。

現在の15円台半ばの水準は、5月安値の水準から考えればまだ十分に高い水準ともいえますし、経済活動再開と隣り合わせの感染者増や中銀会合のたびに実施される利下げの動きが、次回6月25日にも行われるのではないかという見方もあり、そのこともトルコリラの上値を重くしやすい材料と言えます。

テクニカルにはどうか、日足チャートをご覧ください。

(チャート提供:サクソバンク証券)

現在の水準は5月安値と6月高値の38.2%押し15.650とも重なる水準です。米国との比較ではどちらが第二波の懸念が大きいのかは悩ましいものの第二波懸念、そしてトルコ中銀の利下げ思惑とドル円における上値の重さが重なっていますので、直近のターゲットとしては半値押しの15.425、動き次第では61.8%押しの15.200をターゲットとしやすい流れにあると見ています。

トルコリラに限ったことではありませんが、株式市場が今後リスクオフの動きになるようであれば、新興国通貨は主要通貨に比べて売られやすくなるということにも気を留めておきたいところです。

(2)日経225CFD(JP225.I)

日経225CFDはNYダウと似たような動きをしていますので、最初に日経225とNYダウの動きを重ねたチャートをご覧ください。

(チャート提供:サクソバンク証券)

赤・緑が日経平均のローソク足で右側のスケール、青・水色がNYダウのローソク足で左側のスケールです。こうして見ると完全にNYダウのミラー相場になっていることがわかります。

ダウの動きを振り返れば日経平均の動きを考えることとほぼ同じことになりますが、NYダウは年初来安値をつけて以降は、FRBによる大規模緩和と政府による財政出動を好感して反転上昇。その中で、コロナ特需に沸いたハイテク株を中心としたナスダックは史上最高値更新、10000ドルの大台乗せとなり、ナスダックの背中を見ながら追随してきたものの、実体経済との乖離から6月11日には1800ドルを超える史上4番目の下げとなりました。

日経平均も当然のように11日以降も下げ、年初来高値は6月8日の23305.1、その後の押しは15日の21406.4です。見やすくするため、日経平均のみの日足チャートをご覧ください。

(チャート提供:サクソバンク証券)

こうして見ると15日安値は年初来安値と高値の23.6%程度で、流れとしては依然上昇トレンドの中での短期的な小幅な押しと言えますので、年初来高値と15日安値の戻しを見ると、こちらは既に76.4%戻しも達成し、このまま高値に戻るのかあるいはもみあいで横方向の動きとなるのかを見極めている最中と言えるでしょう。

ただ、状況的には経済活動再開後の第二波が各国で懸念され、ドル円の振り返りで書いたとおり全米20州において感染者が拡大していますし、北京ではほぼ無風状態からの突然の第二波拡大で新たな部分ロックダウン実施となっています。こうした状況を考えると短期的には高値も安値も見てもみあい局面入りと見られますし、状況次第では再度押した水準を試しに行く可能性も考えたほうがよいというのが個人的な見解です。

■来週の注目イベント(コラム)

今週は本日英中銀のMPCがあり、他の中銀の追加緩和を考えると英国も追加緩和でマイナス金利を導入するのではないかという見方も増えています。コンセンサスは現状維持で次回以降の緩和見込みですが、果たして結果がどうなるのか。ブレグジット移行期間の延長がほぼ無いということが伝えられる中で新たなポンド安要因が出てくることとなるかもしれないため注目です。

来週も経済指標は連日のように出てくるのですが、主要国は4〜6月期は悪い数字が出て当たり前という状況で、客観的に悪い数字でも予想よりも良いと好材料と取るという個人的には不思議な状態が続いています。

大規模緩和というバブルにつながる金融政策は行われていますが、実体経済のことを考えると逆にこのくらいしないと復活しないということの裏返しでもあります。年初の段階と今と、いくら経済活動が再開したとは言っても、店舗の入店者を半数程度に抑えたりと明確に違う別の世の中に戻ってきているということに対して、どうも多くの市場参加者が楽観で反応しているという、多くの材料に違和感ばかりを感じてしまいます。