■SAXO TradingView

SAXO TradingViewのチャートは多くのプロダクトをチェックできること、テクニカル指標や描画ツールが豊富なことから、チャートの分析には欠かすことができないものとなっています。当レポートにおいてもTradingViewのチャートを利用しています。概要は以下のページからご覧ください。

TradingView概要

■先週の振り返り

先週はWTI先物とダウ先物を取り上げました。その後の動きをフォローしておきましょう。

(1)WTI先物

WTI先物は、サウジアラビアの産油施設がイエメンのテロ組織に攻撃されたことから急騰相場の後の調整局面入りとなっていました。テクニカルには「8月安値と急騰後高値との押しを考えることとなり・・半値押しにあたる56.95ドルを目先のターゲットにする流れ」を見ていました。

その後もじり安展開をたどり、昨日はターゲットを達成し一時55.66の安値をつけ、ほぼ急騰前の水準へと押す展開を見せました。ここからですが、急騰前の水準と8月安値からのサポートラインが現状ほぼ重なっていることを考えると目先は反発しやすい流れにあると考えることができます。

(2)ダウ先物

NYダウ現物と異なり先物は23時間取引が行われているため、FXの取引をする投資家には参考にしやすいこと、また目先の動きとして「経済指標が強い数字となれば、前週高値そして史上最高値を視野に入れる流れ」が考えられるという見通しを示しました。

しかし、経済指標は決して強いものでは無く、またその後楽観的な流れに転じてきたとはいえ、先週金曜には米中通商協議で訪米していた中国代表団が予定を切り上げて帰国するという悪材料に株価が下落し、結局はそれが高値トライを諦めさせるきっかけになっています。四半期末を控え、高値トライは10月以降に持ち越しといった流れとなりました。

■今週の注目銘柄

今週は先週NY後場の中国代表団早期帰国のニュースにも関わらず週初は思いの外底堅い展開となっていましたが、翌日には弱い米国の経済指標に反応し、一時106円台を示現する動きとなりました。9月の戻り高値108.478が目先の高値となってきたと考えられます。

また火曜にはジョンソン英国首相の議会閉会を英国最高裁が違法と判断したことから、昨日から英国議会が再開しました。これまで英国側の判断材料が無くEU側からの代替案の可能性のみが判断材料となっていましたが、これで英国側の動きも改めて判断材料となります。

今週は、ドル円とポンド円についてテクニカルな観点を中心に見ていきましょう。

(1)ドル円(USDJPY)

まずドル円ですが、以下の日足チャートをご覧ください。

大きくは年初来高値112.398から高値を切り下げる展開となっています。同高値と9月高値を結んだレジスタンスライン(ピンク)を引いてありますが、当面はこのラインよりも下での推移が続くという見方をしています。

また安値も8月安値(=年初来安値)の104.463でいったん見たと言えるのですが、安値から先週高値まで4円近くのドル上昇が比較的短期間に起きています。8月1ヶ月かけてチャートパターンが反転パターンを形成し、そのネックライン(青緑の水平線)をうわ抜けたことでテクニカルに上昇に弾みがつきました。

また、8月安値と9月高値のフィボナッチ・リトレースメントを表示してありますが、今週安値はこのネックラインで止められたことがわかります。抜けたレジスタンスはサポートと、こちらも定石通りというチャートとなっていますが、10月からは日本では消費増税がありますし、米中通商協議もブレグジットも現時点では不透明な材料で、悪材料が出てきたときには株価とともにリスクオフに反応しやすいと言えます。

そうした観点でチャートを見ると8月安値と9月高値の半値押しにあたる106.458をターゲット兼サポートに、レジスタンスは最初に示したレジスタンスラインであるという見方でよいでしょう。

(2)ポンド円(GBPJPY)

ポンド円ですが、EU側からバックストップ条項を削除した代替案が出てくる可能性が示され、9月に入ってからポンド円は買い戻しが目立っていました。しかし、当事者でもあるアイルランド外相が英国の提案を理不尽と述べ、EU内にもここに来て英国寄りの代替案を示すことに対して否定的な見方も出ています。EUは全会一致が基本ですから、果たして10月のEUサミットまでに代替案を出てくるのか、現時点ではまだなんとも言えません。

そこに今週に入って英国最高裁の判断で議会閉会が違法と判断されたことで、昨日から議会が再開、議会からの声は今までと変わらず、さらにジョンソン首相に対して辞任要求等、最大の当事者である英国は何も変わっていないという印象を与え、当然のようにポンド売りの材料とされました。

今後EUから代替案が出てくれば10月末に合意ある離脱となりポンド買い、出ない場合に離脱延期があればごく短期的にはポンド買いでしょうが、長期的には代替案の期待ができないということで、合意無き離脱と同じ効果と考えたほうがよいと思います。現状、これら3案の可能性がどれもありうるというところです。

テクニカルにはどうか日足チャートをご覧ください。

長らく続いたポンドの下降トレンドが8月1ヶ月で反転パターンを形成、ネックラインを上抜けて上昇に転じたというところはドル円と似ています。また目先は下押し優勢ですから、9月安値と9月高値の半値押しにあたる131.217をターゲットとしているという見方でよいでしょう。

今後、代替案が出てくるかどうかを見極めながら短期的にはポンドは上がっても下がっても売られやすい地合いとなっています。

■来週の注目イベント

来週は月末月初の週となりますが、日本では半期末になりますが期末スポットとなる本日から来週月曜仲値までは期末要因の値動きが出てくる可能性があります。

また月初ということで金曜には米国雇用統計が発表されます。既に完全雇用に近い状況で多少の数字の上下はその時だけの影響で、大勢には影響が出にくくなってきていますが、どちらかといえば悪い数字が出たときにより反応しやすくなります。水曜のADP全国雇用者数から始まる一連の米国雇用関連指標の動きがどうなるか、個人的にはあまり注目していないのですが、本邦市場参加者には注目されているので、念の為注意しておきましょう。

ちなみに、米国雇用統計と同じ時間に米国貿易収支の発表もあります。米中通商協議が継続中である現状、個人的にはもっとも気にすべき米国経済指標のひとつであると考えています。