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■先週の振り返り

先週はNYダウ(US30.I)とユーロ建て金(XAUEUR)を扱いましたので、その後の動きを見ておきましょう。

(1)NYダウ(US30.I)

NYダウは、株価が実体経済に見合った水準なのかどうかの疑問を呈し、実際の景気回復に向けての動きが出てくるには、少なくとも人と物の移動がある程度以前の状態に近づく必要がある旨を書きました。またテクニカルには年初来安値と戻り高値との38.2%押しに当たる22000ドル水準への調整を示しました。

その後の動きはまったく下げること無く先週のチャート内に示した上昇ウェッジのサポートに沿って上昇継続、戻り高値を更新する動きとなってきました。依然として実体経済は悪く昨日の米国GDPも予想よりも弱い数字でしたが、最近では弱い数字は当たり前、コロナ後のV字回復に期待という期待先行の強気相場になっています。

個人的にはしっくりと来ないことは変わりませんが、テクニカルには戻り高値を超えてきたことで、次のターゲットとして史上最高値と年初来安値の61.8%戻しとなる25226.1を目指す流れにあると見ざるを得ません。ただ、同水準まで戻すようであれば、いったん調整の下げを考える流れになるのではないかと見ています。

(2)ユーロ建て金(XAUEUR)

ユーロ建て金は、先週時点で史上最高値を更新していたことから、テクニカルなターゲットとして大台1600、そして3月安値を起点とした上昇N波動から求める1622.68(100%)、1678.54(127.2%)をあげ、1600ユーロ台半ばを目指す動きとしました。

しかし、その後の動きはドル建ての金がやや上値の重たい動きをする中、ユーロドルの買い戻しが目立ったことから、1612.34を高値にユーロ建ての金もじり安となってきています。大台1600は乗せたものの上昇N波動による最初のターゲットにも届かずですが、上述のNYダウの上昇同様にリスクオンの動きがいったんは金価格の上値を抑えた格好と言えます。

株式市場の動きも見ながら、株価の上値が重くなってくるようであれば、その時は改めて金には買いが入りやすい流れになると考えられます。どうも個人的な見通しとは逆に実体経済から乖離した楽観によるリスクオン相場の中にいるように思えてなりません。

■今週の注目銘柄

今週はドル円(USDJPY)とポンド円(GBPJPY)を取り上げます。

(1)ドル円(USDJPY)

3月のドル円は本当によく動きましたが、4月に入ってからは静かな日が増え、3日以降は1日のレンジが1円未満の日がずっと続いていて、いつものドル円相場に戻ったような状態です。

そうした比較的静かな動きの中でも今週に入ってからのドル円は日々緩やかに水準を下げてきて、昨日は一時106.350の安値をつけました。最近の全般的なドル安の理由としては、一時期のようなドル資金逼迫による為替市場でドル買いが解消され、欧米における感染者拡大に比べ落ち着いている日本円という消去法的な円買いがあります。

また、株式市場がコロナ後を見ているように、米国の超緩和策がコロナ後にも簡単には引き締めには転換できず、将来的にドル余り状態になることからドルの価値自体が下がるのではないかといった思惑もあるでしょう。

ただ、個人的にはテクニカルな要因が最も大きいと見ていますので日足チャートをご覧ください。

(チャート提供:サクソバンク証券)

以前、ドル円のチャートを見た時のフィボナッチ・リトレースメントがそのまま残してありますが、昨日の安値は、3月安値101.171とその後の戻り高値111.705との半値押し106.438のターゲットを達成した動きとなっています。

いったん達成感も出てはいるものの、4月に入ってから106.90レベルを3度目のトライで下抜けたことから、現状は4月高値から引いたレジスタンスラインとそれに平行に引いたラインとで構成される下降チャンネルの中での動きになってきたと見てよいでしょう。

次のターゲットとしては3月安値とその後の戻り高値との61.8%押しとなる105.195、つまり105円台前半を目指す可能性が高いと考えられます。同水準と下降チャンネルの下限が重なる5月中旬頃が時間的タイミングが合う時期となります。

(2)ポンド円(GBPJPY)

ポンド円は、上のドル円と比較するとよくわかりますが、3月安値とその後の戻し高値以後の動きが鈍く上下とも限定的な動きが続いています。これは、そもそも3月高値の水準がドル円がほぼ2月高値近くまで戻したのに対して、ポンド円は半値戻しをやや超えた程度の水準で上値を抑えられたという面が大きく、その後の動きが緩やかという以上に戻りが少なかったということによるものです。

最大の原因は欧州でも新型コロナウイルスの感染者が拡大する中で、英国も感染者が急増する上に、今は退院しましたがジョンソン首相まで入院する事態となったことや、イタリア同様に死亡率も高い水準となっていることが嫌気されてのポンド売ということがあります。

また仮のコロナ禍が無かったとしても年末に期限を迎えるブレグジット移行期間に向け、EU側以上に多くの手続きを抱えている(主要国すべてと行う必要)ことも悪材料となります。おそらく、この移行期間は延期される可能性が高いと思いますが、そうであったとしてもやらなくてはならない手続きです。材料的に景気悪化懸念+その後の問題山積が売り材料になっていると見て良いでしょう。

日足チャートをご覧ください。

(チャート提供:サクソバンク証券)

テクニカルには横方向への動きとなっていますが、水平に引いた平行チャンネルの下側が緩やかな形状のヘッド&ショルダーのネックラインともなっている点は気になります。若干の距離はありますが、131.80レベルを下抜けてくると下げが加速するリスクがあります。

その場合のターゲットとしては、3月安値とその後の戻り高値とのフィボナッチ・リトレースメントを計算することとなりますが、最低でも38.2%押しの131.179、最も可能性が高いターゲットとして半値押しの129.777があげられます。大台130円にも近いので、131.80レベルを割り込む時には130円の大台を試しやすいというイメージでよいと思います。

■来週の注目イベント

今週は日銀会合で予想通りの追加緩和が発表され、昨日のFOMCも予想通り現状維持ということになり市場への影響は見られませんでした。本日は一連の金融政策決定会合の最後となるECB理事会が開催されます。一部ではマイナス金利の深堀りといった予想もあるようですが、ECBも現状維持ということになる可能性が高いように思えます。

そして、日本ではゴールデンウィーク、人の移動が制限されているため、過去に例の無い連休となりますが、明日1日に緊急事態宣言の期間延長が検討されることとなっています。欧米では5月中旬以降は規制緩和の方向ですが、感染拡大が遅れて発生した日本においては1か月ていどの延長となるようです。

既に国内の経済は大打撃を受けていますが、さらに1か月延長となると連鎖倒産といった事態に警戒が必要で、週初の日銀会合による追加緩和は延長を見越しての動きであったとも言えるでしょう。ただ、実体経済は今後一段の悪化ということになりますので、NYダウ同様に強い日経平均株価も米国株に調整が見られる時には注意が必要でしょう。

現状、各国の経済指標は悪くて当然という予想から、反応が鈍くなってきていますが、本日以降来週も含め連日重要度が高い経済指標が発表されます。いつ、やはり悪いということになってもおかしくありませんし、東京市場は5連休の週末となりますので、ポジションの管理には十分注意したいところです。