■SAXO TradingView

SAXO TradingViewのチャートは多くのプロダクトをチェックできること、テクニカル指標や描画ツールが豊富なことから、チャートの分析には欠かすことができないものとなっています。当レポートにおいてもTradingViewのチャートを利用しています。概要は以下のページからご覧ください。

TradingView概要

■先週の振り返り

先週は商品市場からNY原油CFD(USOIL)を、FXからトルコリラ円(TRYJPY)の2つを取り上げました。先週は原油は短期、トルコリラ円は長期的な観点での見通しを示しましたが、その後の動きをフォローしておきましょう。

(1)NY原油(USOIL)

NY原油は「短期的には7月末高値からのレジスタンスと8月安値からのサポートで構成されるトライアングル」をどちらに抜けるか、ただ抜けてもより長期のサポート、レジスタンスがあるため、基本的には様子見の段階でしたが、この1週間でトライアングルを下ヒゲで下抜け、今日は上抜けでトライ中です。こちらはまだ足が確定していないため判断保留ですが、そろそろどちらかに明確に抜ける可能性はあります。抜けずにトライアングルの頂点まで行く場合にはもみあいの横方向の動きになってしまうでしょう。

(2)トルコリラ円

トルコリラ円は「新興国通貨全般が現状では売られやすい流れ」で「かなりの資金が安全な資産に逃避}、「トルコリラも昨年安値・・年内に試す可能性は高い」という見方を示しました。その後は、安値圏からの反発となっていますが、月足等の超長期で見た場合のトルコリラ円は下げの歴史です。引き続き下値に対する警戒は怠らないほうがよいでしょう。

■今週の注目銘柄

今週は一段と不透明さを増している英国からポンド円とFTSE100を取り上げます。3日の夏休み明けの議会再開後から材料が多いのですが、ブレグジットの今後の行方はいまだはっきりとしていないことが多い状況です。

まず、ここまでの流れと今後の予定についてまとめておきます。

ジョンソン首相の欧州歴訪の際に、メルケル首相は30日以内にバックストップの代替案を作成可能と発言し、ひょっとしたら英国が妥協できる案が出てくるかもしれないという期待がありましたが、その後のジョンソン首相は「合意無き離脱の場合、離脱清算金を払う必要は無い」と発言し、28日には「9月9~12日から議会を閉会し再開は10月14日」と10月末の離脱期限を前に予想外の長期閉会を宣言しました。

この時期は例年は党大会で閉会という流れなのですが、今年は状況が異なり与野党ともに反発、その後の一部議員が保守党離党により過半数割れでの議会進行です。当然のように合意無き離脱を阻止する動議は賛成多数、ジョンソン首相の総選挙実施動議は反対多数となりましたが、メイ首相の時と同様にあくまでも英国側の論理だけで進んでいて、果たしてEUが修正案を提示するのか、離脱延期を認めるのか全くもって不透明としか言いようがありません。

もっとも良い結果としては、メルケル首相との会談で出た代替案の可能性とそれを英国議会が再開後に合意すること。逆にもっとも悪い結果は、英国の要望はすべて却下され時間切れで合意無き離脱になってしまうことです。後者はジョンソン首相としては望むところかもしれませんが、この場合の英国売りとそれに影響を受けての欧州売りには構えておく必要があるでしょう。

現時点では、材料面では何もわかりませんので、今回は純粋にテクニカルにはどうかという観点で見てみたいと思います。

(1)ポンド円

まずポンド円(GBPJPY)ですが、月足チャートをご覧ください。

ポンド円は超長期のトライアングル(紫)の中で、直近では下降チャンネル(ピンク)の中での動きとなり、今にもサポートラインをトライするのではないかという値動きになっています。もし合意無き離脱にでもなれば、このサポートは一気に下抜けするリスクがありますが、逆に修正案での合意となれば大きく反発、離脱延期でも単に先送りではあるものの、いったん買いで反応しそうというのが昨日の動きを見ていてもわかります。

ただ、ポンドの相対的な弱さを懸念してポンドクロスでポンドが売られる動きが出てくると、その余波でポンドドルのサポートを下抜けるというリスクがあることだけは気に留めておくべきだと思います。来週から英国議会は閉会となりますが、再開するまでの間に新たなニュースが出てくる可能性はありますし、再開後にはどのような展開になるのかわからないものの、動くであろうということだけは容易に想像が付きます。

こうした時にはトレンドを狙うよりもオプション市場でボラティリティのロング(動きが出るという方向のポジション)が増えてきそうですから、そうしたインターバンク市場での動きにも目を向けたいものです。気になる動きが出てきたときは、火曜と木曜のレポート内で取り上げる予定です。

(2)FTSE100

FTSE100はロンドン証券取引所に上場される銘柄から時価総額上位100銘柄で構成される英国を代表する株価指数です。株価は米国を中心として株高の動きが続いていることもありますが、為替とはまったく異なるチャートをしています。こちらも同じ期間で月足チャートをごらんください。

長期では着実な上昇トレンドを示していることがわかります。もちろん上昇チャンネルの幅が広いですから、振れが出る場合にはそれなりの動きになるのですが、ブレグジットの行方次第でこのチャンネルを下抜ける可能性もありますし、逆に良い方向でもブレグジット自体は長期的に英国にとっては良いこととは思えず、上値の目処は平行線の上側のラインを意識しておくとよさそうです。

■来週の注目イベント

最後に来週の注目イベントに触れておきます。

まず、今週末には米国雇用統計の発表がありますが、すでに完全雇用に近い状況で単月で多少上振れ下振れがあっても一時的な材料としかなりえませんし、9月FOMCでの利下げの方向が変わるようなこともありません。そうした点では、今は雇用統計よりも米国の貿易収支のほうがよほど注目すべきではないかと考えます。

そして来週12日には主要国の一連の金融政策決定会合の先陣を切ってECB理事会が開催されます。ECBも9月理事会では緩和への回帰が予想されていますが、直近では想定以上の大規模な緩和が行われる可能性も思惑として上がってきています。12日に向けて、緩和の程度の思惑がユーロを動かす要因となってきそうです。