トルコリラやアルゼンチンペソといった新興国の通貨が暴落し、新興国通貨全体に不安の連鎖が広がっています。

南アが9月4日に発表した4-6月(第2四半期)国内総生産(GDP)統計によれば、同国経済は2四半期連続のマイナス成長となり、通貨ランドはこれを受けて急落し、新興国通貨全般を押し下げました。トルコ中央銀行は来週に会合を開く予定ですが、市場を安心させるだけの十分な対応を取れないとの懸念は消えていない状況です。フィッチ・レーティングスはトルコのGDP伸び率見通しについて今年3.8%、来年1.2%とし、これまでの予想をそれぞれ0.7ポイント、2.4ポイント引き下げました。アルゼンチン・ペソは最安値を更新。インドネシア・ルピアは、同国中銀が通貨防衛策の強化を表明しましたが、約20年ぶりの安値を付けました。

また、新興国の主要企業約800社で構成する株価指数FTSEエマージング・インデックスは2017年7月以来の低水準に落ち込みました。新興国株価指数は1月の高値からの下落率が20%を超え、一般的に弱気相場とされる領域に入りました。

春以降のドル高が一部の新興国の経済問題をさらに悪化させている傾向があります。国際決済銀行(BIS)によると、新興国のドル建て債務はこの10年で2倍以上の3兆7000億ドルに膨らみました。米国金利の上昇で、米連邦準備理事会(FRB)が金融危機以降に購入した保有債券を徐々に減らしていることがドルを支え、新興国の通貨を圧迫しています。米FRBの利上げでお金の流れが新興国から米国に向かっていることもあり、経常赤字を抱えるインドネシアは通貨の売り圧力にさらされやすい状況です。また、世界経済の減速につながりかねない貿易摩擦が再び焦点となっています。更に産油国には恩恵をもたらす原油の上昇が、多くの新興国には打撃となり、18年の新興国の経済成長率は最大で1.5%下押しされる可能性も出てきました。

インドネシア中銀は5月以降利上げを継続し、政策金利を合計1%以上引き上げました。政府は経常赤字削減のため、一部輸入関税の引き上げを決めましたが、通貨安自体が投資家心理を悪化させネガティブスパイラルに陥り、売り圧力を抑えるのは難しい状況です。5日はインドネシア当局の為替介入に下落を支えましたが、売りは株式市場に波及し、ジャカルタ総合指数は一時5%安と大幅安となりました。インドネシア市場の動きにも注目が集まります。