■SAXO TradingView

SAXO TradingViewのチャートは多くのプロダクトをチェックできること、テクニカル指標や描画ツールが豊富なことから、チャートの分析には欠かすことができないものとなっています。当レポートにおいてもTradingViewのチャートを利用しています。概要は以下のページからご覧ください。

TradingView概要

■先週の振り返り

先週はランド円(ZARJPY)とNYダウ(シカゴGLOBEX)を取り上げました。その後の動きを見ておきましょう。

(1)ランド円(ZARJPY)

先週執筆時のランド円は翌日にムーディーズの格付け見直しを控え、また前日に中期財政計画で国営企業への支援が今後の南アフリカ財政への悪影響を改めて感じさせる内容となり、ランド円は上値の重たい流れとなっていました。テクニカルにも「10月安値と10月高値の78.6%押しとなる7.095がサポートライン」であり、7.10レベルを試しに行く可能性が高いという見方を示しました。

ムーディーズの格付け見直しは、格付けこそ現状維持となったものの見通しはネガティブと次回(来年3月頃)の見直しへと首の皮一枚でつながったこととなります。市場は胸をなでおろしたという感じだったのでしょう、安値7.122で折り返し南ア最大の貿易相手国である中国にとっての好材料、米中通商協議進展思惑も重なり7.416まで上昇後にやや下げている現状です。

来年の見直しまでに南アの財政状況、そして経済状況が改善しているかどうか、問題の先送りとなっているに過ぎないことを考えると、またどこかで懸念が出やすい通貨ペアであることに変わりは無いと言えるでしょう。

(2)NYダウ(シカゴGLOBEX)

史上最高値を更新しているS&P500とは対象的に「上がりきらないダウの動きのほうが正しいように思えます」と書きましたが、その後ダウのほうがS&Pに追随し、今週に入って米国主要株価指数は3指数とも史上最高値を更新する動きとなりました。

米国景気がそれほど悪化していない中での利下げ、米中通商協議進展思惑と株式市場は好材料しか見ていないとは思いますが、昨夜のNY市場で米中協議合意署名が12月にずれ込むというヘッドラインが出てきました。過去の経緯を見ると土壇場での決裂ということを繰り返していますし、最高値更新で達成感も出ていますので、あらためて高値警戒感が出やすい流れになってきたのではないかと見ています。

■今週の注目銘柄

今週はトルコリラ円(TRYJPY)とWTI(NY原油CFD)を見ていきます。

(1)トルコリラ円(TRYJPY)

トルコリラ円ですが、今週は注目指標であるCPIが4日に発表されました。前月時点で9.26%と順調にインフレ率が低下してきた流れの中で、今回は年率で8.60%とさらなる低下が予想されていましたが、予想を若干下回る8.55%の結果となりました。

トルコのインフレ率は昨年から今年にかけての時期を除くと過去10年間ほぼ5〜10%の間での上下となってきたことを考えると、インフレ退治の目標は達成したと考えられますし、これはエルドアン大統領に批判され更迭された前中銀総裁の高金利政策が功を奏したと考えてよいでしょう。そして現状では、政策金利もインフレ率に沿って下げてきて10月の会合では14.0%となりました。

6月まで24.0%だったことを考えると、その後の3回の会合で計10.0%もの利下げをしたこととなりますが、12月の中銀の会合ではおそらくもう一段の利下げが行われる可能性が高いと考えられます。追加で1〜2%の利下げが考えられ、当然トルコリラと円との金利差縮小にも繋がりますが、ここまでの利下げは景気減速ではなくインフレが収まったことによる利下げですから、悪材料にはなりません。

少なくとも金融政策は悪材料と考える必要はありませんし、ポジティブな利下げと見てよいです。今後は対外的な面で米国議会によるトルコへの制裁といった特に米国との関係悪化の有無が焦点になってきそうです。シリア問題は現時点では落ち着いていますが、常に悪材料となりうる点には注意が必要で、材料的にはトルコを取り囲む材料は中立と見てよいでしょう。

テクニカルにはどうでしょうか。日足チャートをご覧ください。

8月のフラッシュ・クラッシュ安値翌日を起点としたサポートラインと7月高値からのレジスタンスラインとで構成されるトライアングル(三角もちあい)を形成中で、これら両ラインを抜けるまではもみあいを継続しやすいと考えられます。

対米関係の悪化といった悪材料が出てこなければ、下がったところは買いというスタンスでよいと見ていますので、10月安値とその後の高値のフィボナッチ・リトレースメントで考え、38.2%押しの18.752から半値押しの18.643にかけては、いったん下げ止まる可能性が高く、押し目買いの水準と見てもよさそうです。

(2)WTI(NY原油CFD)

サクソバンク証券では”SAXOTraderPRO”でWTIのCFD取引が可能です。コモディティの世界では、金と原油は取引量も注目度も高い商品となりますので、FX、株価指数、代表的なコモディティと取引の範囲を広げることで、相場の見方も取引手法も幅が広がることは間違いありません。

さてWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエット)原油は、米国産の原油で中東原油、北海ブレント原油と並んで世界の3大原油価格指標となっています。ちなみに2018年時点で米国の産油量はサウジアラビアを抜き世界第1位の産油量を誇ります。3位がロシアで、米国、サウジ、ロシアが現在の世界3大産油国です。

現状はWTIはあまり方向感が無く長期的にもみあいの様相を呈しています。ここでは週足チャートを見てここ最近の値動きを見てみましょう。

レジスタンスは2018年10月高値から、サポートは2018年12月安値から、それぞれ高値を切り下げ、安値を切り上げる展開となっています。直近では9月高値と10月安値の中で、まさに半値57.01ドルに今週は取引水準があり、今しばらくはもみあい継続、どちらかに抜けてくると動きが出てくる可能性があるという状況となっています。

まだ動きは出ていないものの、テクニカルにはどちらかに抜けた方向に弾みがつきやすいため、原油市場の動きにも時々目を配らせておきたいものです。

■来週の注目イベント

11月に入りましたが、APECも中止となりブレグジットも米中通商協議署名も12月上旬へと延期という流れの中で、日々経済指標等はあるものの、方向感が決まるようなイベントはありません。あえてあげるならば、連日のように発表される各国のGDPくらいです。GDPで一時的に上下に動くような場面は見られそうですが、その程度とも言えます。

そこで、ちょっと気にしておいていただきたいのは、現在はちょっとした材料で上下に振れやすく、テクニカルなサポートやレジスタンスが効きにくい時間帯にあるという点です。これは11月20日までそうした日柄となっていますので、テクニカルな判断をするときには、ターゲット未達成、ターゲット超えといったことが起こりやすいのだという意識でいるとよいと思われます。