今週のピックアップ銘柄:銀(シルバー)

11月6日に投開票が行われた米中間選挙では、上院は共和党が多数派を維持する一方、下院は野党民主党が8年ぶりに過半数を奪還し、上下院で「ねじれ」が生じました。これにより、トランプ大統領による新たな景気刺激策の実現が困難となり、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペースが幾分抑えられるのではないかとの思惑が浮上して、金利を生まない資産である金や銀には支援材料となった模様です。

 

今回は金ではなく「銀」についてスポットをあててみたいと思います。

スポーツ界では、”シルバーコレクター”と言う言葉がありますが、それはいつも二番手を意味します。銀は金の次というイメージが一般的です。それでも、欧米での人気は根強く、宝飾品としても資産としても、その人気はプラチナとは比較にならないほど高いと言われています。トレーダーの間では、インフレ率が話題にあがると銀が金よりも先行して上昇すると言われています。それよりも、金と銀の相関性の高さは誰もが知るところです。しかし、実際にデータを解析してみると、変動率が違うため、必ずしも同じ方向と速度で動いていません。銀は銀としてトレードが成り立っていると思う反面、金と比較するとその流動性に疑問を持ってしまい、なかなかトレードしたいと思わないでしょう。私自身、銀をトレードしたのは数えるほどしかありません。しかし、長くCOTレポートを分析してくると、意外と銀は銀の魅力を感じています。

COTレポート分析:金と銀の違い

NY金先物はコマーシャルズがネットロングになると金先物市場は上昇に転じると1018日付の「需給動向と相関が語る世界」で述べました。NY銀先物市場でも似た傾向はありますが、それよりも、ファンド筋と呼ばれる大口投資家のネットロングが極端に減少した後にマーケットは反転しています。しかし、今年に入ってから、この反転が起きていません。

中国の影

銀先物市場の下げには中国が深く関わっているようです。上海総合指数(SSE)はまだまだ下降中で、全く反転する兆しがみえません。もちろん、中国の中央銀行による信用拡大にともない来年は大底をうって大きく反転すると予測させるデータもあります。しかし、米中貿易戦争が続いている限り、SSEと銀の下落を止めることはできないでしょう。

環境問題を引き起こしているトランプ政権

データ:http://www.iea-pvps.org/

近年、中国政府は環境問題を解決するために太陽光発電に力を入れてきています。他の国と比較しても中国が圧倒的にソーラーパネルの生産量が多くなっています。そこにきて、トランプ政権は中国政府に対してのソーラーパネルの輸入関税報復措置30パーセントを課したのです。銀の用途は伝統工芸品や写真のフィルムからソーラーパネルへシフトしてきています。これが銀先物価格を押し下げている一つの要因になっています。

銀のトレード戦略

6日に投開票が行われた米中間選挙では、上院は共和党が多数派を維持する一方、下院は野党民主党が8年ぶりに過半数を奪還し、上下院で「ねじれ」が生じて、トランプ大統領による新たな景気刺激策の実現が困難となります。米中貿易戦争がどこかの時点で終焉しない限り、銀先物はレンジ相場が続くため、古典的なピボットを使ったレジスタンスでの売りとサポートでの買いが有効でしょう。