日本が初めて議長国を務めた米ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が12日(日本時間13日)、2日間の討議を終え閉幕した。米中貿易摩擦の激化で世界経済失速を招くリスクがあるとの懸念を共有し、あらゆる政策手段を動員して持続可能な成長を目指すことを再確認と総括した。中国の経済対策や米国の利上げ休止により、景気が今年後半に持ち直すとの見方では一致したという。また、途上国や新興国でのインフラ整備の重要性を確認し、仮想通貨(暗号資産)を悪用したマネーロンダリングを防ぐための連携も決定した。経済のIT化に対応した新税制「デジタル課税」は合意形成に向け協議を続けることも一致した。

9日、国際通貨基金(IMF)は2019年の世界経済の成長率見通しを1月時点の3.5%から3.3%に引き下げた。本来ならG20は世界経済のリスクに一致して対応する姿勢を示し、政策面での対応を議論すると思われていた。今回の会合で最も大きなリスクだった英国のブレグジット問題は、EUが離脱期限を10月末まで再延期することを決めたことで、会議中の混乱が避けられるという結果になった。日本はG20議長国となって初の閣僚会合で結束の難しさに直面した。6月に大阪市で開く首脳会合に向け、今後は、安倍首相が今月下旬に欧米諸国を歴訪して連携を呼び掛けるとのことだ。

また、6月に福岡市で開く財務相・中央銀行総裁会議とその後の首脳会合の準備段階と位置付け、共同声明の採択は見送られた。

G20に続き、国際通貨基金(IMF)の運営方針を決める国際通貨金融委員会(IMFC)が13日に開幕した。黒田日銀総裁は必要があれば追加緩和の検討は可能との考えを示し、麻生財務相は日米貿易交渉を米国が急いでいるとは認識していないと述べた。次の危機発生に備えた融資能力の確保策を巡り、協調に背を向ける米国は増資に反対している。 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で各国は世界経済の変調に警戒感を共有し、政策総動員の構えを見せたものの、ここ暫く続いている低成長を抜け出そうと主要国は財政・金融政策のギアを上げており、さらなる政策効果は限定的とも思われる。会議では米中貿易摩擦の新たな展開もみえず、景気に不安を抱える状況は続くのかもしれない。